いつものようにニンマリと笑みを浮かべた神威が近寄って来たかと思えば、いきなり「させてヨ」だと。
まったくあの世話役のおじさんは何をやっているのだ。今日は、というか一週間は近寄らせないように頼んでおいたのに。
こんなこと言ったらきっと阿伏兎は「そんなの無理に決まってるだろこのスットコドッコイ」なん呆れながらて言うんだろうけど。
「ねー良いデショ?」
「無理。生理だもん」
「アリ?生理来ちゃったんだ。あんだけ中に出してるのに全然孕まないんだネ。まさか、薬でも飲んでるの?」
「薬なんて飲んでないけどさ。…どうせ子ども出来ても、成長すれば殺すんでしょ?そんなのわかってて産みたくないよ、」
仮にも好いた男の子供だ。殺されるとわかっていながら孕むなんてつらすぎる。
「んー…」
「どうしたの難しい顔して」
「それがネ、君との子供が生まれても殺しちゃおうと思えないんだよネ」
「え?」
「なんでだろ」
わかんないや、と言いながら微笑んだ神威を見て少し安心した。神威と私との子供は、神威が愛を向ける対象に成り得るのだろう、きっと。
「早く生理終わんないかなー」
「一週間は絶対無理。というか神威は激しすぎるから暫くシたくないんだけど」
「そんなこという子にはお仕置きしちゃうゾ?」
今度の微笑みにはゾッとした。
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