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思わず食堂を飛び出してきてしまった。


けど、アレンさんと呼ばれていた白髪の彼は、私と話している間終始悲しげだった。

どうしてわかるのかなんてわからない。






"貴女の…、貴女は誰と暮らしてるんですか?"




彼は一度言い換えた。

私のことを知らないと…、私の家族のことを知らないと、あんな普通は言い方しない。





何だか胸が痛い。



"覚えてないんですか?"




……何を?





"僕ら…教団の家族じゃないですか!!"




私に家族はいない…。


なのにあの人は私を"家族"と呼んでくれた。

教団の家族?





"ハルちゃんは新しい僕らの仲間、家族だよ。"




コムイ…さん?


どうしてだろう。前にも言われたことがある気がする。





『私が…忘れてるの…?』



だからコムイさんも悲しそうに笑ってたの?

リナリーさんも、ラビさんも…アレンさんも…金髪のお兄さんも、みんな…。




みんなをあんな表情にさせてるのは、まぎれもない…私。



でも…








『だめ…っ』



壁に向かって座り込む。


悔しくて…悔しくて。流れる涙が止められない。





『思い…だせないよぉ…っ!』


忘れてるのかもわからない。アレンさんの言っていることも信じられない。




けど、涙が止まらない。


苦しくて苦しくて、胸がはち切れそうだ。






苦しさは同様に









 


[ / 後 ]


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