「オニキス、出掛けるのかい?」

部屋に入るなり、机の上に置かれた何冊かの本と少し大きめの黒い鞄を見て、アレルヤが尋ねた。

「明日から学校始まるから、その準備。」

オニキスは椅子に腰掛け、何やら紙と照らし合わせながら鞄に本を詰めてそれに答える。

「あぁ…経済特区の?」

「うん。刹那の家の近く。」

アレルヤはオニキスの隣に立ち、机の上に並べられた教科書を一冊手に取り何気なしにパラパラと捲った。

ろくに世界を知らないまま、世界と向き合うことはしたくない。そう言って彼女がスメラギを説得していたことを思い出す。

勉学や世界情勢の入手だけならばヴェーダやネットの知識だけでも十分可能だが、敢えて学校という開かれた場所に出ることを望んだことは、常日頃から広い視野を持ちたいと言っている彼女らしい選択だと思う。

「学校、か。楽しめるといいね。」

「うん。まぁ、ミッションとかあるし休みがちになっちゃうだろうけど…」

数冊の本を詰め終えて、オニキスは鞄のチャックを閉じた。

「無理言って通わせて貰えることになったんだから、両立頑張らなきゃね。学業も、戦争根絶も。」

「あぁ、そうだね。僕も応援するよ。」

アレルヤはふと頬を緩め、椅子に腰掛けたオニキスを後ろからふわりと抱き締める。

「ありがと、アレルヤ。頑張るよ。」





New Days

明日からの新生活が、君にとって充実したものになるように。











20080402

学生諸君の新生活に幸あれ^ω^←



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