絶対幸福宣言B
ツイッターのお題箱
「結婚後の王入」より
紅鮭後 結婚して三年経った王馬と入間の話
・性描写有

これで終わりです



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風呂から上がった王馬は髪を乾かすのもそこそこにバスローブを着て、慌てて寝室まで駆け上がった。扉を開けば、キングサイズのベッドで布団をかぶっている美兎がテーブルランプに照らされている。
「まさか寝てないよね?」
「おせーよ。遅漏すぎても嫌われんだからな!!」
「ごめんごめん。お湯につかるの久しぶりだったからつい……」
ブツブツと文句を言いながらも起き上がって王馬をじっとりとした目つきで睨み付ける。胸元まで掛け布団を引き上げている様子は、どこか初心な少女を思わせて王馬の好奇心をくすぐった。
「ねぇねぇ、見て」
王馬はバスローブを脱いで椅子にかける。なんの変哲もない黒いボクサーパンツを纏っているだけの王馬に美兎は舌打ちをした。
「露出狂の真似か?脳ナシの考えることは理解できねーな。早くこっち来いよ」
違う違うと笑って王馬が後ろを向く。美兎はそこに書かれた文字を読み上げる。
「ウルトラソウル」
真っ白なゴシック体でウルトラソウルとだけ書かれた下着を見て美兎はゲラゲラと笑い始めた。
「だっせー!!なんだよそれ!!」
「いや、なんか売ってた」
「そんなくだらねーもん買ってんじゃねーよ!!」
「これが最先端なんだって」
「絶対嘘だろ!!」
ひぃひぃ言いながら笑う美兎の元に近づきながら王馬はにやにやと笑う。
「どうせ脱ぐし。オシャレだと思って?」
そう言って王馬が布団をめくると美兎は慌てて隠すかのように自分の体を抱きしめた。
「今更何照れて……う、わ。マジ?」
顔を赤らめる美兎が身に着けているものはシースルー素材のキャミソールに似た下着――いわゆるベビードールと呼ばれるものだった。薄桃色のそれは、胸の真ん中からあたりから切れ込みが入り真っ白でやわやわとした腹部が目に入る。
「ちゃんと見せて」
王馬は生唾を飲み込んでベッドに上り、美兎の腕を掴んで体から離させる。胸をくびり出しているようなデザインで、各所にフリルがついている可愛らしいものだった。透けた布が胸の飾りでツンと押し上げられているのがいやらしい。下着も同色でこちらは控えめにフリルがついていた。こんな可愛らしいもので隠された秘部を早く暴いてやりたいと、王馬の欲望が首をもたげた。
「あ、あんまり見ないで」
「なんで?ほら、後ろも見せて?」
恥ずかしがる美兎を四つん這いにさせれば、王馬の欲望は益々加速する。細い腰も、突き出したふくよかな尻もあまりにも煽情的だった。美兎を自分の方に向かせて、耳元に顔を近づける。
「かわいいよ」
その言葉に美兎は小さく頷く。王馬の腕を撫でてキスをねだる彼女に応えて唇を重ねた。互いに貪るように舌を絡ませ合って、その気持ちよさに身を委ねる。同じボディーソープの匂いも興奮を高めるための材料でしかない。王馬が柔らかな腹部を手のひらで優しく撫でれば美兎の体が震えた。指先でくすぐるように肌をなぞり上げて、そのまま形のいい胸を触る。この柔らかい胸も、白く滑らかな四肢も、自分だけのものだと思うと王馬は満たされるような気持ちになった。角度を変えながら口づけを繰り返す内に美兎が王馬のものに触れる。すでに張り詰めたそこを手のひらで撫でまわされ王馬が思わず唇を離すと、美兎が可愛らしく微笑んだ。
「先に、小吉のこと気持ちよくしてあげたい」
「いいの?」
「ん……」
「つまり、美兎がオレのウルトラソウルを羽ばたかせてくれるってことだね……」
みちぎられてーのか」
雰囲気ぶち壊しの発言に美兎が顔をしかめる。そのドスの聞いた声に王馬はおどけた表情を作った。
「まさか、照れてんのか?まぁオレ様のヴィーナスボディーを目の前に平常心でいられる男なんていねーからな!!」
自信満々な美兎に、王馬は顔を赤らめてそうだよと呟く。どこか悔しそうに眉間に皺を寄せながら、美兎の手を掴んで自分の胸に押し付ける。手のひらに伝わる鼓動は速く、美兎はそんな余裕なさげな彼に可愛らしさを感じた。
「いっぱい気持ちよくしてあげるから」
その囁きだけで王馬のものは硬さを増してしまう。王馬は下着を脱いでその場で立ち上がった。見下ろされながら舐めるのが好きだと告白してくれたのはいつだったか。支配的な体勢である上に、身に着けているベビードールによっていやらしさを増していた。少年のような外見に似合わずそれなりに大きな彼のものを見上げて、美兎は王馬の白い内ももにキスを落とす。あたたかい唇の感触が段々と上ってくるにつれて王馬の鼓動は聞こえんばかりに高まる。王馬のものを優しく握りながら頬ずりされて、ぷにぷにとした柔らかさに反応するように脈を打つ。美兎の表情はすっかり発情しきっていて支配欲を刺激した。
嬉しそうに微笑んだ美兎は髪をかきあげながら亀頭にキスを落とす。わざとらしく立てたリップ音が部屋に響いた。そのまま竿から睾丸にかけて優しくキスを降らせ、焦らすようなキスの嵐に王馬の吐息は震えた。美兎はざらついた舌で竿の付け根から裏筋をゆっくりと舐め上げて、先走りがとろとろと溢れている亀頭を咥える。舌で亀頭全体を舐めまわしてカリ首を丹念に刺激した後に、たっぷりと唾液を絡ませながら竿まで咥えこんだ。  
「ん、うぅ。みう……っ、それ、きもちいい……っ」
上ずった声を聞きながら、あたたかい口内の中でぴくぴくと脈打つそれを可愛がるようにゆっくりと頭を動かす。ぐぷぐぷといやらしい音を立てて顎を上下させながら、舌を絡めて敏感なカリ首や裏筋をなぞる。 溢れ出る先走りが唾液と混ざり合って口端から伝った。王馬はいい子だねと美兎の頭を撫でる。口をすぼめるようにして吸い上げながら竿を口から引き抜く。
「ここも好きだろ?」
意地悪く口端を持ち上げて美兎は睾丸を口に含んだ。先ほどとは違う甘い感覚が背筋に走り王馬はのけ反る。弄ぶように唇を動かされる度にくすぐったさと、ゾクゾクとした感覚が混ざり合い王馬を襲う。我慢しようとしても漏れてしまう声は随分と情けなく、王馬は耳を塞ぎたかった。
「あっ、うぅ、やだ……っ。そこは、だめぇ」
不満げに口を離した美兎だったがすぐに楽し気な声で言った。
「わがままだなー。じゃあこっちは?」
亀頭を咥えて舌先で鈴口をなぞる。逃げ場のない口内でぬるぬるとした舌が亀頭全体を撫で、強すぎる刺激に王馬は口を抑えた。必死に声を噛み殺している姿を見て美兎は舌の動きを速める。敏感なそこばかりいじめられて逃げ腰になる王馬を逃がさないようにと美兎は太ももに抱き着いた。
「ひあぁ。もう、だめ、だってばぁ……!!あっ、あっ、先っぽばっかり、やだ……」
そんな言葉に目を細める美兎の姿は王馬の加虐心に火をつけた。攻守交替と言わんばかりに、王馬は彼女の頭を掴んだ。
「も、う……ちゃんと、いい子になって?」
そのまま喉奥まで自分のものを咥えさせる。いきなり一番奥まで満たされて、その苦しさに涙目になりながら嗚咽を漏らす彼女に王馬は微笑んだ。歯を立てないように命じながら頭を揺すって深く長いストロークを強要する。柔らかな頬肉と熱い喉奥に包まれ、生まれるのは強い快楽。
「あー……きもちいい」
息苦しいはずなのに必死に王馬の欲を受け止めようとする彼女のいじらしさも快楽を生み出すスパイスにしかならない。気持ちよさだけでなく、背徳感と支配感に射精を促される。
「あっ、あぁ……っ。みう、もう出る…っ!!」
彼女の頭をしっかりと掴んで喉奥に射精する。熱く、量の多い精液を流し込まれて美兎は苦しそうな声を上げたが王馬は射精が終わるまで離れることを許さない。たっぷり時間をかけて吐精した後に竿を引き抜いて、頬を膨らませている美兎に微笑んだ。
「お口あーんして」
味わうようにぐちゅぐちゅと音を立ててから口を開く。どろりとした白濁が口内を満たしている様子はあまりにも下品で王馬の加虐心をそそった。
「ちゃんとごっくんできるかなー?」
子供をあやすような声に美兎は喉を鳴らしてそれを飲み込む。頭を撫でられ、嬉しそうに王馬を見上げながら彼の太ももをさすった。その熱っぽい視線に王馬は頷き、肩を掴んで押し倒す。今度は彼女の欲望を満たしてあげる番だ。耳元に顔を近づけて囁く。
「気持ちよかったよ」
「ん……うれしい。あっ……」
綺麗な髪をかき分けて耳たぶを舐め、そのまま首筋へとキスを落としながら片手で乳首を弄る。親指と中指で乳輪ごとつまみあげて、ぷっくりとしたそこを人差し指でさすってやると可愛らしい声が聞こえた。王馬は身をよじりながら喘ぐ彼女を愛おしく思う。
「かわいい」
「ふ、あぁ……」
鎖骨に噛みつくようなキスを何度も落として赤い印を残す。胸に、お腹に、ついばむようなキスを落としながら愛撫をした。そのまま上半身を起こして見下ろした美兎の頬は上気していて、とろんとした顔が情欲を煽る。王馬は彼女の胸に手を伸ばして優しく触れた。手に余るほどの大きさの胸は柔らかく、それを堪能するように揉むと美兎は甘えた声を出す。手のひらで乳首を刺激すると美兎の体が跳ね上がった。
「これ、脱がすね」
同意を受けてベビードールを脱がすと真っ白な肌がすっかり露わになる。先ほどつけたキスマークが目だって煽情的だ。綺麗なピンク色の乳首を両手でつまんだり、くりくりと刺激する度に声が漏れてくる。ぎゅっと強く押し潰すとと体を反らせて喜ぶ彼女に王馬はほくそ笑んだ。
「痛いのも気持ちいいねぇ?……そういう風に躾けてあげたもんね」
王馬はもっと快楽を与えてあげたいと、上半身を倒して乳首を口に含む。美兎はひときわ大きな声を出してもっと快楽を欲しがるように胸を突き出した。固くなった乳首を舌で転がし、吸い上げ、時折甘噛みをするように歯を立てる。もう片方の手でも乳首を刺激されて美兎は快楽でとろとろになっていく。
「ひぁっ……!!あっ、ぁあ‥‥んんッ」
彼女の淫らな声を聞き、王馬は先ほど出したばかりなのに再び固くなり始めた自分のものを太ももに押し付ける。もちもちとしたそこに擦り付けるだけで甘い気持ちよさが走った。王馬は乳首を弄っていた手を離し、腹部から太ももへと指を滑らせる。内ももを何度も撫でまわして彼女から可愛らしいおねだりを引き出していく。
「も、ぅ……いじわる、ひ、うぅ…っしないでぇ。はやく、さわってよぉ……」
その言葉を聞いて、下着の上から秘部に触れた。下着を通しても分かるほどに濡れそぼったそこを指でさすり、膨らんだクリトリスを爪でカリカリとひっかく。美兎はその刺激に体を震わせながら嬌声を上げた。
王馬が乳首を責めていた口を離して、もっとほしい?と尋ねると彼女は何度も頷く。太ももから降りて下着を脱がせ、愛液でぐしょぐしょになったそれを彼女に見せつけながら王馬は言った。
「ねぇ、すごいエッチな匂いしてるの分かる?こんなに濡らして恥ずかしくないの?」
「や、だ……言わないでぇ」
「こういうこと言われて嬉しい癖に」
そう言いながら脚を開かせればとろとろと愛液が溢れ出してシーツを濡らしていく。王馬はそこに優しく指を入れた。すんなりと受け入れられた指を奥まで差し入れる。中を指の腹でさするとひくひくと締め付けてくるそこに自分のものが入る想像をし、丹念に愛撫を施す。しばらく刺激を与え続けた後に二本目を入れ、優しく愛撫しながら奥で指を折り曲げると美兎の嬌声が響いた。ここが好きなの?としつこくいじめて、溢れる愛液を潤滑油に指を増やしてかき回す。指を広げたり、抽送を繰り返して自分のものを受け入れてもらえるようにほぐしていった。
「あッ、ねぇ……も、いれて…‥」
「うん。でも、今日は美兎に頑張ってもらおうかな」
「え、なに……」
「上で動いてほしいんだよね」
王馬の言葉に美兎はうぅ、とかあぁ、とか戸惑うような声を上げていたがゆっくりと上体を起こして恥ずかしそうに微笑んだ。王馬が嬉しそうに横たわると美兎は勃ち上がったそこを愛しそうに見つめ、彼を跨いで膝立ちになった。少し前かがみになり、手で王馬のものに触れながら濡れた秘部にぴっとりと押し付けて擦り合わせる。
「んっ……大丈夫?」
「だ、いじょうぶ……」
「ゆっくりで、いいから」
美兎がゆっくりと腰を下ろしうねる肉ひだの感触が王馬のものを包み込んだ。熱くて、ぷちゅぷちゅとした中で擦られて固さを増す。わずか数ミリの隔たりをなくしただけで訪れた段違いな快楽に王馬の体はゾクゾクとした感覚で支配された。
「ふ、うぅ、ああぁ……っ!!」
美兎はぺたんとへたり込んで、自分の中が愛しい彼のもので満たされているのを確認するようにお腹を撫でる。
「ンッ、ひぃ……っ、こきちの、ぜんぶちょうだい?」
そう言って手を王馬の腰につき動き始める。快楽を探るような不規則な前後運動で徐々に気持ちよさを引き出し、どんどん硬さを増していく彼自身を擦り上げる。段々と自分の気持ちいいところに押し付けるような律動へと変わり、美兎はだらしなく声を上げた。彼女の中はまるで別の生き物の様に王馬のものに絡みつき子種を搾り取ろうとする。口からは涎が垂れて、まるで快楽を欲しがる獣のようだった。王馬がそれを指摘してやると彼女は妖艶な笑みを浮かべる。
「アタシ、のぉ……!!は、ずかしい、とこぉっ、あンッ、あぁッ……見てぇ!!」
美兎は脚を広げ、いわゆるM字開脚と呼ばれる状態になって腰を持ち上げた。二人の愛液でぬるついた肉壁が竿もカリ首も亀頭も擦り上げて亀頭が抜けきらないところで止まり、再び腰を下ろして全てを飲み込んでいく。じゅぽじゅぽという恥ずかしい音に合わせて肉ひだがまとわりつく。衝撃的な快楽に王馬は甲高い声で喘いだ。それでも、その浅ましくて下品な姿と目の前でたぷたぷと揺れる大きな胸に王馬はにやつくのをやめられない。
「ひ、うぅっ。みう……かわいい……」
王馬が美兎の腰を掴んで優しく突き上げるときゅんきゅんと中を締め付けた。自分のペースを乱されて彼女の体は弓なりになる。中が何度もひくひくと波打ち、絶頂が近いことを伝えた。
「ふあぁぁっ!!や、ダメ……ッ、イくッ!イっちゃうぅ……」
「くっ、ぁあ……いいよ、イって?」
その言葉と同時に美兎は天を仰いで絶頂を迎える。強く締め付けられるがまだ王馬のものは達することはできなかった。肩で息をしながら王馬に抱き着いて呼吸を整える。王馬は彼女の背中を撫でた。
「ごめんなさい……」
「ううん。気持ちよかったね?」
「……うん」
「頑張ったね。いい子だよ」
「でも、もっといい子になるから……」
その言葉に王馬は微笑み、自分のものを引き抜いて彼女を寝ころばせた。大きく開かせた両脚を肩に乗せて腰を少し浮かせる。濡れそぼった秘部はひくついて王馬を迎え入れようとしていた。しかし、彼は先ほどの行為を経てぱんぱんに張った亀頭を彼女の尖り切ったクリトリスに擦り付ける。
「えっ、やあぁ…っ!!それっ、やだぁ……!!」
「ふふ。敏感なところ擦られてきもちいいよね? は、ぁ……あー、すっごいやらしい」
裏筋のコリコリとした場所で擦られて、敏感な一点に快楽は集中していく。美兎の表情はだらしなく、大きな瞳はうるんでいる。彼女は頭を振り乱しながら襲い来る絶頂から逃げようとするが、王馬は逃げられないようにしっかりと脚を抱えて優しく責めるばかり。
「ほーら、ここ好きでしょー?ねぇ。どこがきもちいいのかオレに教えて?」
「あぁぁっ……!!ん、ひぃぃっ、イッ、あぁ…ッ!クリ、トリス、きもちいいのぉ……!!」
「いい子だねぇ。ほらほら、もうイきそうでしょ?ちゃんと見ててあげるからね」
「あっ、あー、イくぅ…!!」
はしたない顔を王馬に見られながら二度目の絶頂。愛液はとめどなく溢れてシーツに滴り落ちる。彼女は荒い呼吸で王馬の名前を呼びながら、来てという言葉を紡ぐ。王馬は膣口に亀頭を押し付けた。両手を彼女の顔の横に置き、優しく亀頭を差し入れて浅いところをゆっくりと擦る。上ずった喘ぎ声が聞こえる。広がった肉壁の気持ちよさを感じながら少しずつ彼女の中に押し入って、また引き抜いてを繰り返す。そうして一番奥までぴったりとくっつけると、熱く震える彼女の中を征服しているのを実感した。ああ、ここが自分の遺伝子を欲しがっているのだと思うと不思議で、でも愛しくてたまらない。彼女も似たようなことを考えているのだろうか、視線を合わせて優しく微笑んだ。
「みう、ずっと我慢させてごめんね」
首を振る彼女の眼尻には涙が浮かんでいた。これからはきちんと応えてあげたいと、王馬は腰を振る。中の動きを一つ一つ確かめるような緩慢な動き。ねっとりと時間をかけて責めてあげると、美兎はどこか少女的でしおらしい乱れ方をする。引き抜く時に逃がしたくないときゅうきゅうと締め付け、そこをかき分けて奥を突いてあげると聞こえる可愛らしい喘ぎ声。名前を呼んで、甘い言葉を囁くたびにとろけていく表情。彼の一挙一動に反応する様子は心も体も王馬のものだと告げているようだ。高慢で、下品で、賢い反面馬鹿な彼女の暴き方。王馬だけが知っている、彼女の秘密。優しい抽送でも、先ほどから続く快楽で王馬はもう限界だった。
「す、ご……きもちいい……あ、あ、もうイきそ…」
荒い息遣いで肩を震わせる王馬に美兎は言った。
「おねがい、ぎゅってしながら…っ。あッあぁ、イきたいぃ」
「ふ、あぁ!!ひ、ぅ……っ」 
王馬は達しそうになるのを堪えて両脚をゆっくりと降ろし、彼女に覆いかぶさった。その背中に美兎は手を回して強く抱きしめる。王馬は腰の動きを速めて上り詰めてくる快楽を放とうとする。ぱん、ぱんと互いの下腹部がぶつかる音といやらしい水音が響き渡った。
「あ、あ、こきち…っす、きぃ!!ん、うぅぅッ!!すき、しゅき…ッ」
「みう、すきだよぉ…っ!!あッ、あー……、もう、出すよ…っ!!」
美兎が脚を王馬に絡ませて自分の体に押し付ける。びゅくびゅくと震えて吐精するものを、美兎の中が何度も締め付ける。それに合わせて精液が搾り取られていく。最奥に注がれる熱いもの。それは彼女がずっと求めていたものだった。唇を重ねて、舌を絡ませ合って獣のようなキスをする。王馬が長い射精を終えた後、美兎は絡めていた脚を降ろした。唇を離して、どこかあどけない表情をしている王馬に笑いかける
「……すき」
「オレもすきだよ」
「きもちよかった?」
「すごく、きもちよかった」
「アタシも。……うれしい」
「うん。オレもうれしいよ。うれしい。……愛してるよ」
その言葉に二人はもう一度キスをした。


三時も回ろうかという頃、何度目かの営みを終えた二人は気だるい体を引きずってシャワーを浴びた。王馬が美兎の長い髪を乾かしながら、でかい犬みたいと言うと彼女は不服そうに眉をひそめた。
「ねぇ」
「ん?」
「子供ができたら、毎晩絵本を読んであげるの」
「うん」
「昔、お母さんがそうしてくれたから」
「ああ、いいね。……時々聞くけど、キミのお母さんは随分キミのことが好きだったみたいだね。まぁ、それはそうか。親子だし」
「……」
「あ、ごめん。嫌味とかではなくて、その……ごめん」
美兎は後ろを振り向いて王馬の手を叩いた。
「いいよ別に。アタシが、そういうのも全部忘れるくらい甘えさせてあげるから」
その言葉に王馬は目を丸くして、困ったように微笑んだ。
「キミはさぁ。なんていうか本当に馬鹿だよねぇ」
「なっ。この大天才に向かって何を?!」
「馬鹿。馬鹿だよ。本当」
でも、そんなキミを好きになったオレはもっと馬鹿だと心の中で呟く。これからどんどん、馬鹿になっていってしまうのだろうなぁなんてことも考える。
「やりたいことは、いっぱいあるね」
「うん」
「美兎」
「んー?」
「オレはすごく幸せだよ」
「ふふ。アタシも、すごく幸せ」
そう言って笑い合う。ずっと探し求めていた幸福はここにある。そうしてこれからも、時間をかけて育てていくのだと二人は確信していた。
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ずっと欲しかったものがある。それは一生手に入れられないかもしれなくて、すごく怖かった。けれど今それはアタシの手の中にある。左手の薬指に光っている。扉を開けてくれるのを待っている。探していたものをそうしてどんどん手に入れて、今はお腹の中にもあって、時々嘘なんじゃないかと思うけれど、きちんと正しく真実だ。でも、怖い事だってあるのだろう。それでも歩いていく。この人となら大丈夫だって信じながら。

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