光に導かれて | ナノ

01

 




『ルフィ、どうしたの?』


一味の目の前でふらふらと不安定に歩き回るルフィ。ハルが不思議そうに尋ねると暑さに肩を落とすウソップが答える。



「たぶんあれのせいだ…。さっきあまりに喉が渇いたからって、そこらに生えてるサボテンをバリバリ食ってたからな」

「あれは強い幻覚を見せるサボテンだぞ!」


チョッパーの言葉に一味は呆れたように息をつく。ナミは構わずマツゲを歩かせ、ふらふらと離れていくルフィを見ながら当たり前のようにゾロへ言った。



「ルフィを追いかけて連れてきて」

「なんでおれが…」

「また借金のこと言わせたいの?」

「ちっ…ろくな死に方しねぇぞ!!」


嫌々ながらくたびれたチョッパーを引きずりながら歩き出すゾロを見て、ハルは歩みを止めると後を追う。



「ハル?」

『あたしも…ルフィの方行ってくる』

「ならおれも…」

『サンジくんはナミたちと一緒にいて?何かあったら大変だから』


渋々マツゲを追うサンジを見送ったあと、ハルは小走りで毬藻頭を追いかけた。



















「なんで来たんだ」

『今何かあったら大変なのはこっちかと思って』


ハルの視線の先には一人意味もなく暴れまわるルフィ、足元には舌を出し暑さに伸びてしまったチョッパー。少女の最もな意見に息をつきながら、ルフィに声をかける。



「おいルフィ、いい加減にしろ!」

「見つけたぞォ!クロコダイル!!」

「は!?」


突然殴りかかってくるルフィにゾロは慌てて刀を構える。そして、何故か二人は争い始めてしまった。



『……何やってんの』

「こいつに言え!!」

『はぁ…』

呆れたようにため息をつくハルはイノセンスを発動させると地を蹴った。砂漠に小さな穴ができる。


「…っ…ハル?」

ルフィとやり合いながらも消えたハルを不思議に思って名前を呼ぶが、彼女の声は思いもよらない場所から聞こえてきた。



『いい加減にしないと…』

「何…ッ!?」

「クロコダイルー!!」




―――ゴッ…


「「…ぶっ」」



『…蹴るよ』


彼らの真横に移動したハルは何の迷いもなく二人を蹴り飛ばしす。見事に入った豪快な蹴りによって二人は砂漠の砂にめり込んでしまった。



しかし砂がクッションとなり衝撃は緩和されているだろう。



「てっめぇ!おれまで蹴ることねぇだろうが!!」

『……喧嘩両成敗って聞いた』

「アレ?おれどうしてたんだ?」

『ほら、目も覚めたし結果オーライじゃん!』


うまく誤魔化された気がするが彼女の笑顔を見るとどうでもよく感じた。



『みんなのとこ、戻…』

「……どうした」


突然口を結んだハルの手がそっとゾロの腰に下がる三本の剣へと伸びる。その中の一本『和道一文字』の白い柄を掴んだ途端、ハルの動きは止まった。









 

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