【 逃げだした愛ごとつかまえて(終) 】
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ペインとの戦いが終わり、ナルトが英雄と呼ばれた。いつの間にか本当に立派に成長したものだ。里のみんなから慕われる姿も、その中心にある太陽のような笑顔も、ミナト先生にソックリだ。
「ナルトを見るのは辛くない?」
「…いつの間にあんなに立派になってたんだろうって、驚いてる」
「あいつは誰がなんと言おうと木の葉を救った立派な忍だよ。四代目のようにね」
「そうね」
カカシの隣に並んで、歓喜の声をあげる里のみんなを眺める。里が壊滅状態であってもみんな笑顔で生き生きとしている。きっとこれからすぐに復興に取り掛かるのだろう。先生が、ナルトが守り抜いた木の葉はこんなにも力強い。
「先生の意志が生きてるのね」
「お前が守ってきたものたちだよ。誰もいない所でこっそり泣きながら、お前が戦ってきたおかげで今の木の葉がある。」
「私だけじゃないよ、カカシも」
「あいつらは俺が守らなくても良いほど立派に、そして強くなった」
「うん」
「だから今度はさ…いや、今度こそ、俺はお前を守りたい」
「え?」
「もう頑張らなくていいよ、」
「…ッ…」
「今度は俺がお前を守るから、」
「カカシ…ッ」
「愛してるよ、ナマエ」
カカシはそっと私をそっと抱き寄せて瞼にキスを落とした。
「今度は、ナマエが俺に"おかえり"って言ってよ」
「…うん」
「お前のためなら頑張れるから」
「うん」
「愛してる」
「…私も」
先生、私やっと幸せになれそうです。
・・・ありがとう、カカシ