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―――ゴゴゴゴォ
大きな騒音にざわつくギルド。外へ出て確認をすれば、そこには青い天馬のクリスティーナの改良型が存在した。
そこから降りてくるのはもちろん彼ら、一夜とトライメンズの3人。予想外の登場に驚きを隠せない。
ラキたち女子にあらかたの挨拶を終えた彼らに、ワカバが本題を尋ねる。
「古文書の情報解析とクリスティーナの機動力を持って、フィオーレ中のエーテルナノを調べたかいがあったよ…。」
ヒビキの言葉に目を見開くマカオたち。ワカバは咥えていたタバコを落とす。
「天狼島は、まだ残っている!」
そう告げる一夜の言葉に、彼らは半信半疑で息を飲んだ。
元々天狼島があった海域へ再び船を出すフェアリーテイル。
しかし辺りをいくら探しても水平線が広がるだけ。
「ねぇ…本当にロメオ連れて来なくてよかった?」
「無理やりでも連れてくるべきだったかな?」
「まだみんな生きてるって決まったわけじゃないんだ…。ぬか喜びさせるわけには…。」
各々がうつむく中、ビスカが風が止んだことに気がついた。
「鳥もいねぇ…?どうなってんだ?」
マックスが水平線に何かを見つける。
「…なんだ、あれ。人…?」
よくみれば海の上に立つ少女。驚く彼らを放って、彼女は微笑みながら両手を広げた。
途端に荒れる海面と共に、目の前に現れたのは、7年前に姿を消したフェアリーテイルの聖域…天狼島だった。
何も言わないままに天狼島へと入っていく少女。マックスたちは慌てて彼女を追うことした。
その少女に小さな希望を託して…。
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