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【 Prologue 】

「大変だ!里に九尾が現れたぞ!」
「たくさんの忍がやられた…!」
「火影様は一体どこにいるんだ!?」
「四代目が来るまでなんとか持ちこたえろ!」

突然、我らが木の葉の里に九尾が出現した。
もちろん忍である私は戦闘要員として九尾と戦った。誰もが懸命に戦ったが、結果としてたくさんの命が失われ、里は壊滅状態に陥った。

こんな時ミナトが近くに居てくれたら…彼は今どこにいるのだろう。運び込まれた木の葉病院の一室でふとそんなことを思った。九尾が現れたということはクシナの封印が解けてしまったということだ。ミナトは、クシナは、そして彼らの子供は無事なのだろうか。

「おい聞いたか!?四代目火影様とクシナ様が亡くなったらしいぞ!!」

(ーーーーーえ?)

「屍鬼封尽で九尾を封印してそのまま…」
「里の為に、火影様が自ら…!」

ーーミナトが、死んだ?

何を言ってるの?何が起こっているの?
ミナトが死んだ?あんなに強いミナトが…?

…………死んだ?

思いもよらない出来事に、私は声も出せないまま静かに泣いた。



ミナトの葬儀の日までの記憶は曖昧だった。
あれから何日経ったのか、どうやってここまで来たのか、何故私の目の前にミナトの遺影があるのか。なにもかもわからない。

(あはは、ナマエったら本当にドジなんだから)
(ナマエ、君は大切な存在だ)
(守るよ、君も、里も)

ミナト、ミナトミナトミナト…どうして置いて行くの?死ぬ時くらい私を連れていってくれてもいいじゃない。

「ナマエ、さん」
「カカシくん…」
「その…ナマエさんには何て声をかけていいか正直わからないんですけど…」
「私、またミナトに置いていかれちゃったな」
「…………」
「追いつきたくて、ミナトの隣に…クシナとは違う形でもいいから、彼の隣に並びたくて修行だって頑張ったのに」
「ナマエさんは強いです」
「木の葉きっての天才に言われると恥ずかしいわ。私…生きる意味がわからなくなっちゃった」
「…変なこと、考えないでくださいね」

ミナトの顔岩の上に立って、木の葉の里を眺めてみる。私が大好きな木の葉の里の姿は今はない。全て九尾によって壊されてしまった。この壊れた里で、ミナトのいない木の葉で、私が生きる意味は何なのだろう。会いたいよ、会いたいよミナト…

私は体を宙に投げ出した。

この高さからならきっと死ねる。
ミナト、会いにいってもいい?

「―――ごめんね」

と、ミナトの声が聞こえた気がした。