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『……ふわぁ〜…』
「…モグモグ」
大きなあくびをするハルの前に座るナツは昼間から肉を食らっている。隣では同じようにハッピーも魚を食べていた。
『闇ギルドねぇ…』
視線の先ではミラジェーンが組織図を前に、最近活発化し始めた"闇ギルド"について説明をしているところ。
組織図の真ん中にはバラム同盟と呼ばれる<六魔将軍(オラシオンセイス)><冥府の門(タルタロス)><悪魔の心臓(グリモアハート)>の3つの名前が並んでいる。
たった六人しかいないといわれているギルド・六魔将軍について話していると、深刻な表情をして入ってくるマカロフ。
「その六魔将軍(オラシオンセイス)じゃが…。わしらが討つことになった…っ。」
「「えぇ…!!?」」
誰もが驚く中、ミラジェーンだけは笑顔のまま「おかえりなさい」とマカロフを迎えるのだった。
マカロフの話によると、先日行われた定例会で六魔将軍の不穏な動きに目が止まり、無視が出来ない状態のため、どこかのギルドが彼らを叩くことになったらしい。
そして六魔将軍を討つために連合を組むことになった、と。ここ妖精の尻尾(フェアリーテイル)、青い天馬(ブルーペガサス)、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、化猫の宿(ケットシェルター)の4つで。
意気込むナツにあからさまに体を震わすルーシィ。ハルはただあくびをするだけだった。
『で、なんであたしまで…』
「だからそれはあたしの台詞よ〜」
集合場所である青い天馬のマスターであるボブの別荘の前で呟くハルに、泣きべそをかきながら項垂れるルーシィ。
『エルザがいるなら戦力足りてるじゃん』
「そう言うな、ハル。」
ハルの肩を軽く叩くエルザは笑みを浮かべながら、別荘の扉を開けた。
「マスターのご指示だ。私たちと共に期待に応えようじゃないか」
『六魔将軍討つのはいいんだけどさ、これナツたちにはまだ…』
「マスターの指示だ!」
『……はーい』
有無を言わせぬエルザの言葉に、納得のいかないハルだが場を納めるため間延びした返事をすると、別荘内を見渡す。
「オレたちにはまだ…、なんだよ」
『聞いてたの?』
「聞こえたんだよ!」
むすっとするナツは腕を組み、問い詰めるかのようにハルを見下ろした。
『六魔将軍討つのって危ないんだよ?』
「オレらじゃ無理だって言いてぇのか?」
『……ただ、怖いんだって。』
「何が…」
『ごめん。気にしないで!大丈夫、みんな護るから…』
ふらっと離れていくハルの誤魔化すような笑みに、何も言えないナツはただ彼女を見つめる。
と、そこへ
「ようこそ!」
「「ようこそ!」」
「フェアリー」
「「フェアリー」」
「テイルの」
「「テイルの」」
「「「みなさん」」」
と、リズムに乗って現れた3つの人影。彼らの周りは何故かキラキラと輝かく。
「我ら」
「青い天馬より」
「選出されし」
「「「トライメンズ」」」
「白夜のヒビキ」
「聖夜のイヴ」
「空夜のレン」
何故か決めポーズでハルを見つめる三人に、見られている本人はただきょとんとしていた。
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