土方誕生日祝い

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押し倒された身体は重力には逆らえず逞しい彼の腕に支えられながら床に背を着いた。


「今日は俺の誕生日なんだろ...其なら好きにしても構わねぇな」


妖しく細められた瞳に焦り起き上がれば再度押し倒される事はなく、


「冗談だよ」


と笑った彼はいつもの歳三さんで、私が拍子抜けな顔をすれば態とらしく笑みを滲ませ耳元に唇を寄せて囁いた。


「期待させちまったなら、謝るぜ」


きっ、期待!?

そんなのしてな...くもないかも。


意地悪に囁かれた言葉に俯き下唇を噛みしめせめてもの抵抗で首を左右に振り違うと訴える。


「そうか、残念だな」


少し苛めすぎたか、と思うのに口を突いて出てくるのは千鶴を困らせるような言葉ばかり。


『それって、』


期待して欲しかった?...。


言わせたら本当に止まらないかも知れない。

まだ、その時じゃねぇ事を分かってる俺はこの流れを回避するために千鶴の言葉を渡った。



「なぁ、千鶴一緒に甘いものでも食べて、少し休憩でもするか?」


違和感なく言葉を続けて話をはぐらかし、彼女の持ってきた誕生日ケーキを指差せば嬉しそうに肩を揺らす。


甘いものが好きな千鶴の反応に気を良くした俺は笑いを堪え、


「千鶴、冷蔵庫にあるジュースでも入れとけ」


『ううん...私も珈琲でいい』


私は予め用意したであろうジュースには感謝してテーブルに置いてある彼のマグカップを手に微笑んだ。


『歳三さんのも淹れてくるね』


とてとて台所に小走りに入っていく千鶴。


「ああ、頼む」


聞こえる筈のない声に返事をするのは、ガチャガチャと後ひとつのマグカップを棚から漁る音。


GWだってのに、俺の誕生日に家に訪問してくれんのは恋人であるお前だけだよ...。


ちらりとテーブルに置かれたケーキの箱を開ければ可愛らしいタルトやショートケーキ等が4つ入っていた。


「買いすぎじゃねーか」


多いケーキの数に苦笑しつつ千鶴に心のなかで礼を言う。


来年、俺が誕生日を迎える頃にはお前は高校を卒業する。


俺だってこそこそやり取りする必要はなくなる。


...なぁ、千鶴次の誕生日にゃケーキはいらねぇ...お前が欲しいって言ったら怒るか?...。


end


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☆反省


此処まで読んで下さった千鶴様有難うございます♪
やはり土方さんは色んな意味で大人だと思うんだ...でも狼な土方さんも大好きだよ(´∇`)
次は狼な感じで書きたいネw



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