「「うわぁああぁ！！」」


無事護送船を奪い取ったハルたち。
乗っていた海兵たちは、フランキーによって容赦無く海へと放り投げられた。

三人以外誰も乗っていない軍艦。
これでどうにか脱出しようと策を練っていたのだ。



「あとは麦わらたちを待つだけだな。」

フランキーの言葉を聞きながら、ハルはふと海の中を見つめる。
ぶくぶくと泡が海面を覆い、フランキーもまた何事かと顔を出した。


「死ぬんらないよォ！！！」

「ぎゃああぁあ！！！」

海から飛び出してきた人魚(?)に大声を上げるフランキーと、目をまるくするハル。初めて見るそれにきょとんと目を見開いていた。




甲板に投げられたのは、少女が会いたくて仕方がなかった仲間たちの姿。
気を失っていた彼らは、何とか意識を取り戻し、浅い息を繰り返していた。

彼らを運んできた人魚はココロで、ズボンを履きながらロビンとハルに目をやる。


「おまえたちられ？海賊王の小僧が助けに来た仲間。シフトステーションで会ったれ。覚えてるよ。」

「……。」

「あんときはまっさか、おめぇらがこんなこと仕出かすなんて考えもしなかった。海賊王になるなんて笑っちまったが、案外本当かも知れねぇな！！」

ココロの言葉に微笑むロビン。



ハルは豪快に笑う彼女に勢い良く抱きついた。

『ありがとう。…みんなを、助けてくれて。』

「がははは！可愛いところ、あるじゃないか！」




「ぶはっ…！！」

順に起き上がる仲間たち。
それぞれがココロの姿にぎゃあぎゃあ騒ぎ立てる。相変わらずタフな彼らに、フランキーは呆れて笑った。


「ハル！ロビン！！」

目が覚めたナミはチョッパーと、二人をまとめて抱きしめる。


「間に合ってよかった！無事だったのね！」

「ええ、おかげさまで。ありがとう。」

微笑むロビンに涙を流すナミは、本当に心配していたため、二人が無事なことに心から喜んでいた。



「あんたはもう単独行動禁止にするわ！」

『えっ！？』

「心配ばっかりかけるんだから…っ。」

優しく抱きしめるナミの腕。
肩に頬を付けながら、ハルは眉を下げて笑う。小さな声で『ごめんなさい。』と呟いた。


ナミの腕から抜けると、ゾロと視線が交わる。彼は何を言うこともなく、ふいっと視線をそらし、高い位置へと階段を登って行った。




「ハルちゃん！！無事でよかった！」

『サンジくんこそ、無事でよかった。…海列車であんな形で別れちゃったから、心配してた。』

「ハルちゃんに心配されるなんて…めろり〜んｖｖ」


相変わらずなサンジの様子に微笑むと、ハルはゾロを追うように階段を駆けていく。











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