「鬼灯様…お慕いしております…!」
「知っています。」
「え?」
伝えるか伝えないか数日悩んだ挙句意を決して伝えた言葉、それをこんなにもあっさりと知っていますだなんて、そんなことある?
「そんなあからさまな態度を取られていてはいくらバカでもわかります。」
「……」
「まあ私も悪い気はしていませんでしたし、何より貴方のこと、嫌いではありません」
「…はい」
「私これでも何かと忙しい身でしてね。普段は追われるより追いたい派なのですが、貴方が相手であれば追われるのも悪くないし効率がいいかと思いまして。」
「そうですか」
「毎日毎日好きですオーラ満開で近寄られるとそれなりに気にもなりますし、いい気分でしたよ」
「そうですか…」
「貴方あまり賢くはないようですから、わかり易く言いますとね、私も貴方が好きですよ」
「…え」
「なんですかその反応は。」
「いや、まさか、そんなお返事を頂けるとは…今の話の流れ上、理解できなくて」
「難しいことは考えなくて結構です。貴方は私が好きで、私も貴方が好きだと言っているんです。わかります?」
「にわかには信じ難いですけど」
「はあ…」
「!?」
不意に鬼灯様が近づいてきたと思うと、鬼灯様の唇が頬に触れた。
「好きですよ、名前さん」
「は、はい」
「今日は記念に食事でもして帰りましょう。それから私の家に寄って、愛の営みでも。」
「ええ!?」
「なにか問題でも」
「ああありませんけど!」
「なら決まりですね。今日は定時で上がれるよう閻魔大王にも行っておきますので外で待っていてください。」
「はい…」
地獄の鬼官吏に凄まれてしまっては断れるわけもない。
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