※結婚後、子供がいる設定です。苦手な方は閲覧をお控え下さい。
大きなプレゼントの箱を抱え、足音を忍ばせて廊下を歩く。目指す先は、愛しい我が子らが眠る寝室だった。二人の間に双子を授かってから、今年で五度目のクリスマスだ。
傍らに立つティエリアと目配せをして、ドアを開ける。
「どう?寝てる?」
「静かに。」
細く開けたドアの隙間から中の様子を伺うティエリアにたしなめられ、オニキスは口を閉ざした。
音を立てないように注意しながらするりと室内に足を踏み入れ、隅に置かれたベッドに歩み寄る。やんちゃ盛りな二人の少年は、すやすやと穏やかな寝息を立てていた。
「よく眠っているな。」
顔を綻ばせ、ティエリアが囁く。
「一日中パパに遊んでもらって疲れたんだよ、きっと。」
並んで眠る子供達はティエリアの端正な風貌を受け継いで、まるで人形のような顔立ちをしている。
「ふふっ。本当に、二人共ティエリアにそっくりだね。」
額に掛かった髪を優しく掻き分け、オニキスは穏やかに微笑んだ。仲良く並ぶ小さな顔と、隣に寄り添う夫の顔を見比べる。と、ティエリアの細い指先が不意にオニキスの唇をなぞった。
「口元は君にそっくりだろう。」
「そう?」
「あぁ。」
触れ合うだけのキスを交わして、持ってきたプレゼントをそっと二人の枕元に並べた。朝起きたら、今年はどんな反応を見せてくれるだろうか。
暫く寝顔を眺めて、オニキスはティエリアを見上げる。
「ねぇ、ティエリア。」
「何だ?」
「メリークリスマス。」
背伸びをして、ティエリアの頬に唇を押し当てる。柔らかな感触が触れた。
「…あぁ、メリークリスマス。」
朱色の瞳が優しく細められる。再び、静かに唇を重ねた。
HOLY NIGHT聖なる夜は今年も厳かに更けていく。
20091225
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ティエリア夢で、双子の男の子(ティエリア似)の子供がいる家族ネタ
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リクエストありがとうございました^∀^
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