×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -


▼ ▼ ▼


私には女らしさというものが欠けているような気がしてならないと前々から気になっていた。雨の日は嫌いだけど雷が怖いかって言ったらそうじゃないし、怖い話も誰かの作り話だと思えば全然平気。

…な筈だった。

多分アレは怖い話をするときの沖田隊長の顔とか雰囲気が怖かったせいであって私は悪くないと思う。そうだ、私は悪くない。悪いのは全て沖田隊長なんだから。よって副長への夜這いも責任は沖田隊長にある!

「お前何やってんだこんな時間に」

「副長こそこんな時間に書類ですか」

「しょうがねェだろ溜まってんだから」

「言ってくれれば手伝ったのに」

「んなこと言ったってお前朝の時点で眠そうだったろ」

うわ。副長ったら私のこと気遣ってくれて…!今キュンとした!どうしよう心臓が止まりそうだよ副長!…と伝えたら止まれば良かったのにって言われた。

「で、お前は何しに来たんだっけ?」

「あ、…トイレ!」

「厠はあっちだ」

「…ついて来てくださいお願いします」

「は?」

まさにポカンとした顔の副長。いや、そんな間抜けな顔も可愛いしカッコイイんだけどさ!そんなの今は問題じゃなくて私は色々ギリギリなんです…!

「あー間に合って良かったマジで」

「ったくお前はガキか。色気ねェな」

「文句なら沖田隊長に言って下さい」

「言ったらお前にとばっちりが来るだろうな」

「やっぱやめて」

副長の寝巻の袖を握って廊下を歩く。なんだかんだ言って副長優しいんだよね、やっぱ好きだなー!

「…なんだよ」

「やっぱ好きだなって思って」

「へー」