両成敗
育成計画王入 
王馬視点 ギャグです

入間の自室に二人でいる時に、突然王馬が「だっこして」と言って甘えてきて……
戸惑いながらも王馬の欲求に応える入間とそんな彼女に落ちていく王馬の話

フェチ感が強いです。
以下の内容が苦手な方はご注意ください。
・涎
・授乳手コキ
・入間→王馬への極端な甘やかし(赤ちゃんプレイ等)
・69
・ポルチオ
・中出し
・淫語
・妊娠描写





ん、と言って両手を差し出すと入間ちゃんは一瞬だけ目を丸くしてすぐに困惑したような表情を浮かべた。ベッドの真ん中でファッション誌を眺めていた彼女はそのまま雑誌を持った体勢のまま、なんだよぉと弱弱しい声を出す。予想通りの反応であるにも関わらず、オレは頬を膨らませてわざとらしく不服そうな態度を取ってみせた。ある程度、恋愛慣れしている人ならば俺の意図を汲んでくれるのだろうけれど、悲しいかな入間ちゃんはオレが初めての恋人だ。慣れもへったくれもない。とはいっても、オレだって入間ちゃんが初めての恋人であるのだけれど。

それに加えて短気な入間ちゃんは、すぐに答えを求めがちだ。俺が大好きな問答なんて絶対してくれやしない。ほら、雑誌を放り出して、眉間に皺を寄せて今にも吠え出しそうな雰囲気を醸し出している。名前に兎が入っているくせに、犬みたいに分かりやすい人だよなぁ なんて考えていたらやっぱり怒り出した。

「はぁ?なんだそれ?意味わかんねーことしてんじゃねーぞ!……ははーん、さてはオレ様が考えてる内に隙を見て押し倒そうって魂胆だな?テメーの考えることなんかお見通しなんだよ!この凡人が!!

 高らかな声は、高度な防音設備を誇る寄宿舎の壁に吸い込まれて行く。反響することもなく、すぐに部屋がしんと静まり返った。自信満々に人差し指を突きつけて誇らしげな顔をしているところ悪いけど、不正解だ。そうやってすぐ性的なことに結び付けてしまうところは、入間ちゃんらしいといえばらしいのだろう。俺は手を下ろして、ほとんど脊髄反射的に呆れた声を出していた。

「はー。入間ちゃんは馬鹿だなぁ」

「馬鹿はテメーだろうが!!どうせいつもオレ様を押し倒す妄想でもして一人でシコってんだろ?まぁ、ちょうどベッドの上だしな…。押し倒されてやってもいいけどよぉ」

 勝手に興奮し始めた入間ちゃんは息を荒げながら、薄手の水玉のショートパンツを両手で握り、膝を擦り合わせている。ベッドの上ですることは何もセックスだけじゃないだろうに。でもそれを教えてあげなかったオレにも責任はあるんだよなぁって、心の奥で罪悪感が芽生えた。既に押し倒される気分になってしまっているらしく、期待を込めた瞳でオレを見つめながら、仕方ねーなぁなんてぼやいている。

そういう、思い込みの激しい猪突猛進気味なところは正直可愛いと思うのだけれど、今日はもっと健全なことをするつもりなんだ。

「わざわざそんなことしなくても、キミを押し倒すことなんて楽勝に決まってんじゃん。そんな簡単なことも分からないの?あぁ、色豚はそんな思考能力持ち合わせてないもんね!ごめんごめん、オレの配慮が足りなかったよー」

 嘲るように微笑みかけてあげると入間ちゃんは恥ずかしげもなく喘ぎ声を上げて、頬を上気させる。

「馬鹿で低俗な入間ちゃんにも分かりやすいように、ちゃんとオレがしたいことを教えてあげるね」

これからされることを想像してしまったのか、わずかに目を伏せて唇をやわく噛む。しっとりと濡れた唇も、何度も瞬きを繰り返すその瞼も、期待からくるものなのだということがありありと分かる。が、申し訳ないけれどオレはその期待を大いに裏切らせてもらうよ。

「だっこ」

「は?」

 素っ頓狂な声と共に入間ちゃんが間抜けな顔をしてオレを見る。

「だから、だっこして」

 笑えるくらい甘えた声でねだりながら、オレは再び両手を入間ちゃんの目の前に差し出した。

そう、オレが意図していたのはいわゆる抱擁だった。多分何度か恋愛をしたことがある人や、察しがいい人ならば無言でオレを抱きしめてくれたのだろうけど、それを恐ろしく察しの悪い入間ちゃんに求めるのはやっぱり酷だったみたいだ。だからこうしてオレが答えを教えてあげる羽目になっているのだけれど。

「な、なんだよぉ。オレ様をからかってんのか?」

 入間ちゃんがそう戸惑うのも無理はない。オレは普段、こんな風にして自分の欲求を口に出すことはない。セックスの最中以外で抱きしめたりキスをしたり、そういった恋人らしいことをすることは皆無だ。入間ちゃんから求められれば勿論全力で応えるけど自発的に要求したことは一度たりともないと記憶している。

だからこそ、この行動に意味がある。

「やだなー。大好きな入間ちゃんをからかうわけないじゃん。ホントにしてほしいんだよー。ね、早くオレのことぎゅってして?お願い……」

 言い慣れない言葉のオンパレードに思わず耳も口を塞ぎたくなる。過剰なくらいに甘ったるい声で、まるで駄々をこねる子供のようにダメ?と首を傾げる。羞恥心はあまり感じないのだけれど、ふと冷静になると気持ち悪く思える。もう十七にもなる男が、いくら恋人であってもだっこしてなんて子供じみたおねだりをするなんて痛々しいにもほどがある。自分でさえ怪しすぎると思うのだから、入間ちゃんからしたら不可解極まりないに違いない。案の定目を白黒させながら、怯えた声を絞り出した。

「馬鹿にしてんのか?!絶対からかってんだろ!この大天才の入間美兎様はそう簡単には騙されねーぞ?」

 気持ちは十分分かるけどこれも不正解。でも、それは当然だよね。今までこんな風に甘えられたことがないんだから、簡単にはオレの要求を呑んでくれるわけないだろう。だからもう一つ作戦を用意してきたんだ。その名も、押してダメなら引いてみろ作戦。流石に安直すぎるかな。

「ふーん。信じてくれないんだ」

「当たり前だろうが!大体普段そんなこと言わねー癖に。どうせなんか企んでんだろ」

「ひどいなぁ。じゃあ、何を企んでると思うの?言ってみてよ」

 入間ちゃんは腕を組んでオレに侮蔑と期待の混じった視線を向ける。

「ケッ。そんなもん、エロいことに決まってんだろ!だっこなんてクソガキみてーなこと言いやがって。まさかテメー、自分がツルショタだからってマジでショタになりきるつもりじゃ……。幼児プレイってやつか?!総統だけに相当変態だな!!まぁド変態のテメーを相手にしてくれる女なんて他にいねーだろうから、オレ様が甘やかしてやってもいいぜ!!ひゃっひゃっひゃ!!」

 おおむね予想通りの性的な方面に偏った回答を提示されて、オレはうんざりしたようなため息をついてみる。引くならこのあたりがいいだろう。これ以上変態扱いされるのは勘弁してほしい。

「びっくりするほどつまらない回答をどうもありがとう。ま、信じてくれないなら別にいいよ。もうこんなこと言わないからさ。じゃあね」

 そう吐き捨てて、オレはドアに向かって歩き始めた。入間ちゃんは押しに弱いけれど、こうして一度思考を固めてしまうとなかなか折れてくれない。勿論オレの言うことが疑わしいから余計にそうなってしまうというのは理解できるんだけど、そろそろ信じてほしいんだよね。だから、一旦引いてそっちから追いかけてくれるように仕向けてあげる。作戦通り、背後から布が擦れる音がしたかと思えばすぐさまTシャツを掴まれた。

「待てよ!」

思いの外強い力で引っ張られてその混乱が伺える。

「何?」

「なんで怒ってんだよ。……マジでオレ様に、その、抱きしめてほしいのか?」

 表情は見えないけれど上ずった声から判断するに照れているのかもしれない。息をするように品のない下ネタを連発する方がずっと恥ずかしいと思うけど、入間ちゃんの羞恥心の基準を理解できる日は来ないような気がする。

「だからー、ずっとそう言ってるじゃん。でも信じられないんでしょ?無理して信じてくれなくていいよ」

 再びドアに向かおうとすると、さっきよりも強い口調の俺を引き留める声が飛んできた。

「だから待てって!!」

 その言葉に振り向くと、入間ちゃんは何やらぶつくさ呟きながらベッドの真ん中に腰を下ろした。正座をしたり、あぐらをかいたり、体育座りをしてみたり、散々悩んだ挙句脚を投げ出してオレがしたように両手を差し出した。

「ほら。来いよ。オレ様がクレバーに抱きしめてやるぜ!!」

「えー!!そこはもっと恋人っぽいこと言ってよ。はー。入間ちゃんは本当に空気が読めないなー」

 オレの冗談を真に受けて、入間ちゃんはしどろもどろになっている。うぐぅとか、げえぇとか女子高生とは思えない呻き声をひとしきり上げた後に、観念したように口を開いた。

「わ、分かったよ。……おいで」

 乱れたシーツの上から届く甘やかな声に誘われて、オレはスリッパを脱いでベッドに上った。軽やかな笑い声と共に入間ちゃんの手の中に飛び込んで、ふくよかな胸に引き寄せられるように顔を埋める。小さな動物のように額を擦り付けて甘えると、行き場を失っていた両手を背中に回して抱きしめてくれた。 

「ね。今日はいっぱい甘えさせてよ」

 見上げると、入間ちゃんは目を何度もしばたたかせながら小さく頷いた。戸惑いとどこか安堵したような微笑みに、オレもようやく安心感を抱く。

 付き合って半年。キスもセックスも一応恥ずかしがらずに出来るようにはなってきたけど、自発的にスキンシップを求めないオレに入間ちゃんが不安を抱き始めているのは薄々勘付いていた。気取らない友人関係を一年ほど続けてきたからか、オレはいわゆる恋人らしいコミュニケーションが得意ではなかった。

だから時間をかけて恋人関係に慣れていきたかったし、少し思うところもあって避けてきたけど、フィクションの中のような甘い恋愛を夢見てきた入間ちゃんからしたらやっぱり冷めて見えたのだろう。入間ちゃんの中では男=年がら年中女の子に飢えているというイメージがあるらしく、セックスも含めて肉体的接触をあまり求めないオレは怪しく映ったらしい。オレの予感を確信的なものに変えたのは一週間前の夜。パソコンのメンテナンスをしてもらう間に入間ちゃんのものを貸してもらった時のことだ。レポートのための調べ物をしようと検索サイトを表示すると、削除し忘れたらしい検索履歴が表示された。いけないことだとは思いつつも覗いた結果、「都合のいい女 判別」やら「女としての魅力がない」から始まって挙句の果てには「彼氏 インポ 直し方」 などといった散々なキーワードが並んでいて、オレはあっけに取られてしまった。

 あまりにも偏った思考に感心したのも束の間、そんな風に不安にさせてしまったのかと自己嫌悪に陥る。

オレなりに愛情表現はしていたつもりだった。恋人だろうと愛し合っていようと、他人である限り完全に気持ちを理解してもらうことは叶わない。オレが彼女のことを理解しきれないように。  

思えばキスや抱擁を求める回数も、オレに嫌われたくないからなのか付き合い始めの頃に比べて随分減ったように思う。日常生活の中のコミュニケーションでは一切空気を読まない癖に、こんな風に自分の欲求を押し殺そうとするなんて、そんな柄じゃないでしょって𠮟りつけたくなってしまう。まぁ、オレには叱る権利なんてないのだけれど。

 だから今日、オレがすることには意味がある。

 入間ちゃんが思い描く理想の恋人らしく甘えて、その不安を取り除いてあげる。とはいえ生まれた疑心はそう簡単には消えないだろうから、今日から少しずつ押し殺した欲求を解放させるつもりだ。いくら疑り深い入間ちゃんも、オレの方から甘えたら「彼氏に甘えられたので仕方なく対応する彼女」という体でオレを思う存分可愛がってくれるだろう。

 オレの言動を受けて、恐る恐る、動物でも触るかのように背中を優しく撫でてくれる。Tシャツ越しに感じるぎこちない動きと、その心地よい温度にオレは思わず息を呑んだ。

「ねぇ。頭撫でて?」

「う……」

 更なる要求に入間ちゃんは呻き声のようなものを上げながらオレの頭を撫で始める。別に一度もされたことがないわけじゃない。歳が離れた構いたがりの部下たちと一緒に過ごしていれば、弟扱いなんて日常茶飯事だ。それでも、恋人相手となると話は別だ。ぎこちない手つきも、ふかふかの胸も、肌を重ね合って生まれるぬくもりも全てが特別で愛おしい。まるで守られているような安堵感に包まれて、急激に眠気が襲ってくる。本当に子供みたいだとぼんやりと考えながらまどろんでいくのを入間ちゃんの声が遮った。

「どうしたんだよ、いきなり」

「んー。……オレにだって甘えたい時くらいあるよー」

 慌てて意識を呼び戻し、目をこすりながらそう答えるとなにやら不安そうな声が上から降ってくる。

「え?何?もしかしてオレは甘えちゃいけないの?はー。いくら入間ちゃんがいじめられるのが大好きなドMの豚だからって、オレにそういう役割ばっかり押し付けられるのはちょっとなぁー」

「うっせーな!!そうじゃねーよ!!」

「じゃあ何?」

 そう尋ねると入間ちゃんは少しバツが悪そうな顔をして答えた。

「こういうこと嫌いなのかと思ってたから、驚いただけだ」

 素直な回答にオレは相槌を打つ。それはもう驚いただろうね。だって自信家のキミが自分に魅力がないなんて悩むくらいに不安になって、あまつさえオレが性的に不能な人間かもしれないなんてことさえ考えてしまっていたんだから。

「やだなー。別に嫌いなわけじゃないよ。でもさー、オレって悪の総統でしょ?だからそう簡単に甘えたところは見せられないっていうか……」

「ケッ。くだらねー見栄張ってんじゃねーよ」

「見栄で片付けないでよー!これは上に立つ人間として必要不可欠な心構えなんだからね!!……でも、入間ちゃんなら弱いところ受け止めてくれるかなーって思ってさ」

 これは別に嘘じゃない。ただ、もう少し先に言うつもりだった。半年前まで手を繋ぐことすらしなかったオレたちが恋人同士になった途端に、明け透けに欲求をぶつけ合って、恥ずかしいことも気持ちいいこともするような、少し不健全な関係になってしまったことに慣れるのに時間が必要だったんだ。いつか、家族同然の部下にも見せたことのない弱いところとか情けないとか、そういう部分を受けとめてもらいたいって想像していた。そのいつかが、今になっただけだ。

「……まぁ、オレ様はテメーの彼女だからな。ちゃんと甘やかしてやるよ。そんでもって骨抜きにしてやるからな!!」

 オレの告白を聞き、入間ちゃんは使命感でも芽生えてしまったのか妙に張り切り始めた。これで少しでも不安が解消されたのならばオレが素直になってみた意味もあるというものだ。

「なんか随分やる気だね。うわっ」

 さっきよりも強い力で抱きしめられ、胸元に顔を押し付けるような形で抱きしめられる。服の上からでも分かるグラビアアイドルも顔負けの豊満な胸は、少し現実離れしていて風船でも入れてるんじゃないかと錯覚するほどだ。でも、実際に触れて、顔を埋めてみるとビーズクッションみたいに柔軟に形を変える。   入間ちゃんに信じてもらうのに必死だったから気が付かなかったけど、顔を埋めながら息を吸い込んだら柔軟剤だろうか、ミルクのような匂いが鼻の奥まで届いた。それから、Tシャツ越しに分かる下着のワイヤーの感触。オレが知る限り、入間ちゃんは下着にすごく気を遣ってくれている。可愛らしいものから、思わず生唾を呑んでしまうようなセクシーなものまで、バラエティに富んだものを用意してオレを飽きさせないようにしてくれているらしい。もっと気を抜いてくれていいのにと思う反面、Tシャツの下に秘められたそれを想像するだけで興奮する程度には、オレは彼女の気遣いを楽しみにしているらしい。視覚、嗅覚、触覚と想像から得られる刺激でオレの心臓は早鐘を打つ。今日はそういう、いやらしいことはしないって決めていたはずなのに。そんなことを考えていたら、耳元で突然甘い声が聞こえた。

「いい子」

 背筋に痺れるような感覚が走る。

「王馬はいい子だね」

 甘い声が鼓膜を揺らし、そのまま頭の中で反響する。その瞬間にオレの本能がダメだ、と告げた。このままではオレが危惧していた通りになってしまうから、冗談だということにしてやっぱりここでやめてしまうのが最善だろうと頭の片隅でシミュレーションを始める。しかし、脳の指令にまるで体が従ってくれない。背中に回されていた手が緩んだかと思うと、両手でほっぺたを挟まれてふにふにと触られた。

「お口あーんして」

 完全にスイッチが入ってしまったのか子供をあやすような口調でそう促される。二重人格とまではいかないけれど、入間ちゃんの性格はびっくりするくらい綺麗に切り替わるものだ。それは、以前キー坊のメンテナンスを覗き見した時に見た姿と似ていた。あの時にキー坊のことを羨む気持ちがあったことを思い出してしまう。その甘やかな声と慈愛に満ちた微笑みに、オレは大人しく口を開いた。

 すぐに唇を塞がれてぬるついた舌が入り込んでくる。熱い舌が口の中をたゆたうように動き回るのは、まるで獰猛な動物が飛び掛かる前に息をひそめているようだ。歯をなぞられ、舌の先で頬肉や上のくすぐったいところを撫でられたかと思えば、軽く舌を吸われてオレの体が跳ねた。いつもと違って、入間ちゃんが積極的になってくれているからなのか、上手く呼吸が出来なくて頭がボーっとしてくる。

 オレの体が反応したのを面白く思ったらしく、入間ちゃんは何度も舌を吸い上げる。その度に体はびくびく反応して、頭はどんどん冷静さを失っていく。このまま食べられてしまうんじゃないかと思うほどの激しくて、いやらしいキス。下半身が熱を持ち始めて、オレはひどく恥ずかしかった。

唇を離された時には酸素を取り込むのに必死だった。は、は、と荒い呼吸を繰り返しているとほっぺたを触られて入間ちゃんが微笑んだ。頭で考えるより先に体が動く。入間ちゃんを見上げながら、口を開いて舌を出すととろっとした唾液が流し込まれた。いつもオレが入間ちゃんにしてあげてること。嬉しそうに目を細めながら、入間ちゃんがオレを見つめている。甘い唾液を、喉を鳴らして飲み込むとまた頭を撫でられた。

「ちゃんと飲めたねぇ。いい子いい子」

 いい子、という言葉が頭の中でわんわんと鳴り響く。こんな風に甘美な響きを一度覚えてしまったらもう二度と逃れられないような気がしてしまう。ぼんやりするオレを尻目に、入間ちゃんがTシャツを脱ぎ始めた。白いキャミソールの下から覗くのはビビッドなピンク色。思わず目を見開くと、入間ちゃんは小さな笑い声を上げてキャミソールも、ショートパンツも脱いでその肌を晒す。膝立ちになって惜しげもなく見せてくれるその姿は、何度も見たはずなのにやっぱり慣れない。不健康なくらいに白い肌とビビッドピンクのコントラストの眩しさが、目の奥にくっきりと焼き付く。

鮮やかな下着に包まれたはち切れそうな胸を触りたい、肉付きのいい太ももを撫でまわして、両サイドの紐を解いていつものようにその浅ましい本能を暴き合いたい。

食い入るように見つめながら、自分がこれほど欲深い人間だったのかと思い知らされて嫌になる。

それでも誘惑の嵐に耐えようと首を振った。

「入間ちゃん。今日は、その」

「何?」

「そういうことはちょっと……」

 一瞬だけ不満げな顔をしたけれど、すぐにうんうんと頷いて納得したようだ。

「いつでもしてあげるからね」

 そう微笑む様は、まるでオレの未来を予見しているようで少し腹立たしかった。意地でもしないと心の中で決めつつ、そのまま抱き着こうとすると突然制止された。戸惑っているオレをよそに両手を後ろに回したかと思うと、瞬く間にその派手な下着を取り去ってしまった。真っ白な、形のいい胸が天井から降り注ぐライトの光を浴びてより白く、眩しく見える。薄いピンク色の乳首がツンと上を向いていて、オレはいけないものでも見ているような背徳感に襲われた。

「は……。ちょっと……」

 言い終わらない内にぎゅっと抱きしめられ、言葉を飲み込む。むにむにと柔らかくて温かい、その優しい感覚に包まれながら呑まれてはいけないと自分に言い聞かせた。

「入間ちゃん、ダメだって」

「なんで?……我慢できなくなっちゃうから?」

どこか楽し気な入間ちゃんを見上げながら、そんなことないけどと答えるとまた甘い囁きが鼓膜を揺らす。

「よしよし。いい子だねー」

「う、うぅ」

「ほらぁ、好きに触っていいんだよ?」

 腕を掴まれたかと思えば、無理やり胸元へと持っていかれる。その柔らかい肉に触れた途端にもう抵抗できないと理解してしまった。しっとりとして瑞々しい肌は掌に吸い付つくように、オレの動きに合わせて形を変える。手に収まりきらないくらいの大きな胸を揉んだり、たぷたぷと揺らしたり、弄ぶようにつついたりしているとすっかり満ち足りた気持ちになる。指が乳首に擦れる度が上ずった声がこぼれて、頭の中が可愛いと好きでいっぱいになってしまう。

「王馬はおっぱい好きだもんねぇ」

 とろんとした声で囁かれて、自分がいかに夢中になっていたのか気が付く。何度も触っているけれどこんな風に自分の本能の赴くままに堪能させてもらったのは初めてだ。この心地よさの中にずーっと、と体も心も委ねていたい。  

「好き、好きぃ」

 極上のおっぱいを揉みしだきながらうわ言のように漏れる。理性的な部分が壊れ始めてるって客観視できるのに、止めることができない。入間ちゃんは子供みたいに甘えるオレを更に誘惑する。

「おっぱいちゅっちゅしたい?」

「あ、うぅ。したい……」

「ふふ。可愛い」

 誘うように下から持ち上げられたおっぱいに生唾を飲み込み、ツンと尖った乳首にむしゃぶりついた。口の中で硬さを増す乳首に赤ちゃんみたいに吸い付きながら右手でもう片方のおっぱいを触ると、小さな喘ぎ声が聞こえて欲望がどんどん肥大化していってしまう。幸福の絶頂ってまさにこのことを言うんだろう。恥ずかしい遊びに夢中になるオレを、入間ちゃんは一切咎めることはない。だっこしながら頭を撫でて、いい子いい子と脳みそをとろけさせる言葉を囁き続けてくれる。  

エッチなことはしないって決めたのに、とろけた脳みそは言うことを聞いてくれない。入間ちゃんの太ももを跨ぐように座って、勃ち上がったそこを押し付けるように腰を動かす。押し付ける度に肉感的な太ももが震える。ズボン越しでも分かるくらいのむちむちした感触に興奮して下着の中はすっかりドロドロになっていた。

「もう我慢できなくなっちゃったのかなー?」

「はっ、あ……」

 頷くことしかできないオレに入間ちゃんは舌なめずりをしてTシャツの中に手を入れる。

「はーい、万歳してー。全部脱ぎ脱ぎしようねぇ」

 子供に言い聞かせるような口調にお腹の奥がきゅんと疼く。されるがままにTシャツも、ハーフパンツも脱がされてしまい下着一枚になり、熱を持った自分の性器がそれを押し上げているのが分かって無性に恥ずかしかった。ちゃんとできたねーという言葉の後に、入間ちゃんの柔らかい唇が首筋に押し当てられて、余計に下着の中をぐちゃぐちゃに濡らしてしまう。耳、首筋、ほっぺた、いろんな場所にキスをしながら下着越しに性器を擦り上げてくれる。優しく優しく、骨ばった指と薄い掌に擦られれば自然と声が漏れ出していた。

「あ、あっ。入間ちゃ……っ」

「なぁに?……ここ、すっごい硬くなってるよ」

 爪先でカリカリと先っぽをくすぐられて反射的に背筋を反らす。敏感なところをいじめられて、煮えたぎるような先走りが尿道を駆け上がってとろとろと溢れ出す。下着には漏らしてしまったかのように染みができているかもしれない。くすぐられたかと思えば、指の腹で優しく撫でられたり、掌で包み込むようにしてぎゅっと握られたりと弄ばれる。その度にくちゅくちゅと音が聞こえてオレの羞恥心を煽る。

「んうぅ…ッ。あっ、ひ、そこだめぇ。やだ、やだぁ」

 いやいやをするように首を振ると、入間ちゃんはクスクスと意地悪そうな声で笑った。

「ごめんね。ここ触ると可愛い声出ちゃうから、いじめたくなっちゃった……。今度はちゃんと気持ちよくしてあげる。ほら、これも脱いじゃおうね」

 もう下着の役割を果たしていないドロドロのそれを脱がされて、オレの性器がぶるんと勢いよく飛び出した。外気に晒されてびくびくと震えながら、先走りがぬらぬらと光る。それはまるで涎を垂らして好物を待つ子供のようだ。入間ちゃんは恍惚としたため息をついて、愛おしそうにオレの性器を見つめる。頬を上気させて、唇を舐めるその姿は獲物を前にした猛獣を彷彿とさせた。このまま入間ちゃんに食べられちゃうんだ、とふと思った。お口でしてくれるのかな。おっぱいで挟んでもらえるかも。それとも……、魅惑的なビビッドピンクの下着を見つめながら妄想は膨らむばかり。でも、入間ちゃんの言葉は予想外のものだった。

「ここにねんねしてー」

 その場に正座をして、太ももをぽんぽんと叩く。AVの中でしか見たことのないシチュエーションにオレの性器は硬さを増す。先走りがぽたぽたと零れて、真っ白なシーツに染みを作った。太ももに頭を乗せるように寝ころぶと入間ちゃんの左手がオレの体を抱きかかえるように回されて、右手が肌を滑っていく。脇腹を指でくすぐられて、お腹を撫でられて、たっぷり焦らされながら入間ちゃんの手が浅ましいくらいに勃起したオレの性器に近づいてくる。早く早くと息を荒げるオレの目の前にはふかふかのおっぱい。考える間もなく吸い付いて、余すところなく堪能しようともう片方の手で思い切り鷲掴みにする。

「あっ…。もう、王馬は赤ちゃんみたいだねぇ。好きなだけ甘えていいからねー」 

 背筋から頭にビリビリと電流のような快感が走り、理性が完全に崩壊したのを悟った。入間ちゃんが唱えたのは、これまで作り上げてきた王馬小吉を殺す言葉。思考能力を停止させつつある脳みその片隅で、もう戻れないと思った。家族がいないオレは親に甘えるという行為をしたことがない。幼い頃に出会った部下たちは家族同然ではあるけれど、同時に部下でもあるのだから理性を捨ててまで甘えることはできなかった。だからずっと願っていた。もし恋人ができたなら、めいっぱい甘えさせてほしいって。     

入間ちゃんと付き合い始めてからはそんな欲求はどんどん膨れ上がっていった。勿論嘘つきで、気まぐれで、入間ちゃんをいじめるのが好きなオレだって本物だ。それでも人間には容易に取り除けない潜在的な欲求がある。オレの中にあった、甘えたいという欲求は「性的嗜好」と呼ばれるものに形を変え、性格や自制心を無視して育ち続けた。特に顕著だったのがオナニーにおける「おかず」の内容の変化だった。オレだって男だから、AVとかそういう動画とかを見ることだって勿論ある。でも前はそこまで内容にこだわりもしなかったはずなのに、段々と女の子に甘やかされながらセックスをするものばかり選ぶようになっていった。画面の中の膝枕をして性器を優しく扱く女の子に入間ちゃんを重ねてしまったことだって何回もある。ついこの前まで友達同士だったのに、そんな風に見てしまうことが申し訳なくてたまらなかった。罪悪感もあった上に、じっくりと恋人関係を築いていきたかったオレは自ら肉体的な接触を求めることを控るように心掛けた。でも、散々妄想してきたことが今現実になっている。

一度こんな風に甘えてしまったらもう今までのオレに戻ることはできない。それが怖いから我慢してきたのに、こんなに気持ちいいならもう我慢なんてできない……。

「もうトロトロ…」

 指先でつぅっと性器をなぞり上げて溢れ出た先走りを掬い取られる。下着越しじゃない直接的な刺激にたまらなく興奮する。そのまま尿道をほじるように潰されて、逃げるように腰を擦りつけてしまう。尿道口を広げるようないじめ方に先走りが際限なく漏れ出す。指が擦れてぷちゅ、ぷちゅ、と水のような音が聞こえた。

「ん˝っ、うぅぅッ」

くぐもった喘ぎ声を聞き、小さな笑い声と共に入間ちゃんの細い指がオレの性器に絡みついてくる。壊れ物にでも触るように優しく握られた瞬間にもう射精しそうだった。性器がゆっくりと扱き上げられ始めて、掌の中でびくびくと暴れる。

「ほーら、いい子いい子」

 掌全体を使って優しく裏筋を撫でられる。言葉通り、あやすような甘い扱き方。オレは掌に性器を擦りつけるように腰を動かした。もっとして欲しい。もっといい子いい子されたい。だらしなく脚を広げて、必死に気持ちいいことを求めるなんて。本当に恥ずかしいことなのに、入間ちゃんは全部受け入れてくれるんだ…。根本まで垂れた先走りがローションの役割を果たして快感を増幅させる。ゆるゆるとした手つきで扱かれて少しずつ上り詰めていくのがもどかしくて、必死に腰を振ってしまう。入間ちゃんの熱い掌に性器が擦れる度ににちにちと粘着質な音がした。

「気持ちいいねぇ。一所懸命腰振っちゃって可愛い…」

 可愛いという言葉だけで嬉しくなって、おっぱいを吸い上げて甘えると入間ちゃんの体がぴくんと跳ねた。気持ちよさそう…。硬くなった乳首をちろちろと舐めるといやらしい吐息を漏らす。

「は、ぁ…王馬は本当に甘えんぼさんだねぇ」

 艶めかしい声が聞こえて、それまでゆっくりと動いていた手が一気に性器をなぞり上げた。

「ふ、うぅッ。あ、ぅ、いるまちゃん…ッ」

「ふふ。王馬の好きなところはどこかなー?」

 掌も指先も全部使って、根本から先っぽまで丹念にマッサージをするように扱かれる。カリの部分に指が引っかかる度に爆発的な気持ちよさが次々押し寄せてきて腰が浮いてしまう。

「ここが好きなんだよね?」

「あ、あぁッ!!そこっ、もっとぉ…!!」

「ちゃんとおねだりできるお利口さんにはご褒美あげなきゃね。ほーら、おちんちんしこしこされて気持ちいいでちゅねー」

 その瞬間に頭がスパークするような刺激がオレを襲った。人差し指と親指で輪っかを作ってカリを徹底的に甘やかす極上のご奉仕。入間ちゃんの細い指が段差を何度も何度も往復して、情けないくらいの声が出る。カリに触るか触らないかのところで弄ばれれば、恥ずかしく腰を振っておねだりをする。そうするときゅっと輪っかを締め付けながら責められて、逃げ場のない気持ちよさが全身を駆け巡る。

射精したい、射精したい……!!赤ちゃんみたいに甘やかされながら、もっと気持ちよくなりたいよぉ…!
「ひあ˝っ…!!あ˝ッ、あ˝ッ、きもちいっ!!しこしこされりゅのきもちいぃッ!!」

力の入らない手におっぱいを押し付けながら入間ちゃんはオレを更に甘やかす。

「よちよち、いい子だねぇ。王馬が満足するまでずーっと可愛がってあげまちゅからねー」

 底抜けの幸福感。このままずーっと甘えていたい。入間ちゃんに永遠に可愛がってもらい続ける子供になりたい。とろとろになった脳みそは情けない欲求を発し続ける。たっぷり甘やかされたオレの体はもう限界だった。湧き上がってくる射精感に抵抗できず腰を突き出す。

「腰浮くほど気持ちいいのぉ?……あは、先っぽぷくーってしてきちゃったよ?ぴゅっぴゅしたいのかなー?」

ぱんぱんに張り詰めた先っぽを掌で撫でまわされて意識が飛びそうになる。目の前がチカチカするのを感じながらオレは必死に叫んでいた。  

「したいぃ…ッ!!ぴゅっぴゅしたいよぉ!!」

「上手におねだりできまちたねー」

 優しく竿を握られたかと思うと、激しく扱き上げられる。手が、指が、性器を扱く度に猛烈な刺激が腰に響いてたまらなく気持ちいい。

「んひいぃッ!!あ、あッ…!!」

 熱い掌で裏筋ごしごしされて、指で先っぽくしゅくしゅくすぐられて、ぎゅーって握りながら扱かれて…。弱いところ全部入間ちゃんに知られちゃってる…!!
「いい子いい子。ぴゅっぴゅしようねー」

「あぁぁッ!!イくッ、イくぅ!!」

 一瞬目の前がスパークして、マグマみたいに煮えたぎった精液が駆け上がってきた。その耐えがたい感覚に本能的に体が弓なりになったかと思うと、優しく握ってくれている掌の中に勢いよく射精する。今までに味わったことないくらいの幸福感と気持ちよさ。どろどろに煮詰められた精液が入間ちゃんの手を汚していく背徳感。あらゆるものがない交ぜになって、オレの頭の中がいっぱいになる。

こんなに幸せな気持ち知っちゃったらもう戻れない…。

「上手にぴゅっぴゅできたねぇ」

 最後の一滴まで出し切ると、ぼんやりする頭に入間ちゃんの声が届いた。射精後の気だるさと倦怠感でくったりとするオレの目に、聖母のような微笑みが映る。

「うふふ。いっぱい出したね…」

 そう呟いたかと思うと、手を口元に運んだ。舌を出して吐き出された精液を味わうように舐め取る姿を見ているだけで、体が疼いてしまう。入間ちゃんのことも、気持ちよくしてあげたい。衝動的に目の前のぷっくりと尖った乳首を口に含んだ。ぴくんと体が跳ねて、おっぱいが震える。舌で舐め回しながら、空いた手でもう片方の乳首を摘まんだ。

「ひゃっ?!ちょ、ちょっと王馬ぁ」

 口の中で硬さを増す乳首を舌で弾いてあげると、可愛い喘ぎ声が聞こえた。もっともっとその声が聞きたくて、甘噛みしながら舌でつついたり、指ですりすり擦ってあげると子犬が鳴くような甘えた声が降り注いだ。可愛くてたまらない、オレの恋人。入間ちゃんともっとエッチなことしたい…。もっと可愛いところが見たい…。

「きもちいい?」

「ふ、うぅ…。きもちいい…」

「えへへ。…もっときもちいいことしよ?」

 気だるい体を動かして入間ちゃんと向かい合うようにぺたんと座りこむ。うっすらと赤く火照った体。物欲しそうにとろけた目。全部オレだけのものだ。はやる気持ちは抑えられなくて、ビビットピンクの下着に手を伸ばす。指に当たるぷにぷにした感触と濡れた感覚。触ってるだけで、下半身がぐんぐん熱を持ち始める。さっき出したばっかりなのに恥ずかしい。入間ちゃんは膝立ちになって両サイドの紐を解いた。

糸を引いて、下着がシーツの上に落ちる。何度見ても慣れない、毛の生えていないその場所にオレは喉を鳴らした。オレのこと散々ツルショタとか言ってるけど、入間ちゃんは人のこと言えないと思う。聞いたことないけど生まれつきなのかな…。すごくエッチな体つきをしてるのにそこだけ見ると子供みたいでなんだかいけないことをしてるような気持ちになる。それでも体は正直で、鼓動が速くなって下半身に血が滾っていく。子供みたいなそこを指で挟んでぷにぷにと刺激すると愛液が太ももを伝うのが見えた。

「な、舐めてもいい?」

 咄嗟に口をついて出た言葉に自分でも驚いてしまう。今までこんなこと言ったことないのに。

「ふぅん。王馬はこっちにもキスしたいんだ」

「う、うん…。ダメ?」

 縋るように入間ちゃんを見るといいよ、と微笑んでくれた。オレのしたいこと全部させてくれるのかな。

「じゃあ一緒に気持ちよくなろっか」

 とん、とベッドに倒されたかと思うと入間ちゃんはお尻をこっちに向けて四つん這いになった。予想外すぎる行為に頭が上手く回らない。これってシックスナインって言うんだっけ。目の前に形のいいお尻とつるりとしたそこが突き出されて更に熱が高まる。こんなに間近で見るのは初めてかもしれない、とろとろになった入間ちゃんのエッチなお肉…。指で広げると愛液にまみれていやらしい匂いを放つ、ピンク色の肉壁が現れた。夢かと錯覚するほどにいやらしい光景と、くらくらしてしまうほどにフェロモンたっぷりな女の子の匂いで、誤魔化しようがないくらいに勃ち上がっていく。

「わ…すごい濡れてる……」

 思わずそう漏らすと中がひくひくと動いた。溢れた愛液がぽたぽたと垂れてきて、舌を突き出してそれを受け止める。生き物みたいにひくつきながらオレを誘うそこは、なんていうか、すごく美味しそうに見える。高まる気持ちに比例するように熱くなる下半身に息がかかって背筋がゾワゾワする。

「あー…この匂い好きぃ…」

 鼻先を擦りつけられて性器がぴくぴくと脈打つ。オレだって同じようなことを思っているけど、入間ちゃんが言うとなんだか征服感で満たされていくみたいだ。最初は触るだけできゃあきゃあ言ってたのに、匂いだけで興奮するようになっちゃうなんて。シャワーも浴びてないから匂いだって結構キツいような気がするんだけど、深呼吸を繰り返すさまは発情した動物みたいだ。それから優しく握られたかと思うと、すぐに柔らかいものが当たる感触があってどきりとした。見えないけど、多分これはほっぺただ。

「さっき出したばっかなのにもうこんなにして…」

 そう言いながら子供の頬にするかのように頬ずりしてくれる。柔らかい頬肉が竿を刺激するもどかしさに脚の指をぎゅっと握った。嬉しそうな笑い声がして、先っぽにキスをされる。先走りでマーキングするように唇を濡らしていく。オレに奉仕するのが好きらしい入間ちゃんは、いつからかこうして頬ずりとキスをしてくれるようになった。ちゅ、ちゅと音を立てて繰り返されるキスに期待を膨らませながら、太ももの下から抱きかかえるように手を回して、ふっくらしたお尻を広げるように掴む。入間ちゃんの体って、どこもかしこも柔らかいからずっと触っていたくなってしまう。首を上げて粘度の高い愛液を溢れさせるそこを舐めると、脚が震えて体を密着させるように腰を落とした。お腹のところにおっぱいが押し当てられる心地よさに顔が緩んでしまう。甘えたいのと、いじめたい気持ちがない交ぜになって自然と体が動く。

「もっときもちよくしてあげる」

「待っ…あっ、あんッ」

 舌全体をあてがって、少しずつ快楽を引き出すようにゆっくり舐め上げる。入間ちゃんの腰が揺れるのを感じながら、何度も、何度も。根本に熱い息がかかったかと思うと、そこにも唇を押し付けられた。根本から先っぽまで食べるようにキスをされて期待値が限界まで高まった時、熱くて唾液に塗れた口の中に  飲み込まれた。

「ひあぁぁ…ッ!!」

さっきよりもずっと強い快楽が叩き込まれて、女の子みたいな声が出る。

「あ、あ…ッ!や、ぁん…ッ」

 入間ちゃんは気持ちいいところを的確に舐めてくれる。カリ首をお掃除するみたいな丹念な舌の動きに喉の奥から悲鳴みたいな声が漏れた。いじめるみたいに先っぽを舐め回されて腰を浮かせると、根本までちゃんと飲み込んで応えてくれる。ほっぺたのお肉がぴっとりくっつくぐらい吸い付きながら、じゅぽじゅぽと下品な音を立ててストロークを繰り返す。射精を促すみたいに指先で玉をぷにぷにってマッサージされて、先走りいっぱい出ちゃう…ッ!!先っぽが喉の奥に当たる度にきゅうきゅう締まって気持ちいい…っ。

「ひもちい?」

「あ˝っ、あ˝ぅっ…!!しゃべら、ないでぇっ!!ちゃんと、きもちいからぁっ!!」

 もごもごと口を動かされて皮膚があわ立つような感覚に襲われる。入間ちゃんはまた黙って、性器から口を離した。口の中の心地いい温度から突然外気に晒されてお腹のところがゾクゾクする。

「ねぇ、王馬ももっとチューして…?」

お尻を振って催促されてハッとする。とめどなく溢れるとろとろの愛液で、入間ちゃんのそこはぬめぬめと光っている。舐めてるだけでこんな風にしちゃうなんて、本当にエッチで可愛い。とろけたそこを広げて唇を押し付ける。

「はっ、ぁ…」

 入間ちゃんは体を震わせながらまた咥えてくれる。熱くてまだきついそこを解すように舌を出し入れしたり、かき回したりするとそれに合わせて収縮して愛液が舌にまとわりつく。もっともっと、きもちよくしてあげたい。舌を離すと、銀色の糸が引く。今度は中じゃなくてこっちにご奉仕してあげる。ぷっくり膨れた、一番敏感なところ。ふぅっと息を吹きかけただけでぴくぴく跳ねて、いっぱい可愛がってあげたくなる。

「かわいい…」

 口に含んで、小さな飴を転がすみたいに優しく撫でまわす。入間ちゃんはぎゅーって太ももにしがみつきながら、必死にご奉仕を続けてくれる。唇で挟んでふにふにしながら舌を尖らせてつつくと、男のそれみたいに硬くてコリコリになっていく。皮の中に舌を入れてお掃除するみたいにちゅっちゅってすると愛液いっぱいお漏らしして、ツンとした匂いで頭の中が沸騰しそうになる。

オレも入間ちゃんも、お互いの恥ずかしいところを堪能するみたいにギリギリイかないように甘く責め続ける。どんどん濃くなっていくエッチな匂いを嗅ぎながら、二人で一緒にダメになっていく。頭も体もどろどろになりながら、ひたすら快楽を享受して、相手に与えるひどく動物的な行為。理性とか体裁とかはもうどうでもよくて、大好きな恋人だからできること。ご奉仕してると、頭がぽわぽわしてきて幸せな気持ちでいっぱいになってくる。入間ちゃんもこんな気持ちなのかな。そう思ったら、余計に愛しく思って、入間ちゃんの名前を呼んでいた。

「い、入間ちゃん…」

 二人でもっとダメになりたい。気持ちいいことを追い求めるだけの貪欲な獣になりたい。入間ちゃんはくぐもったような声を出す。顔、見たいな。

「もう、入れたい…ッ」

 入間ちゃんは名残惜しそうにゆっくりと口からオレの性器を抜く。荒れた息を整えようと深呼吸を繰り返す度に、生ぬるい息の刺激でびくびくと脈を打つ。緩慢な動きで、ずるりとシーツの上に体を落とす。桜色に染まった肌も、まだ荒い息も、艶めかしい動きも、一挙一動がオレを煽る。入間ちゃんはオレの方を向いて微笑んだ。

「今日はだっこしながらしよっか…」

 それだけで達してしまいそうな魅惑的なお誘い。力が抜けかけた体を起こして、近くにあるテーブルの引き出しに手を伸ばす。いつも使っているゴムを取り出すと、入間ちゃんから更に刺激的な言葉が投げかけられた。

「ねぇ、ゴムしなくていいよ?」

「で、でも……」

「大丈夫だからぁ」

 ねっとりした声にあてられてゴムを落としてしまう。大好きな入間ちゃんとの生ハメエッチ…。想像しただけでも涎が出てしまい、慌ててそれを拭う。安全日なのかな。あのとろとろぐちゃぐちゃの中に入れたら、どれだけ気持ちいいんだろう。

「期待してここびくびくーってしてるよ?……ね。王馬のぜーんぶ、アタシの中にちょうだい?」

 オレはもう考えることを放棄して、両手を広げる。

「来て…」

 その声に、嬉しそうに微笑みながらオレを跨いで腰を少しずつ下ろす。くびれた腰を抱き寄せて支えてあげるけど、この距離だと伝わってしまうんじゃないかと思うほどにオレの心臓はバクバクと鳴っている。ぷにぷにの子供みたいな恥丘と先っぽがキスしちゃってる…。ゆっくり腰を下ろされて少しずつ入間ちゃんの中に押し入っていくのが丸見えだ。キツいそこが隙間なくオレのものに吸い付いてずぶずぶと飲み込んでいく。あったかくてぬるぬるの感覚がダイレクトに伝わってくる衝撃。わずか数ミリの壁がないだけで気持ちよさが段違いだ。  

「あっ、ひ…、ぜんぶ、入ったぁ」

「あ、あ、…すごいっ。中、あつくて…っ」

 言葉にならない言葉をどうにか絞り出すオレを入間ちゃんがぎゅーってしてくれる。おっぱいに顔を埋めながら、柔肉に性器を包まれて、天国に昇るような気分になる。体重がかかっているからかいつもより深くまで届いているような気がする。中のひだひだの一粒一粒まで分かるくらいに吸い付くそこで、全部絞り取られてしまいそう……。

「も、少し…このままでいていい?」

「う、うん…」

 入間ちゃんはオレの腰に脚を回して体をくっつける。キツキツの中がオレの形を覚えていくように少しずつ広がっていく。この体も、心も、全部オレだけのものだって思うと本当にうれしくて、幸せで、すごく興奮する。

「あっ、おっきくなったぁ」

 顔をとろけさせながら喜ぶ入間ちゃんを見て、オレは目の前にあるマシュマロみたいなおっぱいを鷲掴みにした。手に余るほどのそれを両手で揉みしだいて、持ち上げるように寄せる。二つの甘勃起した乳首を口に含んでぺろぺろ舐め回す。

「ひゃっ、ぁああんっ!!」

 ぐっと体をのけぞらせながらあられもない声を出す。可愛い。こんな可愛いところ、他の誰にも見せたくなんかない。これから先もずーっと。唾液をたっぷり絡めた舌でしごいて、唇ではむはむしながら伸ばすように引っ張ると中がきゅんきゅんって疼く。こうされるの大好きだもんね。

「は、あっ。もう、だめぇ…っ」

 入間ちゃんはぎゅって脚に力を入れて、腰を揺する。その衝動的な気持ちよさで思わず声を漏らしてしまう。

「王馬もいっしょじゃなきゃだめなのぉ」

 入間ちゃんの好きなペースで上下に腰を揺すられる。ゆっくりした動きなのに中が生き物みたいにぐねぐね動きながら性器にまとわりつくように吸い付いてくるのがたまらない。与えられる快楽に身を委ねながら、おっぱいと勃起して皮が剥けきった女の子の突起をいじめてあげる。赤ちゃんみたいに乳首をちゅうちゅう吸いながら突起に指をあてがうと、入間ちゃんの腰の動きが速くなる。くちゅくちゅって恥ずかしい音出ちゃってるのに、自分から擦りつけるみたいに必死に腰振って、中もきゅんきゅんって締め付けてくる。こんなんじゃすぐ射精しちゃいそう。先走りどぷどぷ出て入間ちゃんの中にいっぱいマーキングしちゃう…。

「ん˝ひぃっ!!お˝っ、ひ、ぁあああ˝ッ!!」

 涎垂らしながら下品な声出して、よっぽどここが好きなんだね。突起を指先で優しく擦って、指先で弾いて、次から次に動きを変えてあげる。勃起してぴくぴくしてるそこを親指と人差し指で摘まんで扱き上げると入間ちゃんは髪を振り乱して嬌声を上げた。

「ひっ、ぃやああああッ!!そこっ、そこやだぁっ!!」

 嘘つきな入間ちゃんの声を無視して、乳首を吸って、突起を優しく扱いてあげる。きゅって甘く潰されながらしこしこされるのが好きなのかな?あー…中がぎゅーって締まるの気持ちいい。きゅっきゅって潰されるのに合わせて中が痙攣して射精促されてるみたい…。

「あっ、も、だめぇ。イくっ、イぐぅっ!!」

「いいよ、イって」

 激しく扱いてあげると、入間ちゃんは天を仰ぎながら絶頂した。中がぎゅーって絡みついてきてイきそうになるのを必死に我慢する。だらしなく開いた口から涎が垂れてぽたぽた落ちて肌を汚していく。力が抜けたのか、入間ちゃんはオレの寄りかかるみたいにしてくったりとする。汗ばんだ体とか、その汗と混ざって鼻をつく濃密なエッチな匂いとか、そういうものがオレを余計に興奮させる。イったばっかりで敏感な入間ちゃんの中でまた大きくしてしまう。その瞬間に入間ちゃんの体が跳ねた。つらいかな…。一回抜いてあげようと体を抱きかかえると、入間ちゃんが首を振った。

「抜いちゃやだぁ…。んっ、ふぅっ…王馬の生ちんぽ…ッ、もっとぉ…」

 うわ言みたいに呟きながら入間ちゃんは後ろに手を突いてもっと快楽を貪ろうとする。円を描くように腰を動かして自分から中を掻き回す。張り詰めたひだがぷりゅぷりゅ擦れてすぐイっちゃいそう……ッ。幸せそうな顔とたぷたぷ揺れるおっぱいを眺めながら、痛くないようにゆっくりと突き上げる。

「あーっ……奥まで届いてるぅ…!!王馬のちんぽ好きぃ!!」

腰をぐりぐり動かして恥ずかしい告白をされたら、もっと気持ちよくしてあげたくなる。奥まで届くように何度も突き上げる。離さないとでもいうように中が吸いつくのが最高に気持ちいい。入間ちゃんはもっといいところを探るように腰を動かす。優しく優しく腰を突き上げると、むにむにした柔らかい場所に当たって入間ちゃんの動きが一瞬止まった。

「ん?痛い?」

「あっ、ちがっ、そこ…いいのぉ…」

「ここ?」

「あっ、あぅっ、もっとぉ!!」

 入間ちゃんのいいところを、キスするみたいに何度も突いてあげる。奥にツンツンって先っぽ当たる度、軽くイってるみたいに中がひくんひくんって蠢く。

「い˝っ、ぁあ˝あ˝あ˝あ˝ッ!!そこっ、しゅきぃッ!!しゅきなのぉ!!」

「ふふ……しゅきなの?」

「しゅきぃっ!!そこ、もっとツンツンってしてぇッ!!あ˝、あ…ッ」

 こんな恥ずかしいおねだりしちゃうくらい気持ちいいんだ…。奥にあてがったまま太ももやお腹を撫でてあげるとそれだけでイって、中をひくつかせる。ここをいじめるだけで、全身の神経が敏感になっちゃうなんて女の子の体ってすごいエッチだ。ツルツルの恥丘が根本まで飲み込んでるのが全部見えて、支配欲が満たされるような気がした。

絶え間なく蠢く中に包まれて、もう射精を我慢できない。一番奥に先っぽくっついて、このまま射精したら安全日でも妊娠しちゃいそう…。動きを止めてふつふつ煮えたぎる精液を出さないように堪えて唇を噛む。

「王馬ぁ」

「な、なに?」

「だしていいよ?」

「で、でも。妊娠…しちゃうかも…」

 汗だくの入間ちゃんが笑う。全部許してくれるような微笑み。

「妊娠したいのぉ…!!奥までちんぽくっつけて受精させてぇ…!!」

「だ、ダメだよ。オレたち高校生だし…あッ!!今ぐりぐりしないでぇ」

 優しく腰を揺すられて射精欲が高まる。今射精したら絶対気持ちいい。大好きな入間ちゃんの子宮に精子ぶちまけたい…ッ!!オレの赤ちゃん孕んでほしい。そんな本能的な欲求とわずかに残った理性が戦うけれど、欲求の方がずっと強い。入間ちゃんは腰を動かしながら、オレを煽る。

「ね…、がまんしないで精子ぴゅっぴゅして?」

ねっとりと甘えるような声で耳が犯されてるような気持ちになる。

「あ……」

「早くぅ、種付けエッチして…。子宮ツンツンしながら種付けしてぇ…」

「だ、から……」

 入間ちゃんは、とろけた声でオレにとどめを刺した。

「小吉…お願い」

 名前を呼ぶなんて卑怯だ。そんな風に甘えたおねだりされたら、もう絶対逆らえない。獣を借る狩人のような、何か闘争心のようなものが湧き上がってくる。物欲しそうな目を見つめてその体を抱きながら押し倒した。

「美兎ちゃんが言ったんだからね……」

 腰を引いて浅いところでストロークを繰り返す。オレの性器の形を覚えちゃったここは抜かれないように必死に吸い付いてきて、先っぽを締め付ける。そんなにしなくても抜いたりしないのに、本当に淫乱なんだから。奥を刺激されて神経が過敏になった美兎ちゃんの体は、浅いところを擦ってもビクビク跳ねてしまう。

「あっ、奥…奥がいいのにぃっ!!」

「うんっ、今から奥いじめてあげるから、ねっ!!」

「ん˝ッ、ひぃぃッ!!」

 浅いところからいきなり深いところを突かれて、美兎ちゃんはのけぞる。だらしなく弛緩した口からは涎が溢れ出して、断続的に下品な喘ぎ声が漏れる。こんなみっともない顔晒して恥ずかしいなぁ。もっともっと恥ずかしいところ見たくなっちゃう…。奥の気持ちいいところをつつくようにして腰を振る。一番奥のむにむにしたいいところを先っぽで突くと、精液を搾り取るみたいにぎゅって締まる。本気で妊娠したがってるみたいなその反応にオレは嬉しくなってしまう。

「ほらっ、ここでしょ?んっ、うぅ…っ。美兎ちゃんの大好きなちんぽでっ、突いてあげてるんだからっ、嬉しいよね?」

「あ˝ッ、うれひいっ、うれひいれしゅっ!!」

「ふっ、う、いい子だねっ」

 汗がぼたぼた垂れるのも気にしないで懸命に腰を振る。生ハメ孕ませエッチ気持ちいい……ッ!!こんなに幸せなエッチしちゃったらもう普通のエッチなんてできるわけない。奥を責めながらキスをすると愛液が洪水みたいに溢れて、先走りと混ざってぐちゅぐちゅ鳴る。イきすぎて力入らないはずなのに、必死に舌を絡めてキスを求めるなんて本当に可愛い子……。

「こ、きちッ。しゅきっしゅきぃっ」

「う、んっ。オレもだよ。大好き…、愛してるよ…ッ!!」

「あ、あ˝っ。妊娠して、小吉のおよめしゃんになるのぉッ」

 そんな宣言をしてくれるなんて、オレはなんて幸せ者なんだ。今までに味わったことがない幸福感に包まれて、夢なんじゃないかと思ってしまう。

「はっ、あぁ…ッ!!お嫁さんにっ、なってくれるの?じゃ、オレが十八になったら…結婚しようね…ッ。絶対だよ?」

「すりゅっ。ぜったいすりゅぅ!!!だ、からっ、んひぃッ…これからずっと、中出しエッチ、しなきゃだめなのぉ!!」

 びくびくとオレのものが震える。おかしくなりそうなくらいの幸福感と気持ちよさの中で、オレはラストスパートをかけた。

「ほら…、お望み通りっ、種付けしてあげるよ」

 長くて深いストロークで責めながら子宮の奥に張った先っぽをくっつけて擦ってあげる。震える両手を差し出す美兎ちゃんに応えて、オレはぎゅっと抱きしめた。逃がすことを許さないように腰を脚でホールドされる。こんなことしなくてもちゃんと種付けしてあげるのに。ぐっと腰を押し付けると、精液が駆け上がってくるのを感じた。

「あ、あぁッ!!出すよ…ッ!!孕めっ、オレの赤ちゃん、孕んでッ」

 美兎ちゃんにキスしながら熱い精液を子宮に注ぎ込む。きゅうぅって締め付けて全部絞り出される。二回目なのにさっきよりも長くて、絶頂と言うにふさわしい最高に気持ちいい射精。孕んでほしい。オレの子供産んでほしい。本能的な訴えにもう抗うすべはなかった。全部出し切って、美兎ちゃんの脚が解かされる。

「あっ、まだ、ぬかないでぇ」

「ん……」

 ついばむようにキスをしながら幸せなエッチの余韻を二人で噛み締める。激しい運動でもしたみたいにくたくたで、汗が止まらないけど、心地のいい疲労感が全身に行き渡る。とろんとした顔で幸せそうに微笑む美兎ちゃんの、全てが愛しい。この火照った肌もオレのこと大好きだって訴えかけるような瞳も、何もかもがオレを幸福にするかけがえのないもの。

 しばらくその余韻を楽しんで、萎えかけた性器をずるりと引き抜いた。抜いたところから精液がどろっと溢れて、思わず目を見開いた。終わった後は愛液と精液でぬらぬら光るこれが、美兎ちゃんの中に入っていたなんていつも信じられなくなる。女の子って、神秘だ。美兎ちゃんはお腹をさすりながらオレを見た。

「ね……結婚してくれるの?」

「うん。するよ。その……こんなプロポーズじゃ、信じてもらえないかもしれないけど」

「ううん。信じる」

 その返事にときめいてしまう。嘘つきなオレに、こんな風に信じるって言えるなんて美兎ちゃんはすごく強いと思う。美兎ちゃんが手を差し出したから、体を起こしてあげるとそのまま四つん這いになってオレの下腹部の方に顔を寄せた。

「お掃除してあげる」

「ま、待って……」

「だめ」

 出したばっかりで敏感なそこをなぞられてくすぐったい。カリのところ、丁寧にお掃除されてぞわぞわする。優しく舌を這わせて甲斐甲斐しく掃除する美兎ちゃんを見ていると庇護欲いうか、何か弱いものを守りたい気持ちになってしまう。頭を撫でてあげると嬉しそうに喉の奥で笑った。

丹念なお掃除が終わって、美兎ちゃんは甘えたようにオレに寄り添う。

「ごめんね……小吉の事いっぱい甘やかしてあげるはずだったのに」

「ううん。十分、甘やかしてもらったから」

 結婚したいなんて言ってくれて、その上中出しまで許してくれるなんてこれ以上の甘やかしはないだろう。でも美兎ちゃんは眉根を下げて子犬みたいにしょげかえっている。

「ねぇ、お風呂入ろっか」

「う、うん」

 オレは美兎ちゃんの腕に抱き着いて、言った。

「お風呂でいっぱい甘やかして。ね、美兎ちゃん」

 一回あの心地よさを覚えてしまったら、もう逃げられない。だからその責任は取ってもらわないと。これからもずーっとオレの事甘やかしてよね、将来のお嫁さん。


**

 それからの王馬はまるで別人みたいに甘えるようになった。今は、外ではいつもどおり嘘つきで気まぐれで意地悪なのに、二人きりになると美兎ちゃん美兎ちゃんって従順な犬みたいに寄ってくる、他の奴らが見たら信じられないような生活を送っている。でも、どっちが本物というわけでもなくてどっちも本物の王馬なんだろう。弱い部分をさらけ出して、好きなだけ甘えて、毎晩のように中出しエッチして。そんなことをしていたら勿論すぐに妊娠した。発明さえ続けていれば籍を置いておける希望ヶ峰学園はアタシにとってはありがたかった。王馬は時々海外に行っているけれど、基本的には近くにいてくれる。こんなに幸せな生活が送れるなんて……。

 全部、アタシが思い描いたとおりになった。

 王馬の弱いところを見せてほしいとはずっと思っていた。でも、天邪鬼で気丈な王馬が簡単にそんなところを明かすわけがなくて、どう探ろうか一人で考えあぐねていた。転機が訪れたのはパソコンのメンテナンスをした時。メンテナンスが終わって、動作確認をしている時に悪いとは思いつつも、王馬のやっていることの内情が掴めるんじゃないかっていろんなファイルや画像を漁っていた。そこで見つけたのが、王馬が必死に隠しているのであろう秘密。女に甘やかされながらのセックスが収められた大量の動画ファイル。一つだけなら気にしなかったけど、いくつもある内のほとんどがそんな内容だったから王馬は潜在的に、甘えたい欲求があるのだと確信した。

いつか必ず王馬が本能に負ける瞬間が来ると思いながら、待っていたけど予想以上に早かった。メンテナンスから一週間後、ふざけたようにだっこをねだる王馬のことが最初は信じられなかったけど今はこうしてすべてが信じられる。


 ほら、今日もドアが空く。

 美兎ちゃん、という声がして王馬が子犬みたいに駆け寄ってくる。王馬が十八になるまであと少し。

 一緒に幸せになろうね。将来の旦那さん……。

次へ