×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

屯所のいたるところからナマエは?ナマエはどこだ?という声が上がっている。嫌な予感が頭の中を支配していると、総悟が部屋にやってきた。ナマエを知らないか、と。

「土方さんから外出許可貰ったから外に出るのについてきて欲しいと頼まれやしてね、まあちょっと別の用事があったから後でって言ったんですが他の隊士も同じだったみたいで…結局あいつと一緒に出かけたって奴が誰一人いないんでさァ。ってことはあのバカは一人で外に出た挙句迷子になったか攫われたか…」
「おいおいどんな巻き込まれ体質だよ」
「いや、とんでもない巻き込まれ体質だからこそあいつここにいるんじゃねーですかィ」
「…だろうな」

ったくあのバカ…無事なのか、

「とりあえず全員集めて捜査にかかれ。そんなに遠くまではいってねェだろうからな」
「りょーかいでさァ」



高杉くんに米俵のように担がれた私はなぜか港に連れて来られていた。目の前にはいかにも、といった感じの船がある。え?これ高杉くんの船?やっぱボンボンなの?と聞くと鬼兵隊の船だ。と教えてくれた。土方くんが危険だって言ってた組織だ。

「私をどうします?」
「まァ…着いてから考える」
「えー。だからそろばん塾に行ってなよ、私を攫ったって良いことないって」
「お前ェのその物言いにも興味があるんでなァ。」

クククと笑った高杉くんはそのまま船へと入っていってしまった。中二病なのは変わりないようだ。

「この船どこまでいくの?」
「そうさなァ…宇宙(そら)にでも行ってみるか」
「(やばいやばいこの人ガチで中二病じゃん)」

大人になった高杉君は中二病をこじらせているらしい。元の世界に帰ったらそうなる前に彼を止めてあげなければ、そう心に誓った。


prev | next