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痛い…、いたい……。
ラビがAKUMAに向かっていく。
彼はエクソシストだからか、当たり前のようにAKUMAと戦うんだ。
『……ひ…っ』
ラビが鉄槌を巨大化させAKUMAを倒す瞬間、ハルの視界にぼんやりと涙を流す女性の姿をとらえた。
『だ…誰……?』
気のせいだったのかもしれない。ハルは顔をあげてしまったことに、ひどく後悔した。
燃える列車に、あの日を思い出す。
AKUMAの影に、あの日を思い出す
遠くなる背中に、あの日を思い出す
<…タスケテ……>
『……や…っ』
突如脳へ直接聞こえてくる声。耳をいくら塞いでも聞こえ続ける。
<オネガイ…タスケ、テ>
『ぃ…やあぁあああぁあ…っ』
目の前に現れたのはミイラのような人影。それを最後にハルは意識を失った。