「うわぁ…っ!湖がありますっ!キレイですーっ大きいですーっ!!」
「湖がそんなにめずらしいか?」
「はい!私本物を見るのは初めてなんです!」
『あれって湖だったんだぁ…』
窓から外を眺めるなつめと透と由希とはとり。そんな四人の背後から不気味な笑い声が聞こえてくる。
「ジェイソンでも出てきそうな別荘だよねぇ」
「またそういう事を…」
「『(じぇいそん…なんの事だったっけ…?)』」
ぼーっと外を眺めながら考えるなつめ。同じく胡座をかいて悩む夾に紫呉はバカにしたように声をかける。
「ジェイソンってのは新種の熊の事だよ、物知らずの夾君v」
「知ってらぁ!そんくらい!」
恥ずかしさから頬を染めながら怒鳴る夾に、はとりは「違うぞ…」と声をかけるが聞こえていない。
『新種の熊……熊かぁ…』
「…………」
信じきってしまったなつめに頭を抱えるはとり。
六人はGWを利用して草摩の別荘へとやってきていた。
―――前日
……………しーん
何…この雰囲気…
なつめですら気づくような重たい雰囲気に透が小さく声を発すると、同時に玄関の開く音が聞こえる。
「たっだいまー」
『しーちゃん、おかえりぃ』
「ただいまvねぇねぇ、明日から皆でお泊まりしに行かない?」
突然の事にそれぞれ突っ込むが紫呉はにやりと笑うとなつめに声をかけた。
「なつめちゃんは行くよねー?こうゆうの好きでしょ?」
きらきらと輝く笑顔で紫呉を見上げる@@なつめに由希と夾は「……うっ…ι」とうろたえる。
『スキv』
辺りにハートを飛ばしながらはにかむなつめに、彼らは何も言えなくなる。
「そういう事でバビューンと車で行くとしましょう♪僕が運転してあげるから♪」
「紫呉…免許なんて持ってたんだ?」
……………
「持っているとも……!」
「「今の間はなんだ」」
『別荘v…楽しみぃ』
もちろん紫呉が運転などできるはずもなくはとりの運転で別荘へとやってきたのだった。
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