「夾君!もうこの際はっきり言って!!私の事好き?嫌い!?」

「あ゙!?」

「私は好きだよ!世界で一番好きだよ!世界で宇宙一大好きだよ!!」


楽羅の告白の嵐に吃る夾を見て押しに弱いね、と暢気に呟く紫呉はさらに一言。



「透君も夾君がすきだよね」

『えっ!?そうなの?三角関係じゃん!///』

きゃーとはしゃぐなつめを放って楽羅は透に詰め寄る。


「透君は夾君のどこが好きなの!?私は全部だよ!全部が好きだよっ!!」

「おい…っ」

「いいトコも悪いトコも全部受け止めるよっ!たとえ夾君がホントの姿になったって」

『…楽羅!』

「私は受け止めてみせる……」



――パシッ




「…いい加減にしろ…っ」


なつめの声も届かず先を口走る楽羅の口を夾が抑えた。きょとんと二人を見つめる何も知らない透と下唇を噛みしめふいっと目をそらすなつめ。



「それ以上無駄口きいてみろ……容赦しねぇぞ……!」


一瞬その場の空気が凍った。







…………一瞬だけ






「どう容赦しないんじゃくらぁっ!!」

「い゙でー!!」

楽羅は軽々と夾の腕をギリギリと押さえつけた。



「容赦してもらえば、夾」

『ゆんちゃん、あたしもそれ食べたーい!』


返り討ちにあう夾の向かいで暢気にお菓子を頬張る二人、その隣では"ホントの姿"の意味を考える透がいた。
























「…っ…なつめ!?」

その夜、なつめが屋根の上で星を眺めていると夾がやって来た。



『来ると思った』

ふわっと笑うなつめに勝てないとでも言うように笑った夾は、そのままなつめの隣に座る。




『夾ちゃんったらまだ楽羅に勝てないの?』

けらけらと笑うなつめにあからさまにむっとするとがーっとまくし立てる。


「俺ァ女には手ェださねぇんだよ!!」

ふんっとそっぽを向く夾を見てくすっと笑うと真っ直ぐに夾を見つめた。




『知ってる』

「……っ…」


なつめの柔らかい声にはっとして振り向く。



『夾ちゃんがそういう人だってこと…あたしはよく知ってるよ。』

なつめの視線は空へと移る。


『ゆんちゃんみたいだもん』

「はぁ!?なんで俺があんなクソ鼠みたいなんだよ!」



再び怒り出す夾。それを見てなつめはお構いなしで笑い続ける。




『夾ちゃんもゆんちゃんもちゃんと持ってるのにね。』

「だーかーらー!意味わかんねぇって!!」

「夾君、なつめさん?」

『透君』

「声がしたので…」


そこへやって来たのは透でこんな時間にこんなところにいる二人を不思議そうに見た。



『じゃ、あたし寝るね!夾ちゃん、見つけられるといいね!二人ともおやすみー』


さっさと屋根から降りるとなつめは自室に戻りすぐに布団に入った。







 


:


 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -