光に導かれて | ナノ

01

 





「ハルちゅわーんv」

『………?』

船を降りたばかりのハルに走りよってくるサンジ。どうやら鼻血の方はもう平気みたいだ。


「ハルちゃんに似合うと思って」

そう言って差し出したのは真っ赤な花で、そっとハルの髪に差す。




『ありがとう…』

肝心な花が自分からは見えなくなってしまったけど、何故か嬉しそうなサンジに思わず微笑む。


「メロリーン…っv」

『あはは』

ハルがくねくねと踊り出すサンジを見て声を出し笑っていると、どこからか柔らかなメロディが聞こえてきた。







「あそこだ!」

「誰かいるぞ…」

「またゲリラか…っ!?」

『背中のあれって…』


「違う…っ、天使だ!!」



一味が人影をじっと見ていると相手はゆっくりこちらを向きにこりと微笑んだ。


















「へそ」







「へそ?」

「今へそって言ったよな?」

「へそってなんだ?」

『これのことじゃないの?』

「そりゃへそは…へそだろ?」



混乱する一味に天使のような少女が歩み寄りながら「スー、おいで」と言えば、ゾロの足元にいた狐のような生き物がとことこと駆け寄った。




「私はコニス。この子は雲狐のスー。みなさんは青海からいらしたんですか?」

「おめぇここに住んでんのか?」

「はい、わからないことがあればお教えしますよ!」

「助かるわ!なんたってあたしたちにとってここは未知数なんだもの!」


目をハートにし求愛するサンジを退けたナミがコニスから情報を聞こうとしたとき、海の方から彼女を呼ぶ声がした。



「コニスさーん!!へそ!」

「へそ!!父上!」


「何言ってんだ…、おまえら…」



珍しくルフィがツッコむなか、コニスの父は乗り物共々上手く止まれず、先へと突っ込んだ。


「すみません…、お怪我はないですか?」

『え…、いえ』

「いや、おめぇだよ!ハルも真面目に答えんなっ!」






コニスの父はパガヤと名乗り、口癖なのか何度も「すみません」と謝る。空島料理を振る舞うからと家へ誘われると、ルフィはもちろん間髪入れず誘いを受けた。


「ちょっと聞いていい?」

「はい、何でしょう?」



ナミはパガヤが乗ってきた乗り物に興味津々で話の最中もずっとそれを見ていた。

「これ…風もないのに、どうやって動いてるの?」

「ウェイバーは風貝(ブレスダイアル)を動力とした船ですよ」

『風、貝…?』

「貝(ダイアル)をご存じないんですか?」


パガヤの説明に首をかしげたハルに驚いたコニスが声をあげるが、一味は同じように首をかしげる。

貝の説明は追々することになり、ルフィが好奇心からウェイバーに乗る。ウェイバーの操縦は難しいらしく、コニスもやっと乗れるようになったのだと教えてくれた。






案の定ルフィは転覆し空の海へと沈んでいく。


「この海じゃ能力者はどうなんだ?」

「普通の海とは違うもんなァ」

『……でも沈んでるよ?』

「「あぁ…沈んでるな」」

「おい〜〜っ!!!」



暢気に話すサンジとゾロにチョッパーがルフィを助けるため慌てて海へと飛び込んだ。






……泳げないのに。










 

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