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お願いついてきて(R18)

寝る前に見たホラー映画のCMが原因だというとこは嫌という程理解していた。夜中にトイレに行きたくなって目がさめるなんて滅多にないのに、この日に限ってそうだった。妙に頭が冴えて、脳裏に焼きついたあのCMが何度も繰り返される。

「ねえ、土方さん、起きて…」
「んだよ…まだ夜中だろ…」
「トイレ…行きたいの」
「一人で行けよ。ガキか」
「お願い…怖くて一人で行けない…っ」
「はあ?」
「お願い土方さん…漏れちゃう」

寝る前にジュースなんか飲んでると夜中に便所行きたくなんぞ、と私のことをジト目で見ていた土方さんの数時間前の忠告を聞かなかったことを後悔した。

わかってる、いうことを聞かなかった私が悪いし、仕事で疲れてる土方さんをトイレについてきてもらう為だけに起こすなんておこがましいことこの上ないことくらいわかってるけど…お願い、

「はぁ…わかったから泣きそうな顔すんな」
「ごめんなさい、土方さん…」
「ちゃんとお返ししてもらうからな」
「うん…ごめんなさい」

渋々といった様子で立ち上がった土方さんの腕にしがみついたままトイレを目指す。この屯所には私以外の女性はいない為、女性用のトイレは来客用のものしかなく、土方さんの私室からは少しだけ遠かった。

ギィギィとなる廊下の床板が恨めしくてたまらない。なんでこんな純和風なんだこの屯所は…。

「おら、着いたからさっさといってこい」
「土方さんドアの前まできて」
「はあ?女子便に入れってか?」
「誰もいないからいいでしょ?お願い…っ」
「ったく、わかったから俺のいうこと聞けよ」

いつも鋭い土方さんの視線が、より鋭くなった。
なんだか良くないことが起こりそう。

「ほ、本当に開けたままするの…?」
「ほら早くしねぇと漏らすぞ」
「ドア閉めたい…!」
「ダメだ、さっさとしろ」

用を足すところを見せろ、だなんて。
いくら恋仲で普段裸を見せ合っているとはいえ、そんな姿見せるのは恥ずかしい。しかし尿意はすでに限界を突破していて、これ以上の我慢は大惨事を引き起こしそうだった。

「うう…見ないで」
「おら、しっかり足開け」

洋式の便器とはいえ、言われた通りに足を開けば恥部は丸見えになってしまう。手で隠そうにも目の前にいる土方さんはそれを許してくれなかった。

「…っ…出ちゃうよ…」
「おお、随分溜め込んでんな。だから寝る前にジュースなんか飲むなっつったろォが」
「ごめんなさい…っ…」
「ま、おかげでいいもん見れたがな」

思わぬ痴態を晒すことになってしまい、恥ずかしさで目頭が熱くなる。用を足し終えた安堵感と居たたまれなさが相まって涙がこぼれ落ちそうになる。それをグッとこらえているとカラカラと音がして、音のした方を見ると、土方さんが当たり前のような顔をしてトイレットペーパーを巻き取っていた。

「おら、拭いてやっから立て」
「自分でする…!」
「いいから、ほら」

無理矢理立たされだ挙句お尻を突き出すような格好にされ、幼い子どもにするように丁寧に丁寧にそこを拭かれた。

「ん…っ…やめて、恥ずかしい」
「んー?聞こえねェな」

拭き終えると今度は素手で撫でられた。
クリを指ではじかれ、ヒダを撫でられ、尿ではないもので、拭いたばかりのそこがまた濡れた。

「んだよ、また小便か?」
「ちがっ…土方さん、やだ、こんなとこで」
「こんなとこで、なにするんだ?」
「意地悪しないでよ…!」

土方さんだってこんなになってるくせに!とばかりに立派な彼の陰茎に触れる。

「お、なんだ?ここですんのか?」
「お部屋に行こ…?お願い」

土方さんは口角を上げていやらしく笑うと、さっさと戻るぞ。と手を洗ってトイレから出ていった。そういうところはいつも通り律儀だ。

先ほどまで怖くて仕方なかった廊下の床板はまたギィギィと音を立てるが、さっきまでの恐怖心はなくなっていた。理由は単純で、脳内を占めているのがホラー映画のCMではなく土方さんのいやらしい顔に変わったからだろう。

くだらない理由で彼の睡眠時間を削った代償はきっと大きい。腰が砕けるまで、日が昇るまで…抱かれるだろう。

「ほら、さっさと脱げよ」
「…うん」

土方さんの私室、先ほどまで身を寄せ合って眠っていた布団なのに、今はとんでもなくいやらしい場所に見えてしまう。

土方さんはもうすでに下着一枚しか身につけていない。私も彼に倣って寝間着を脱いだ。ショーツについては先ほどトイレで土方さんに奪われていたため、寝間着を一枚脱げば丸裸なわけなのだか。

「乳首立ってるぜ」
「土方さんのせい…だもん」
「ほお、俺のせいか」
「ん!やだっ」
「好きだろ、舐められるの」

土方さんからもたらされる刺激は全部好きに決まってる。でも、さっきあんなことさせられたのに…言われた通りに感じてしまうのはなんだか癪で苦し紛れの抵抗だ。まあそれも長くは続かないのだけれど…。

「ひゃあっ!」
「おいおい、ビッチャビチャだぞ」
「うっ…こすらないで…」

いつの間にか下着を脱いでいたらしい土方さんが、胸への刺激はそのままに下半身同士を擦り合わせていた。ぬるぬるになった私の割れ目に、土方さんの熱いものが触れるだけで気がおかしくなりそうなくらい気持ちが良い。

「可愛いな…さっき小便してたとこにチンコ擦り付けられて喘いでるなんて」
「やだぁ…土方さんのばか…っ」
「ばかだと?口が悪い子にはお仕置きすんぞ」
「やだやだ…もうっ…普通にしてよ…!」
「普通に、なにすんだ?」
「普通に…エッチしたい」
「はぁ…可愛いなお前は…」
「ひゃあっ!んああっ!」

突然中に指が入ってきた。普段刀を握る手、人を殺す手なのに、私触れるときはいつも優しい不思議な手。

「ヒクヒクしてる」
「ああっ!気持ちいいよぉ…んっ」
「もう入れていいか?まだほぐす?」
「もういいから、」

私がそう言うと、土方さんの動きがピタリと止まる。ああ…悪い顔。きっと言わせたいんだ。この顔をするときは、言わないとしてくれない。

「土方さんの…おちんちん、入れて、ください…」
「どこに、ってのは我慢しておいてやるよ」
「ん…っ…きたあ…っ」
「うっ…はぁ…うねってやがる…」

入れたまま、なかなか動いてくれない。
そんな彼にしびれを切らして自分で腰を振ると土方さんは嬉しそうに笑った。ああ…好きだ。

「ん…名前…お前上こい」
「きゃっ…ああ…っ…深くなる…」
「最高だな」

正常位から騎乗位へ体位を変えて続きをする。土方さんの太くてがっしりした腰へ跨ると、中に入りっぱなしだったものが奥に突き刺さって最高に気持ちが良い。前後に腰を振るとクリも一緒に擦れてあっという間にいきそうになる。

「あっあっ!もう、だめ!」
「早ェよ…っ…あっ!クソ…締めんなっ!」
「やだやだ…もう無理…っ!」
「クソ…っ…いく!」
「熱い…よ…っ…ああっ!」
「くっ…」

土方さんのものから熱いのが溢れ出てお腹の中に放たれた。熱くて熱くて、でも嬉しい。徐々に硬さを失っていくそれをズルッと抜いて、そのまま土方さんの胸に倒れこむ。

「うわっ、冷てェ!」
「ん〜?なにが?」
「お前から垂れてきてんだよ、腹の上に!」
「土方さんが出したんじゃん」
「だからってお前ェ…毛に絡まると面倒なんだよ」
「もうどうせビショビショです」

色々言うけど事後処理まで完璧にしてくれる土方さんは優しい。でも、丁寧に拭いてくれるその姿を見ると、トイレでの出来事が思い出されて、また濡れそうだった。


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