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…あれから暫く抱き合ったままだった。火照った体に夜の冷たい風が当たって、土方さんの腕の中が気持ちよくて何だか眠気が襲って来た時。

「お嬢様、土方さん…って、お邪魔でした?」

「そ、そんなことないです!ね、土方さん!?」

「山崎…(空気読めコラ)」

「(悪寒が…)もうすぐ最後のダンスがあるのでお召変えを、と思いまして…」

「もうそんな時間か…」

「土方さん?」

「お嬢様はこのまま山崎と一緒にお召変えを。とびっきり素敵なドレスをご用意させて頂きましたので、」

「そうだった、楽しみだなぁ」

「それでは私も着替えてまいります。山崎、頼んだ」

「了解であります!」

土方さんと別れて、山崎さんと一緒に控室に向かうと、そこには一着のドレスがあった。

「内緒だけどね、土方さん色んなカタログ引っ張りだしてお嬢様に似合うドレスをって毎晩悩んでたんだよ」

あの人センス良いからなぁ〜と呟いた山崎さんの視線の先には土方さんが選んでくれたドレス。シンプルだけど地味じゃなくて…本当に土方さんのセンスの良さが窺い知れる。これを着て踊るのか…ちょっと緊張する。

ドレスを着てお化粧を直してもらってメインホールに戻ると、いつもとは違うタキシードを着た土方さんがいた。…どうしよう、素敵過ぎる。

「似合わないでしょうか…?」

「そんなことないです!素敵過ぎて…どうしようかと、」

「お嬢様‥‥とてもお似合いです。」

「あ、ありがとう」

「誰にも見せたくないほどに、本当に素敵です」

土方さんのストレートなセリフに照れていると音楽が鳴り出し、私の目の前に膝まずいた土方さんが手を差し出してくれたので、自分の手をそっと重ねた。今夜は忘れられない夜になりそうだ。

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