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道の往来で確実に堅気ではないであろう柄の悪いお兄さんとか弱い女子高生が言い合いをしていても誰も助けようとはしてくれない。そりゃそうだよなあ…自分があっち側だったら巻き込まれたくないと思うもん。都合よく真選組の人たちが見回りで通ったりしないかな。そんなに人生甘くないか。

集まるだけ集まって助けようともしてくれないギャラリーの端の方に、キラリと光る銀髪が見えた。私は意を決して叫ぶ。

「銀八!!!…じゃなくて銀時さん!!」
「んあ?ナマエちゃん?なにしてんの?」
「絡まれてんの!助けてください!」
「あ?なんだオメェ?」
「おたくこそこんな可愛い少女に何してんの?いや、ナニしようとしてんのか、」
「ナニすんのは今からだよ!部外者は引っ込んでろ!」
「んだとコラ」

言うや否や銀時さんは腰にささった木刀を素早く抜いて、チンピラお兄さんを伸してしまった。本当に、一瞬。

「なんでこんなのに絡まれてたの」
「肩がぶつかって病院代たかられてました」
「はあ、とんだ災難だねェ」
「助かりました!ありがとうございます!」
「ひゃー、しっかし女子高生か…たまんねぇよな。うん。どう?土方くんなんかやめて俺のとここない?」
「は?」
「だからー、ニコチンマヨラなんかやめて銀さんのところにおいでっていってんの。ね?」
「いやです。」
「チェ、つれねーの」
「はーいそこまで。未成年に対する淫行は犯罪です。逮捕」
「土方くん!」

私たちが居た場所に騒ぎを聞きつけた真選組が遅れて到着した。銀時さんが伸してしまったチンピラお兄さんは、到着した真選組の隊士によって連行されたようだ。

「お前こんなとこで何してんの?また絡まれてんの?バカなの?」
「土方くんバカとか言わないで」
「もうお前マジで一人で外歩くな。絶対俺と一緒にいるときしか外歩くな。わかったかコラ」
「え、絶対土方くんと…?むりむり!やだ!」
「もう決まった。破ったら切腹だからなコラ」
「ええええええ!」
「ちょっと土方くん!?おたくのお嬢ちゃん助けてあげたのに逮捕ってどういうこと!?」
「それとこれとは別だ。だから言ったろ、未成年相手の淫行は…」
「まだシてねええええええ!!」
「ほらする気だったんだろ。ナマエ、大人は汚ねェんだ。とくにこの天パには近寄るなよ」
「わかったよ土方くん」
「わかればよろしい。帰るぞ」
「はーい」

手錠をかけられたチンピラお兄さんとは違い、土方くんの手でロープでぐるぐる巻きにされた銀時さんはその場に転がされたままだった。


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