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「そう言えばさ、ジンさんの野暮用ってなんだったの?」

知覚過敏なわたしはちみちみと、パフェを食べながらジンさんに聞いてみる。

「……これだ」

そう言ってジンさんは何かの鍵をポケットから出して見せてくれた。

「鍵?なんの?」

わたしは頭にはてなを浮かべているが、どうやら沖矢さんはそれが何か分かったらしい。
何やら生暖かい目でわたしを見る。え?なんで??

「貴方も律儀な人だ」

「え?なに?何なの?」

「ジンは貴女が言ったことに応えようとしてるんですよ」

え?
わたし何か言ったっけ?

キョトンとしていると、ジンさんはため息をついた。

「俺の運転してる姿が見たいと言ったやつはどこのどいつだ」

あ、

「言った……。言ったねぇ。
え?てことはそれは、ポルシェの?」

「…あぁ」

マジかよ!

殺した相手のことは忘れちゃうのに、何でそんな何気ない発言は覚えてるんだよ!
イケメンかよ!

うわぁーーー!
キュン死にさせる気か!

「ジン、彼女が死にそうになってますが」

「知るか」

「……もう、ジンさん、イケメン過ぎるだろ……わたしの中のジンさんメーターが振りきってるぜ……」

悶えるわたしを横目に、ジンさんはコーヒーを飲んだ。
この人は何をしても絵になるんだな!
かっこよすぎるんだよ!!

あれ?でも待って。

「ポルシェってジンさんが持ちに行ったの?」

「俺がそんな面倒な事をすると思うか?」

「え?じゃあ、どうやって?
ってまさか……」


「ウォッカだ」

「ですよねー!
で、ウォッカさんはどうしたの?」

「さぁな」

さぁなって……。

「ウォッカさん帰るにしても、どうやって帰るのよ」

「俺の知った事か」

「ウォッカさん可哀想!!」

会うことがあったなら、感謝と謝罪をしよう!

「それで、お前は俺の車に乗るんだよな?」

ジンさんの瞳がわたしを捕らえる。

「も、もつろん!」

ジンさんに見つめられて心臓がきゅっとなったら、噛んでしまった。

沖矢さん笑いをこらえてるのバレバレだからね!
そんなに肩を震わせないでよ!

「なら決まりだな。
……行くぞ」

「え?え?」

ジンさんはわたしの腕を掴んで席を立ったかと思うと、手を引かれてジンさんに連れてかれる。

待って!まだパフェ食べ終わってないよ!!

あぁぁぁ、沖矢さんそんな笑顔で手を振るんじゃない!

その後、ジンさんは自分のコーヒー代とわたしのランチ代を会計してくれました。
沖矢さんの分は??

ジンさん曰く
「知るか」
だそうです。


ねくすとちゃぷたー→


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bkm

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