猫かぶり×チャラ男
「せんぱぁーい僕とお付き合いしてください」
香野優真くんとは僕の事。
現在進行系で愛すべき我が先輩、三宅守先輩を口説いてますがマモ先輩は
「もぉー、優ちゃんたら。今度はどこに付き合って欲しいの?」と
この通り、全然伝わってないんです。
なんでこんなにも積極的に言ってるのにマモ先輩は気付いてくれないの?!!?
まぁ鈍感なところも可愛いけどさ!!!
でももうそろそろ、僕泣いちゃうよ!!
「もぉー、マモ先輩の馬鹿ー」
そう言い僕はマモ先輩と別れ、寮へと走った。




〜マモ先輩〜
はぁ…、優真が俺の事を好きで告白してんのは最初からわかってんだよ…
あんな分かりやすい反応やら行動されりゃ、重度の鈍感以外は分かるわ

ぶっちゃけ俺は、優真が俺を好きになる前から俺は優真の事が好きだったし
優真が俺を好きになるよう仕向けたのも俺だ

優真の親衛隊長に邪魔されながらもようやく優真に好いてもらえるようになったのに、こんなぶ厚い猫かぶったせいで、両想いになったのに優真の理想を崩して嫌われたくなくて
いつまでたっても優真に本当の俺を見せられない…

はぁ…、こんなぶ厚い猫被らなきゃ良かった
いっそのこと嫌われる前提で襲って、体からメロメロにでもさせるか?

もうそろそろ限界が近いし、何か良い方法考えなきゃなぁ…



〜〜〜〜〜


むー…
なんでこんなに言ってんのに、マモ先輩は気付いてくれないんだよーー…!

自室に帰る途中、今までもわかりやすいよう告白しているのになかなか気付いてくれないマモ先輩に腹がたち、
悪くないマモ先輩を責める自分が嫌になり自己嫌悪していると、どんどんと涙が出てきて止まらなくなった。

「ん゛、‥んぇーっ‥ふっ、、ん゛ー」
こんな寮の真ん中で泣きたくないのに涙が止まらない。
幸い、今は丁度寮生達は居ないようだが、いつ来るかわからない状態なので今直ぐにでも涙を止めたい。

「優真、何してんの?…ってか泣いてね?」
とうとう生徒が来てしまったと思い顔を上げると僕の親衛隊隊長兼親友の雪城奏が目の前に立っていた。

「ぞおぉぉおぉぉ」
「泣きながら俺の名前言うな。
ソウじゃなくて、ゾウになってるし」
奏の発言で、涙を流してたのが笑いの涙に変わった。

「…ははっ、笑わせるなって。違う涙出てきたしー」
僕がそう言うと、悪い悪いと奏が軽く謝ってきた。
それを僕は、軽っ!
と思い、また笑ってしまった。

「ってか、なんで優真泣いてたんだよ」
「んー。マモ先輩に振られて自己嫌悪しちゃってた…」
「…ふーん、そっか。とりあえず部屋行こうぜ」
ああと頷き、その場から離れた。



奏の部屋に入ったとたん僕は、あっ と思い出し、どたどたと奏の部屋を出て隣の自室に行き、またすぐに奏の部屋へと戻って来た。

「優真、どったの?」
「じゃじゃじゃーん、これが目に入らぬか!!」
奏に見せびらかす様にNEWスーパーマリ●(wii)を出した。

「おぉおぉぉぉ、マ●オじゃねぇか!!」
「だよ!我らが●リオ様だよ!
昨日発売されて、今日届くように予約してたんだぁ」
優真よくやったーっと、奏は僕の頭を撫で回した。
そうして僕達は、飯を食べる事すら忘れマリ●をやった。




昨日、奏と張り切り過ぎたせいで眠くて仕方が無い。

そしてなんということだろうか…
最悪なことに1時間目の授業が体育だなんて…しかもバスケ…
僕は、死ぬのか。そうなのか。


…やはりダメでした。
寝不足で、体育やるもんじゃねーな。倒れたわ

気が付くと、白衣の天使がいると言われている保健室のベッドに僕は寝ていた。
ボーッと宙を見上げてると、カーテンの向こう側から言い争ってる声が聞こえてきた。

「お前‥く、で…とゲー……から、ろ」
「はっ?‥‥が、‥を‥ばれ、、ふ……だろ」
うるさい声に眉間に皺を寄せながらカーテンを開けるとマモ先輩と奏がいた。

「あれ?マモ先輩と奏?なんで二人がいんの?」
二人とも赤い顔をしてこちらを見てくる。
えっ? 何?

「優真。ふ、服が!」
自分の姿を見てみると服が軽くはだけていた。

いや別に、服位はだけてても気にしないし
それにマモ先輩には僕のセクシーな姿見て欲しいし!

ん?二人ともなんか近付いてきてね?




〜マモ先輩・奏〜
「あ゛ぁ?優真が倒れたって?おいクソ、どういう事だよ」
誰から聞いたかわからないが、突然大きな音をたてて保健室にマモ先輩が入って来た。
元々中にいた奏は溜め息ついた後立ち上がりマモ先輩に向き合う。

「うるせーんだよ、優真が起きんだろ!」
「はぁ?お前のせいで優真が倒れたんだろ?ふざけんじゃねーよ」
「俺も悪いがお前も悪いんだよ」
「お前が遅くまで優真とゲームやってたからだろ」
「はっ?お前が、素、バレるのが怖くて振ったから、俺が慰めるためにゲームに付き合ってやってたんだよ」
話してるうちに優真が起きてしまい、二人して優真を見たが、
優真を見て二人して固まった。

起きたての優真の頬はうっすらと赤くなり、Yシャツも少しはだけていた。
〜〜〜〜〜

「ん?二人とも、どーしたの?」
何故か二人とも、はぁはぁはぁしてr‥バサッ

「ちょっ、えっ?マモ先輩?」
「優ちゃん!いや、優真!お前がいけない‥ヤらせr「ほらほらマモ先輩、本性出てますよ」
突然僕に抱き付いてきたマモ先輩を奏が剥がし、手でマモ先輩の口を覆い、発言を止めさせた。

「…もしかして二人って、付き合ってるの…?」
仲の良さそうな二人を見て僕は目が自然とウルウルし、喉の奥が痛くなってきた。

「「はっ?」」
「マモ先輩って呼ぶの僕だけに許してくれたのに、奏も呼んでるし…。二人とも仲良いし」
泣きたくないのに勝手にポロポロと涙が出てきてしまう。

「奏、とりあえず状況わかるよな?
二人きりにさせろ」
「ちっ…。でも、俺諦めねーからな」
「好きにしやがれ。絶対あげないけどな」
やっぱり二人は付き合ってんだ
こんな仲良く話始めて、でも奏ならマモ先輩任せられるし、頼りになるし、カッコイイし‥僕なんてこんな泣き虫だし
マモ先輩、今までありがとうございます っと心の中で言い
保健室から立ち去ろうと視線を上に上げると、マモ先輩が僕の目の前にいた。

「泣くなって、俺が好きなのはお前だから」
「…どういう事?マモ先輩は奏と付き合ってんじゃ?」
「なんでそうなるんだよ。違うって。あいつの事、欠片も好きじゃないし」
嘘!!ホント‥に?

「僕も!僕もマモ先輩、大好き!」
「…知ってる。優真に嫌われたくなくて今まで猫かぶって、天然なフリしてた。ゴメンな」
嬉しい、
僕がマモ先輩の事を嫌いになんてなる訳ないのに

「大丈夫です。僕はどんなマモ先輩でも好きですよ
でも、悪いと思ってるなら僕を騙してた代償に、僕と付き合って下さい」
マモ先輩は驚いた顔をしたあと
ニッコリと微笑んで
当たり前だろ と言った。
そんなマモ先輩に僕も微笑んだ。







解説
マモ先輩は2年生で図書委員。たまたま見かけた優真に一目惚れして迫るが、奏にことごとく邪魔されながらも頑張り
ようやく優真と両想いになったものの今度は好きになってもらうために被った猫が分厚いすぎて剥がせなくなった。結構苦労してる。

奏は優真と幼馴染。
昔から優真のことが好きで、だけどその想いをなかなか本人に言えずにいたらポッと出のマモ先輩に優真を奪われた。
マモ先輩と優真が付き合ってようが関係なく、優真に告白して、マモ先輩から奪い返す気満々。


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