※結婚後、子供がいる設定です。苦手な方は御注意ください。
「ママ、ただいま!」
「お帰り、ノエル。楽しかった?」
「うん。いっぱいあそんだよ!」
父親と公園に出掛けていたノエルは、息を弾ませて帰るなり、キッチンに立っていた母親に抱き着いた。ぽふん、と勢いをつけて飛び込んできた小さな体を受け止めると、オニキスは目線を合わせて頭を撫でてやる。
結婚して数年。
子宝にも恵まれ、ハプティズム家は親子三人で幸せな家族生活を送っている。
「あちー…」
「お疲れ様、ハレルヤ。」
少し遅れてリビングに入ってきたハレルヤに微笑むと、ハレルヤはおー、と短く相槌を返し、オニキスのエプロンに埋もれているノエルに視線を落とした。
昔は誰彼構わずけんけん突っ掛かっていた旦那様は、試行錯誤しながらも上手くノエルに接している。
「オニキス、飯。」
「あ、うん。ちょっと待ってて。もうすぐ出来るから。」
子供が出来てから、ハレルヤは随分と落ち着いた。今では近所でもすっかり“いいお父さん”で通っているんだから、驚きだ。
「ママ、きょうはごはんなぁに?」
「今日はね〜、ノエルが好きなオムライスだよ!」
「やったぁ!ノエルけちゃっぷでおえかきしたい!」
「おらノエル。その前に外から帰ったらまず手洗いうがいだろうが。」
「は〜い、パパ。」
元気よく洗面所に走っていくノエルを見送ると、ハレルヤは昼食の続きを作ろうと後ろを向いたオニキスの手を捕まえた。
「どうしたの?ハレルヤ。」
首を捻って表情を伺い見ると、金色の瞳はどこか不満気にノエルが消えたカーテンの向こうを見つめている。
「…我が子に嫉妬?」
「あァ?するかよ。お前は俺のだろ。」
「まぁ、確かにそうなんだけども。」
後ろから腰に回された手をほどき、ハレルヤに向き直る。オニキスはクスクスと笑いながら、不機嫌そうに眉をひそめるハレルヤを抱き締め返した。少し背伸びをして、高い位置にある頭をノエルと同じように撫でてやる。
「…」
何も言い返さずにされるがままになっている辺り、どうやら少なからずノエルに嫉妬心を抱いたのは間違いないようだった。
「全く。」
子供相手に…、と少し呆れるが、同時にそこまで想われているのかと嬉しくもある。
「あっ、パパずるい!ノエルも!」
暫くすると、洗面所から戻ってきたノエルがそう声を上げて。
「はいはい。ほら、ノエルもおいで?」
飛び付いてきた我が子を抱き上げると、オニキスはノエルとハレルヤ、二人まとめてぎゅう、と抱き締めた。
スイートマイホームそんな我が家の日常。
20090829
500,000HIT御礼企画
フリーリクエスト
相手はハレルヤで子供がいる夢(ヒロイン=保母さんとか!)
神崎様リクエスト
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ヒロイン=保母さんというか…ヒロイン=子供(ハレルヤ含)の扱いに慣れている…的な…。ハレルヤは我が子にさえ嫉妬してればいい←
リクエストありがとうございました!
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