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【 6 】

「ミナトー!今日の夜ご飯何がいい?」
「ん…そうだなあ」

ミナトが私を心配しないように、出立の日まで出来るだけ明るく接してきたつもりだった。それなのに朝イチで私の家を訪ねてきたミナトときたらいつもより暗い。暗すぎるくらいだ。まるで普段のテンションが入れ替わってしまったようだった。

「もう、いつになったら治るのそのテンション。もう明後日でしょ?」
「もう明後日だから落ち込んでるんでしょ」
「なぜ落ち込むの。ミナトが望んで修行に行くのに」
「ナマエと離れたくないからでしょ!!なんでわかってくれないの」
「そんな子供みたいなこと言われても…」

なんとも自分勝手なやつだ。離れないと言ったかと思えば修行に出るといったり離れたくないと落ち込んでみたり。

「ナマエ、あのさ、明日の晩泊まっても良い?」
「泊まるの?珍しいね」
「最後の晩くらい一緒に過ごしたい」
「最後だなんて大袈裟な」
「だって次いつ会えるかわからないんだよ」

あのときは…三年だったかな。

「わかった。で、今日の夜ご飯は?」
「んー、肉じゃが。明日はオムライスが食べたい」
「作って待ってるから、最後の任務がんばってきて」
「今日は簡単な任務だからすぐに帰ってくる。明日は休み」
「わかった、頑張ってね」

ミナトを送り出して暫しボーッと考えた。私だって寂しいし、里は不安定だし色々と不安だ。昔とは違って忍としての腕もなければあの時のように鋭い感覚も持ち合わせていない。ミナトが居る時と居ない時では安心感も違う。

でも私には待つことしか出来ない。例え行かないでと泣き喚いた所でミナトが修行に出るという事には変わりないだろう。だったら素直に送り出してあげた方がいいに決まっている。

恐らく、三年。じっと待とう。