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妖怪時計

朝晩急に涼しくなった。もう涼しいというよりも寒いくらいだ。こうなってくると布団から出るのが億劫になってしまう。…まあいいか、あと五分だけでも寝てしまおう

「っていいわけあるかゴルァァァァ!!!!!!!!」
「いったァァァ!!!!ああもうマジやめろよ土方コノヤロー!!!なんだよお母さんかよあと五分くらい寝かせてくれてもいいじゃんか!!!!」
「お前ェ今日は朝から大事な会議だって言ったろーがクソ」
「だからってか弱い乙女を蹴飛ばさなくてもいいでしょ」
「乙女?どこにいんだよ。俺の前には布団に巻かれた芋虫みたいな女しかいねェな」
「芋虫!?」
「ったく…だらしねェ。早く準備しろ。それともなにか?あ?布団から出られねェ理由でもあんのかコラ」
「よーおかーいのせいなのよー」
「は?」
「知らないんですか土方さん。日常起きてる嫌な出来事は全て目に見えない妖怪の仕業なんです。土方さんがタバコやめられないのも妖怪のせいなんです。」
「ふ、ふざけたこと言ってんじゃねェ」
「よーでるよーでるよーでるよーでる妖怪出るけんでられんけん」
「だから妖怪なんて居てたまるかってんだ!」
「あ、土方さんの後ろ」
「!」
「なにしてんすか」
「し、仕方ない。二度寝を許可しよう」
「やめてくださいよ。会議でしょ?私は起きますから」
「だ!だめだ!今出るとお前妖怪に食われるぞ!」
「何言ってるんですかなにもいませんから」
「だーかーらー!!」

突如私の布団に滑り込み震えながら私を抱きしめる土方さんとの押し問答は、通りかかった沖田隊長のバーズーカーが打ち放たれるまで続いた。


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