02









―――ガチャ


「また騒がしいギルドに元どおりか…」



聞いたことのある声と開くドア。ハルが涙を拭いながら視線をやると、ギルドの仲間たち同様、どこか様子の変わった蛇姫の鱗(ラミアスケイル)の面々。

『……ジュラ…と誰だっけ?』

「全然覚えてないじゃんか…。」


強い人物にしか興味がないのか、すっかり他の4人のことを忘れてしまっているハルに、アイスが呆れながら突っ込む。



「本当に全く変わってないのだな。」

『みんな年とったねぇ…。』

ジュラを見上げへらっと笑うハルの言葉に悪意はない。それを知っているからこそ、ジュラは苦笑するのだった。




「貴女たちがいない間に、私たち蛇姫の鱗はフィオーレNo.2のギルドへと成長しましたのよ!」

「No.2?ならNo.1は天馬?」

ルーシィの問いに「馬鹿を言わないでちょうだい!」と怒るシェリー。相変わらず盛れている頭にハルは感心する。


『で、何しに来たの?』

「久しぶりに会ってそれかよ…」

呆れるユウカにかまわず首をかしげるハルは、いつもの調子を取り戻して来たようだ。



「マカロフ殿…少し話が。」

ジュラはマカロフの元へ行くと何やら取り込んだ話を始めるようだ。ハルが楽しくない、と思いながら水を飲んでいると、リオンがある一点を見つめていることに気がついた。


『……?』

その視線の先にはきょとんとするジュビア。

「どーした?ハル」

グレイもハルの様子からリオンの視線に気づく。首をかしげる二人の前で、リオンは躊躇うことなくジュビアの肩へと手をかけた。



「…一目惚れだ!!」

「えっ…!えっ!?」

狼狽えるジュビアにかまわずリオンは頬を赤らめ訴える。


『……ちょ、直球だねぇ。』

「なんかややこしくなってきた…」

思わず妄想を始めるジュビアの思考は、全くわからないものとなっていた。



『グレイ…どーすんの?』

「……は?」

まさかのハルの問いに声をあげる。


『リオンはジュビアが好きでしょ?でもジュビアはグレイのことしか見てないし…グレイとリオン、またケンカしちゃう?』

「…そーゆうことか。」

ほっとするグレイに、ハルはきょとんと彼を見上げた。



「もし今おまえが"ジュビアが取られる"だの、"これで三角関係"だの言い始めたら…」

『……っ。』




「俺がおまえとケンカするハメになっちまってたよ。」


その冷たい瞳にハルはびくっと身体を震わす。向けられたことのない、彼のその寂しげな瞳にハルの鼓動は動きを速めた。

ぽんっと頭を軽く叩き離れていくグレイ。ハルは頭を抑えながら、自身の動悸の理由を、真剣に考えていた。











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