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【 鼓動と孤独は歌にして 】

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あれからまた時が経って、私がカカシに抱かれる回数は次第に減っていった。彼が下忍を担当するようになり、私が長期で里外へ出向く任務を請け負うことが増えたことが原因だった。

正直に言うとミナト先生の面影を持つナルトを見るのはつらかったから、丁度良かったのかもしれない。私の苦しみをわかってくれる唯一のカカシがそばに居ないのは少しだけ寂しさを増幅させたが、そんなものもいつの間にか薄れていった。

「よ!ナマエ。何年ぶり?」

「二年かな?」

「今回は長かったね」

「そうね」

「たまには…ゆっくり飯でもどう?」

「カカシの奢りなら良いよ」

「よし決まり。じゃあまた後で」

「じゃあね」

五代目火影様に任務の報告をして、カカシと約束した居酒屋に向かった。いつの間にか…私たちもお酒を飲める年齢になった。望んでいなくてもこうやって時間は過ぎていく。みんなが先生の死を忘れていく。三代目まで亡くなってしまった今、多くの犠牲の上に成り立つこの里も少しは…あの頃よりも平和になったのだろうか。

「ちょっと飲み過ぎじゃない?」

「そんなことないでしょー」

「いーや、酔ってるねお前」

「うるさいよ、もっと持ってきて」

「ありゃりゃ」

「カカシー」

「んー?」

「ナルト、大きくなってたねえ…」

「そうだね」

「先生に似てきたね」

「ああ」

「カカシはミナト先生が残したもの、ちゃんと守ってるんだね」

「お前もでしょ」

「守れてるのかな、私」

ボーッとカカシの言葉を反芻している間にか会計を済ませたらしい彼に腕を引かれて店を出た。お酒を飲むとダメだなあ…寂しくなる。

「カカシ…」

「なに?」

「抱いて、私を」

「…ねえ、それ、俺じゃなくても言うの?」

「え?」

「……やっぱいい。なんでもない」

その夜、私は久々にカカシに抱かれた。