「なつめー!!」


紅潮する顔を隠す夾とそれを不思議そうに眺めていたなつめは声のする方を見る。



『紅葉〜……?』

そこには上は女子の制服を下はホットパンツを着用した紅葉の姿が。




『紅葉可愛…』


―――ゴッ



鈍い音のあと紅葉の泣き声と夾の怒鳴り声が廊下に響く。


『だよねー…っわぁ!?』



さすがに苦笑するなつめに、後ろから誰かがぎゅうっと抱きついた。


「なつめ…入学式…来なかっただろ…」

『春、よくわかったねぇ…行かなかった!』



抱き着かれているのにも関わらず呑気に答えるなつめに夾は再び怒鳴る。そんな夾を無視してえぐえぐと泣き続ける紅葉に


『似合ってるからいいじゃん!』


と声をかけるところっと笑顔に変わる。



「……!」


突然撥春が手を広げて走り出したかと思うとその先には呆れた表情の由希が立っていた。


『仕事終わった?』

「まだ…見回りついでに様子見に来たんだ。」

「きーて!きーてっ!」

元気に手を合わせる紅葉をきょとんと不思議そうに眺めるなつめたち。



「ボクね学校でね、はしゃぐなって言われてるのっ!はしゃぎついでに女の子に激突しかねないからって…」


最もだと頷きながら聞く3人を見て嬉しそうに手をあげると…




「だから学校ではクールに過ごすのーっ」

「クールか?そのカッコはクールなのか…っ」

すかさず突っ込む夾に続いて激しく熱血な声が聞こえてくる。


「その通りだ!2年D組草摩夾君!そのオレンジ頭も草摩なつめ君の白い頭も不愉快だが…男子たる者が女子の制服を着用するなど空前絶後!厚顔無恥!教師が許しても私は許さん!なぜならば!!」

そこには眼鏡をかけた男と同じく眼鏡をかけた二人の女が並んでいた。


「私こそがこの学校の生徒会長竹井誠!またの名を学園防衛隊隊長だ!!」




「「「「『………』」」」」







 


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