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今は沖田隊長の運転で病院に向かっている最中である。私はというと大きな後悔をしていた。

「はぁー…」
「ったくコレで何回目でィ。うっせーぞ」
「だってー…」
「何があったって言うんでィ」
「実は・・・」




「お前が……他の男に抱かれたっていうのが激しく気に入らねェ…」
「副長…?」

「名前…、今こんなこと言うのは間違ってると思うし何よりお前を傷つけるとはわかってんだ、」
「…何でしょう」

「お前を……俺に、抱かせてくれねェか」
「え?」

「ダメか…?」

ダメなわけない、ダメなわけないけど、でも…今は、

「副長、あの…私としては凄く嬉しいです、でも…もしそれが…私に対する同情とか、罪悪感からなら…私…っ」
「名前…」
「副長が私を…愛してくれないなら、イヤです…」
「…そう、だよな…変なこと言って悪かった。今日はゆっくり休め、明日は朝一で病院に行くって総悟が言ってたからな」




「へぇ…土方さんがねぇー」
「何でもいいから抱いてもらうんだった。今でもなんか気持ち悪いんですよね入口が、」
「入口とか言うな」
「どうせ変な感覚が残るんだったら副長のがよかった」

「(土方コノヤローの100%の好意に気づいてないのはお前だけだっつーの)」

病院に行って検査をしてみれば最悪の結果は免れたみたいだった。念のためアフターピルなるものを飲めばもう大丈夫らしい。本気で安心して胸をなでおろしたら沖田隊長が私の頭を撫でながら「良かった」って呟いた。珍しいこともあるもんだと思った。


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