【お前の初めて、俺が全部貰うから 】
「銀さん…ほ、ほんとにするの?」
「当たり前だろ」
ナマエと真剣に大人の交際をスタートさせて二週間が経った。元々付き合う前から長い間お知り合いを続けてきた為に何をするにも気恥ずかしさが抜けないし、あいつも中々俺をそういう対象として見ることが出来ないようだった。
しかしあれだ。俺はお知り合い期間もずっとナマエに好意を寄せていて、やっと実った恋なのだ。俺の恋なんて中学生がするような純粋なものではないが、それでもナマエを思い続けてきたのは事実で、それなりにイヤラシイこともしたいと思い続けてきた。そしてようやく結ばれるチャンスが巡ってきたのだ。このチャンスをみすみす逃すわけにはいかない。
「私、したことなくて、」
「知ってる。」
「だからまだ怖くて、」
「俺…十分待ったと思わねェ?それでも…どうしてもお前が嫌だって言うなら無理強いする気はねェけどよォ…」
「嫌じゃなくて、そりゃ私だっていつかは銀さんとって、ずっと…っ」
ずっと…?なんだよそれ、俺だけがずっと片思いしてたわけじゃないのかよ…
「ナマエ…っ」
「ん!…ふぁ…銀さん…っ」
もうアレだ、我慢なんて出来ねェ
「ナマエ、お前が不安なのはわかるけど、俺だってお前が俺から離れていかねェか不安なんだよ。だから頼む、俺はお前と繋がりたい」
「銀さん…そんな言い方ズルい」
「ズルくても何でもいい。お前の初めて、全部俺がもらうから。いいだろ?」
「銀さんに渡すためにずっと大事にしてたんだもん…銀さん以外にあげないよ」
上目遣いでニコッと笑ったナマエを見て脳内で理性が崩壊したのがわかった。こいつわかってやってんだったらとんだ小悪魔だな。
「愛してるぜ、ナマエ」
ゆっくり布団に押し倒すと、ナマエは諦めたように息を吐いた。
「銀さん、優しくしてね」
「当たり前だっつーの!」
柄にもなく緊張していることを悟られないようにゆっくり唇を重ねた。愛してるよ、お前だけいればそれでいい。
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