光に導かれて | ナノ

01

 




「ルフィ、ゾロ!ハルまで…っ!何やってんのよ、こんなやつら相手に!!戦ってよ…っ!ぶっ飛ばしちゃえばいいじゃない!!」


ルフィの麦わら帽子を手に訴えるナミ。傷だらけで立つルフィとゾロとハルに何を言っても戦おうとしない。



「無駄だ、お嬢ちゃん…。利口だぜ!こいつら…敵わねぇ敵だと悟ったのさ!強ェやつには立ち向かわねぇ…みっともねぇ決断だけどな」

サーキースの言葉にゲラゲラと笑うベラミー一味。




『……ふ…、何言ってんの一人で』

「んだとォ!?」

ハルの空色の瞳は真っ直ぐサーキースを射止める。その視線にぐっと息を飲むがベラミーがハルに近づいた。


「おまえ…、女か?」

「「…っ…な!?」」

『……誰が男っつったよ…』



ボロボロになっても鋭さを失わない視線にベラミーはにやりと笑うと、ハルの肩に馴れ馴れしく腕を回す。


「いい目だァ!おれの女にしてやるよ…っ」

「おまえ…っ!!」

「ハルに手ェ出すな!」



素早く反応するルフィとゾロにベラミーは口に含んだ酒を吹き掛けた。




「一丁前に女を守ろうとしてんじゃねぇよ!まぁ、これだけボロボロになってる時点で守りきれてねぇがな…っ」

「…ぶはっ…、…っ」

「おい、こいつら退かせ。目障りだ!」



―――ドガアァアン


「ゾロ!!」

吹き飛ばされたゾロは壁にぶち当たりぐたっとなる。ベラミー一味がゲラゲラと笑う中、ルフィは窓へと頭から突っ込んだ。




―――ガシャアァン


「ルフィ!!」



ベラミーはハルへ近づくと顎を掴みにやりと笑う。


「よく見りゃ綺麗な顔してんじゃねぇか…、暗くてよく見えなかったぜェ。おまえならおれが可愛がってやる!あんな船長捨てておれんとこに来い…」

「そこの女はおれが買ってやるよ、いくらでついてくる?」

『………』


ハルは黙ってベラミーの手を払うと、ルフィとゾロのもとへ向かった。倒れ込む二人を掴みずるずると引きずりながら店を出ようとする。



「ハル…っ、…」

『行くよ…』

「おい、待てよ…ハルちゃん?」

『……気安く呼ぶな…』


キッとにらみつけるハルにベラミー一味は息を飲み黙り込む。それだけ言って歩みを止めないハルをナミが追った。



「……あんたたち言ってくれるわ…、あたしを買うですって?おあいにく…、あんたたちみたいな小物チームにはあたしはもったいないわ…っ」

「お高いこってぇ!!」

『…ナミ、行こう?こんな雑魚相手するだけムダだ…』

「……ええ」


傷だらけの体で二人を引きずるハルにナミが駆け寄ると、揃って店を後にした。




「言ってくれるなァ…、あの女」










 

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