01
『空の騎士……、…心綱(マントラ)…』
「……舞姫さん?」
考え込むハルに声をかけるロビン。サンジが作ったシチューを手渡すと、笑顔で受けとる。
『ありがとう』
「何か気になることでもあるの?」
『………ん』
シチューを一口食べるハルが意を決して口を開くと同時に、ナミが声をあげた。
「食べながらでいいから聞いて!」
『………』
解説を始めたナミに仕方なく口を閉じるハルを見て、ロビンは眉をひそめる。何かを気にしているハルだが、それ以上何かを話そうとはしなかった。
「これを見て!ロビンがジャヤで見つけた地図とスカイピアの古い地図を、家の切れ目で合わせると……」
その説明に一味は立ち上がりナミの側によると、彼女の手元をのぞきこむ。
『……ドクロ?』
「そうよ!ノーランドの日誌の中身を覚えてる?」
「…"ドクロの右目に黄金を見た"」
「それよ!」
ロビンの言葉にナミはにやりと笑う。
「あたしの推測によればここに黄金はあるわ!」
『……』
嬉しそうなナミに続いて黄金の存在に騒ぎ出すルフィたち。そんななかチョッパーがぽつりと呟いた。
「ここがジャヤだからサウスバードがいたのか!」
「それにしてもなんでサウスバードがおまえらを助けたんだ?」
ゾロの問いにさすがのチョッパーも頭をかしげる。
「わかんないんだ。ただサウスバードは空の騎士のことを"神様"って呼んでた!」
『…………』
「神様!?ならこいつをぶっ飛ばせばいいのか!?」
「んなわけねぇだろ!!」
騒ぎ立てるルフィにツッコミをいれるウソップ。咄嗟に空の騎士を守るピエールを見て、ハルは立ち上がるとそっと空の騎士に近づいた。
『…神様だから羽がないの?』
「………」
ハルの問いにガンフォールは答えることなく、視線だけを彼女に向ける。
『……答えたくないならいいけど』
黄金前夜祭だと騒ぎ立てる仲間たちを横目に彼の側に座るハル。数杯目かになるシチューを手に黙々と食べ始めた。
そんなハルや騒ぐ一味を見て何とか起き上がると、モグモグとシチューを食べるハルのとなりに腰をおろす。
「エネルの住む土地でこんなにばか騒ぎをする者は他にはおらんよ…」
「あら、お目覚めね。動いてもいいの?」
「迷惑をかけた…。助けるつもりが…」
「何言ってる、十分さ!ありがとよ!チョッパーとおれたちの船を助けてくれたんだってな」
『………』
ガンフォールが起きたことにロビンやゾロが声をかける。ハルは気づいていながらも黙ってシチューを口に運んでいた。
「さっきのお主らの話しを聞いておった。この島の元の名をジャヤとゆうそうだが…」
「ええ」
「何故今、ここが聖域と呼ばれているか…、お主らには解るまいな」
その言葉にやっとハルは食べる手を止め、となりに座るガンフォールへと目をやった。
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