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【 4 】

今日はミナトが夕飯を食べに来なかった。
きっと急な任務が入ったのだろう。

なんだかんだと言いつつミナトの分もご飯を用意してしまっている私はきっとまぬけだ。結局ミナトがここに来ることを期待してしまっている。

明日の朝にでも食べるかとミナトの分だったはずの夕飯にラップをかけ、冷蔵庫にしまったところで溜息が出た。私はどうしたいんだろう。クシナへの後ろめたさが消えないけれど、クシナはここにはいなくて、ミナトの気持ちを邪険に扱うことも出来ずにフラフラフラフラ。

「はあ…お風呂入って寝よう。」

考えても今すぐに結論が出るわけではない。寝支度を済ませベッドに入る。考えるのも億劫だし目を閉じるとしよう。

(俺、四代目火影になるんだ)
(すごいじゃないミナト!!おめでとう!!!)
(俺なんかに務まるのかな)
(ミナトじゃないと出来ないよ)
(ナマエにそう言われると自信が持てるよ)
(ほんと?)
(ああ。俺が火影になれば君に色任務をさせることもない)
(どうしてそれを…)
(知らないとでも思ってた?任務帰りの君を俺がどんな気持ちで見てたと思う?)
(ミナト…)
(とにかく、もうあんなつらい思いさせないから)
(ありがとう)

私の体を気遣って頭を撫でてくれたミナトの懐かしい夢を見た。私が上忍になりたての頃だったかな。ミナトはいつも私を心配してくれていた。心配性なのは子供の頃からだけどね。

(九尾だ!逃げろ!!!)
(四代目が死んだ!?)
(どうなってるんだ!!)
(ミナトが死んだ…?)

体が震える、思考が止まる。
ミナトが死んだ?そんなはず…

「ナマエ!!ナマエ!!!」
「え?」
「どうしたの!?すごい汗だよ!」
「ミナト…?」
「ああ、俺だよ」
「ミナト!!」

私は目の前にいるミナトに安心してミナトに思い切り抱きついた。ミナトは子供をあやすように私の頭をぽんぽんと撫でてくれる。ああ、ミナトは生きてた。

「ナマエ?悪い夢でもみたの?」
「ミナトが…死んじゃった時の…夢」
「俺は生きてるよ?」
「…昔の夢」
「え?」
「あ…ごめん、なんでもない」
「ナマエ…」
「ミナト…いなくならないで」
「俺はずっとナマエと一緒にいるよ」
「うん」
「ナマエが嫌だっていっても離れない。離れてあげないよ」

私の思いとは裏腹に、心はミナトの隣を切望していた。