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未来の旦那様

「何してんだ?」
「字を書く練習だよ」
「今更字書きの練習って…お前いくつだ」
「名前が勉強とは明日は雨だな」
「お前ら死ね」

不法侵入についてはいつものことだから今更突っ込まないけど、人が真面目に勉強してるのになんていう言い草だ。最悪だコイツら。

「で、何書いてんだ」
「…俺らの名前?」
「なんで?」
「中々上手いぜよ」
「だってさ私四人の内の誰かと結婚するから今の内に名前書く練習しておかないと」
「「「「え?」」」」
「え、なに」
「お前この中で俺以外の男と結婚する気だったのか」
「いや銀ちゃんと結婚する約束とかしたことなかった筈だけど」
「お前俺以外の男とヤることが許されると思ってんのか」
「晋助とヤったこ…「何じゃと!名前は晋助とヤったがか!?」…だからヤってないし」
「結局誰の名前が一番書きやすかったんだ?」
「晋助と銀ちゃんの名前はわりと書きやすかった」
「「じゃあ結婚しよう」」
「でも坂本って苗字も割りと好きなんだよね」
「桂は?」
「なんか…落語家みたいだから却下しても良いかな」
「(ガーン)」
「ヅラは黙ってろ」
「ヅラは落選だな」
「はっはっは、ざまぁみろ」
「あ、でも婿入りっていう手もあるか」
「「「は?」」」
「じゃあ俺は喜んで名前の婿になるぞ!」
「は!?お前ガキの頃銀ちゃんのお嫁さんになるって言ってたじゃねェか!」
「いやそれは俺に言った台詞だ。晋助のお嫁さんになるって言ってたぞ!」
「いやいや…おまんらは馬鹿じゃ!それはわしに言うた台詞ぜよ!」
「誰にも言ってないし」

コイツらの得意分野は記憶の捏造なのか?アホなのか?

「あー…例えばさ、四人の誰かの子供を生んだとしよう」
「「「「うん」」」」
「ヅラは動物好きだけど私はアレルギーだから却下ね。子供までアレルギーとかだったら可哀相だし」
「(ガーン)」
「辰馬は長身でお金持ちだけど…子供の髪がもじゃもじゃで卑猥になるからヤダ。公然猥褻ヘアーとか可哀想だし」
「(ガーン)」
「ちょっと待てー!」
「同じ理由で銀ちゃんもヤダ。糖尿寸前とか爆弾抱えた旦那とか無理」
「(ガーン)」
「…ってことは俺と結婚する気になったか」
「いや、よく考えてよ。私も身長高い方じゃないしさ…晋助との子供だったら絶対にチビだよね。女の子なら良いけど男の子だったら可哀想だし無理かな」
「(ガーン)」
「え、みんなどうしたの?地面に顔がめり込んでるよ?…まぁいいか。じゃ私は彼氏候補を探してくるとしよう!ばいばい!」

私は意気揚々と外へ出た。目指すはお金持ちで長身で黒髪ストレートのイケメン!

「あ、そこのお兄さん!」
「なんでしょう」
「あの突然で申し訳ないんですけど、よろしければ私と一発「「「「ちょっと待てェ!!」」」」…なに」
「「「「お前と結婚するのもヤるのも俺だ!」」」」

ごめん、色々間違ってる気がします。あ、お兄さん待ってー!

「お前が待て!」

振り出しに戻りました。


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