「…で?何でこんなことになってんの?」
「俺が知るかよ…」
オニキスの問い掛けに、げんなりと頭を垂れながら答えたのは刹那だった。
――否、正確には“刹那の姿をしたロックオン”…らしい。
「ったく、こっちが聞きたいっての。」
朝起きたら何故かマイスターズの姿と中身が入れ替わっていた。そう聞いた時は何を馬鹿なことを…と思ったのだが、話をしてみて納得。目の前にはやたら流暢に会話する刹那の姿がある。
「ロックオンが刹那なら、ロックオンの中は一体誰なの?」
「俺だ。」
「ティエリアか…。」
不機嫌そうに眉を潜めるロックオン(中身はティエリア)に目を遣る。普段気さくなオーラを纏っているロックオンだけに、中身がティエリアだと何だか恐くて近寄りがたい。
「じゃあティエリアは…」
チラリとティエリア本体の方を見ると、おどおどした様子でこちらの様子を窺っている彼と目が合う。
「アレルヤ止めて!その外見でその仕草は反則的に可愛すぎる…!」
聞かずもがな中身を言い当てると、ティエリア(アレルヤ)は驚いたようにびくんと肩を跳ねさせた。
「えっ…。あ…ごめんよ、オニキス。」
申し訳なさそうに目を伏せるティエリア(アレルヤ)は、たぶん男でもぐらっとくるくらい可愛い。いや、間違いない。外見がこれで中身がこれなら、本気で男にしておくのが勿体ない。
「謝らなくてもいいんだけど…。むしろ個人的にはもっとやれって言いたい。」
「え?え…っと」
「外見と中身の融合…それでこそ真のティエリ「オニキス、君は少し黙れ。」
「すいませんごめんなさい。じゃあアレルヤの中には刹那がいるってことね。」
「あぁ。俺がガンダムだ。」
アレルヤ(刹那)が真顔で発した台詞に、アレルヤ本人が眉を潜めた。
「刹那…、僕の姿でその台詞はちょっと…」
「はははっ、刹那お前…!」
「駄目だよ刹那…!只でさえ電波なアレルヤがますます痛い電波に見える…!」
「たっ、只でさえ電波って…!」
「オニキス、いい加減にしろ。あまり調子に乗ると君を後ろから撃つ。」
「すいませんごめんなさい止めてくださいロックオン。違うティエリア。…あぁもう、ややこしいなぁ!」
「只でさえ…電波……」
「しっかし、ちょっと会話しただけでよく誰が誰だかわかったな、オニキス。」
場を取り繕うように刹那(ロックオン)が言う。中身はロックオンだと解っているのに外見が刹那であるせいで違和感が拭えない。
「それは、まぁ。皆とも付き合い長いし。」
「流石だな。」
「てか何か、稀少な経験だよねこれ。刹那に頭撫でられるとか。いや、正しくはロックオンなんだけど。」
ぽん、と頭に手を乗せられ、オニキスはまじまじと刹那(ロックオン)の顔を見つめる。視線に気づいた彼が苦笑を返した。
「これは…、元に戻るのか?」
黙って会話を眺めていたアレルヤ(刹那)がぽつりと呟いて、一同は顔を見合わせる。
「どうだかな?そもそもこうなっちまった原因がわかんねぇし…」
「このような事例、ヴェーダにも記録は残っていない。」
「そう…だよね。問題は、これからどうするかってことだけど…」
ティエリア(アレルヤ)がそう言い掛けた瞬間、突如艦内に緊急アラートが鳴り響いた。マイスターズに非常召集がかかり、全員がばっと顔を上げる。
「敵襲か?」
「な…っ、マジかよ!?」
「こんな時に…!」
「どうしよう…出撃しようにも僕達、このままじゃ…」
「と…っ取り敢えず皆、ガンダムに…!」
「ガンダムって、どうすんだよ!?俺がエクシアに乗るってか?」
「エクシアは俺のガンダムだ。俺が乗る。」
「俺はヴァーチェ以外の機体に乗るつもりはない。」
「僕は別にどの機体に乗っても大丈夫だけど…、それだと認識システムが作動しないんじゃないかな?」
ティエリア(アレルヤ)の言葉に、残りのマイスターズがはたと動きを止めた。その間にも、緊急アラートは鳴り続けている。
「そうか…。身体に合わせねぇと、そもそもガンダム自体が起動しないってことか。」
「だが、慣れない機体で出撃すればこちらの戦力が低下する。」
「かと言って、今からヴェーダの情報を書き換える時間など…」
「もう…!何でもいいから皆早く…!」
「…っていう初夢を見た。」
「オニキス、お前なぁ…。新年早々どんな夢見てんだよ。」
「あそこでベッドから落ちなきゃ、入れ替わって出撃するとこくらいまで見れたかなぁ…残念。」
「まぁ、オニキスらしいといえばオニキスらしいよね。」
「正月が明けたら、真っ先に病院に行くといい。」
「あぁ、同感だ。」
「ひどっ!ティエリアも刹那もひどいよ!」
「ミンナ、ナカヨク!ナカヨク!」
初夢トランザムそんなこんなで、今年もよろしく!
20100101
500,000HIT御礼企画
フリーリクエスト
中身がいれかわちゃった的なマイスターズ夢
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新年一発目の初夢(w)がこんなぐだぐだな話でスイマセ…!リクエストありがとうございました^∀^今年もよろしくお願いします!
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