トリップしてきてまだ初日なのに、濃い1日すぎる。
コナンくんと遭遇して、ジンさんがコナンくん脅して工藤邸に行って、ジンさんにお姫様抱っこされたり、沖矢さんの開眼で萌え殺されそうになったり、ジンさんと間接ちゅー、ほっぺにちゅー、そして直接ちゅー………。
ジンさんめっちゃちゅーしてくるじゃん!
今日1日の思い出はジンさんとのちゅーで埋まってる……。
やっぱりジンさん好きだなぁ。
「……ふへへ」
「随分と幸せそうな顔をするんだな」
「そりゃねー幸せですから」
赤井さんと夕食の準備なう。
あ、コナンくんは帰りました。
今夜はカレーなようで、わたしは、じゃがいもの皮を剥いている。
「妬けるな」
「え?
あ、あー赤井さんとジンさん恋人同士だったね。
薄い本が厚くなるやつ」
「おい、気色悪ぃこと言ってんじゃねぇぞ」
「じょ、冗談だって。
だから、そのベレッタはしまってください」
話を聞いたジンさんがベレッタの銃口をわたしに向けた。
「俺の恋人は茜だけで十分だ」
「うわぁ……ジンさんの恋の弾丸に撃ち抜かれた」
「それは分かったから、早くじゃがいもを切ってくれないか?」
「怒られちった。
で、じゃがいもを切るんだよね……えっと、、、こう、か、?」
料理なんて久しぶりすぎて、切るだけなのに何だか動きがぎこちなくなってしまう。
あれ、わたし最後に包丁持ったのいつだっけ?
「そんな切り方だと、指まで切るぞ」
「え?大丈夫、大丈夫」
と思っていたのだが、
「あ、……ぶねぇ、セーフセーフ」
危うく指を切るところだった。うっすら皮が剥けたぐらいで済んだ。
「はぁ……全く見てられんな。
いいか?包丁で切るときは猫の手だ」
「え?ちょ、ちょっと赤井さん?」
なんと赤井さんが後ろからわたしの手を取り、切り方を教えようとする。
ちょっと待て!
何この状況?は?え?
赤井さんにバックハグ紛いなことされてるんですけど!?
「茜が危なっかしいから、教えてやるんじゃないか」
ちょっと、耳元で喋らないで!!
てか、呼び捨て!?
「あぁ、茜さんは私の方が好みなんですよね?」
お、沖矢さんになられた……。
待って、本当になんなのこれ?
わたしただカレー作るの手伝ってるだけだよ?
ちょっとプチパニックになっていると、パンという乾いた音の後にがしゃんと何かが割れる音がした。
音の方を見ると、ジンさんがベレッタを発砲したのが分かった。
マジかよ……。
「そいつから離れろ」
ジンさんの目がマジだ。
その眼光で人を殺せますよ。
でも何故か赤井さんは愉しそうというか余裕そうな雰囲気。
「嫌だ、と言ったら?」
ちょっと、それ純黒の悪夢のセリフ!
こんな状況で聞けるなんて思わなんだ。
「テメェの脳ミソをぶちまけてやる」
「ジンさん、それはグロいのでやめてください」
「あぁ?」
に、睨まれた……コワイよー。
「男の嫉妬は醜いぞ。ジン」
「黙れ」
なんか、一触即発?みたいな空気なんだけど……。
これはあれか?
わたしの為に争わないで!って言うべきなのか?
いやいや、やめておこう。とばっちりはごめんだ。
何て考えてたら、わたしのお腹は空気を読めなかった。
-ぐぅ…
「……ごめんなさい。
お腹空きました」
-
bkm