十一番隊の隊員たちが尻込みしている間に、なぜか塀が爆破して逃げることに成功した一護たち。
姫衣は一護らを導いて、人気のいない蔵の中に押し込んだ。
一護「おいあんた!!色々聞きたいことが…」
姫衣「花太郎から聞いて」
ただそれだけ言うと、さっさと扉を閉めてその場を離れた。
さすがに、さっきのはまずかったかな…。
人質の話が広まる前に、誰かに弁明をしておかないと。
とりあえず、四番隊にいる一角にでも
「姫衣!!!!」
小石に躓いたように、つんのめって急停止した。
姫衣「蒼助か」
蒼助「お前、大丈夫か?旅禍になにかされてないか?怪我とか」
姫衣「どーどー、落ち着いて」
蒼助の言葉を遮って、両手で待ったをして無事であることを伝える。
相当急いでいたのか、じんわりと汗を掻いているのが首元に見えた。
蒼助「お前が人質になったって聞いて、心配したんだぞ」
姫衣「お耳が早いようで」
蒼助「まぁでも、本当に心配すべきなのは旅禍のほうだったかもな」
姫衣「どういう意味よ!」
元気そうな姫衣を見て安心した蒼助は、地獄蝶を呼び寄せてひとまず日番谷に伝達を頼んだ。
蒼助はため息をつきながら、真剣な眼差しを姫衣へ向けた。
蒼助「一応、四番隊に行くぞ。目に見えない傷だってあるかもしれねぇ」
姫衣「本当に大丈夫だから」
蒼助「大丈夫じゃねぇよ」
有無を言わさず姫衣の手首を掴むと、自分のほうへ引き寄せた。
もう一方の手で細い腰を抱くと一気に抱き上げた。
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