『やーっぱりここにいた』


「Σどぅわ!」



屋上を覗くと夾が猫に囲まれて寝転がっていた。『大変だねぇ猫は!』とけらけら笑うなつめを見てふんっとそっぽを向く夾はあからさまに不機嫌で。


『何怒ってんの?馬鹿猫ちゃん♪』

「………てめぇな」

『二人して馬鹿だよ』

「は?」



夾の言葉を遮る声に意味がわからないというように声をあげる。『何回言わせるのー?』と呆れるなつめを不思議そうに見つめる夾。


『二人とも似てるんだよ、ほんと』

クスッと笑うなつめに見とれながらも「ど…どこが!///」と何とか声をあげる夾。



『んー…自分には見えないのかな?二人ともちゃんと素敵なとこがあるのになぁ…』

んー…とひとり悩みだすなつめに「何のことだよ!」と突っ込む。



『あっ、もしかしたら背中についてんのかも!』

「は?」

『例えば人の素敵なとこがオニギリの梅干しみたいなものだとしたらそれは背中についてんのかも!』


嬉しそうに話すなつめに話を理解しようと起き上がって彼女を見る夾。



『背中についてるからみんな人を羨んで過ごすんだ!自分にはないものをあの子は持ってるって勘違いして』


大丈夫!!と声をあげたなつめは夾の腕を引っ張り立たせると背後に回ってそっと背中に手を添える。




『あたしにはちゃんと見えてるよ…夾ちゃんの立派な梅ぼし』

「……っ…だっ!!///」

なつめの思いもよらない行動に真っ赤になって慌てる夾。

『……どきどきいってるよ?夾ちゃん♪』


そんな彼にいたずらに微笑んででからかいだすなつめはさっきまでの落ち着いたムードは消え去っていた。


「黙ってろ……///」

そう言ってそっと抱きしめようとなつめに手を伸ばす。






―――グッ


『だーめ』

「………何でだよ」



べーっと舌をだすなつめはやっぱりからかうように笑っていた。


『ここ学校!』

「…………いいじゃねぇか」

『ちょっ……もう!』




――ボゴッ





なかなか離さない夾はなつめの右ストレートを受けたとか、受けなかったとか…。












 


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