「ねぇ、アレルヤ…。オレンジ色の薔薇の花言葉、知ってる?」
穏やかな黄昏刻、斜陽を受けてほんのりとオレンジ色に染まった純白の婚礼衣装。永遠の愛を誓い合った教会の前で、寄り添い立つ二人の手には夕空と同じオレンジ色の薔薇の花束が握られている。
「花言葉?」
突然の問い掛けにアレルヤが首を傾げて聞き返すと、オニキスはこっくりと頷いた。
「どんな意味なんだい?」
薔薇と霞み草のシンプルなウェディングブーケは、アレルヤの色だから、と彼女が希望した物。ふわりと頬を緩めると、オニキスはオレンジ色の花束に視線を落とした。
夕焼の空の色
アレルヤの色オレンジ色をした花なら他にも沢山ある。数ある花の中からオニキスが敢えて薔薇を選んだのは、その花言葉がとても気に入ったからだった。
「…“キズナ”。」
「絆?」
「そう、絆って意味なの。オレンジの薔薇の花言葉。」
「絆、か…。」
もう一度呟くように繰り返して、アレルヤは銀色の瞳を細めた。
「僕達にピッタリだね。」
「でしょう?」
そう言ってどこか照れ臭そうに微笑むオニキスの頬に手を添え、身を屈めて軽くキスを交わす。途端に沸き起こる周囲の歓声に頬を染めて、二人は小さく笑い合った。
「アレルヤ、私今とても幸せよ。」
「僕もだ、オニキス。」
「これからもずっと、幸せでいよう?」
「あぁ、勿論さ。」
どれだけ言葉にして伝えても、伝え足りないくらいに“愛してる”。それ以上に、もっと心の深い部分で、魂の奥底で繋がっている大切な自分の半身。
「好きだよ、オニキス…。」
これまでも、今も。
そしてきっと、この先もずっと。
貴方色に包まれて永遠に変わらぬ絆を、この薔薇に誓おう。
Req≫マイスターズで結婚式ネタ
20080714
夕暮れの挙式って何か良くないですか←
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