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ガールズトーク

※オリキャラと下ネタの話になります。
それでも大丈夫な方はどうぞ。


僕は今、カカシ先輩と居酒屋で飲んでいる。
今日はたまたま金曜だし店はガヤガヤと混んでいた。
まぁ忍の僕は曜日とか関係ないけどね。
隣の席とはついたてで区切られていて、立って覗き込んだら隣の人は見えるけど、座っている限りは大丈夫。
そんな感じの席。
そこそこ落ち着けたし、向かい合って特にとりとめもない話をしていた。

「最近、歳とってきて油ものの摂取が更に厳しくなってきました。」
「テンゾウは昔から苦手でしょ?」
「いや、ここ最近ますますです。」
とか、そんなの。

すると、隣の席に新しいお客が通されたようだ。
この声、これは名前!?
先輩も気付いたようで、こんな偶然あるんだねーと。
声かけたら?て、言ってくれたので、お言葉に甘えることに。
ついたて越しに声をかけようと立ち上がりかけたその時だった。

「で、ヤマトさんと結局どうなっているんですか?」

ドキーン!
僕!?

先輩と思わず顔を見合わせた。
立ち上がりかけていた腰を席に戻す。

※ここからは、ヤマトとカカシの小声を()でお送りします。

「どうって……仲いいよ。とりあえず注文しようカナメちゃん。私は梅酒にしようかな。」
「それは知ってます。私はハイボールで。」

カナメちゃん……
名前の口からよく聞く中忍の医療忍者の子だ。
薬剤部の所属でたしか歳は彼女の2つ下。
思ったことをハッキリ言う裏表のない子で長年付き合っている彼がいるらしい。
恋愛においては私よりもずーっと先輩、て、名前が言っていた。
先輩と思わず聞き耳をたてる。

「私この前、朝に見たんですよー。ヤマトさんと病院まで一緒に来てたじゃないですか。」
「うん。まぁ、朝会ってそのまま出勤したよ。送ってくれたの。」

あぁ、この前のね。
最近恒例と化してきた林での朝デートだ。
僕はその日オフだったから、そのまま病院まで彼女を送っていった。

「朝に会って?どうせ前日の夜から会ってたんでしょ。ついに名前さん、腹くくれたんですね!頑張ったじゃないですか!」

すると、先輩は驚いた顔で僕を見た。
(おまえ、ついにヤッたの?まだかと思ってた。)
(…………。)

その問は彼女が答えてくれた。

「ううん、まだよ。」

(やっぱりね。)
ククッと笑っている。
失礼だなぁ。

「早起きして、よく林を一緒に散歩してるの。朝だとお互い時間の都合が合う日も多いし。」

(なに老夫婦みたいな逢瀬してんの?)
ププッと更に笑う先輩。
(健全なデートと呼んで下さい。)
まぁ早朝で人気がないのをいいことに、キスしまくってるから健全とは言い切れないけど。

「じゃあ、結局まだしてないんですか?」
「………してない。カナメちゃんこんなの外でする話じゃないよ。」
「居酒屋でしないで、どこでするんですか?薬剤室でします?」
「それは、よして。」

こ、これは…
今からますます本格的にガールズトークが繰り広げられていくんだよね?
しかも僕を話題に。
そっち系の話で。
聞いてはいけないことの気がするが気になる!
聞き耳を立てながら僕は言った。

(先輩は先に帰ってもらっていいですよ。)
(こんな面白い話、俺が帰ると思う?)
(……ですよね。)

「恋愛はいいやってずっと言ってた名前さんがついに彼氏作って、私すごく嬉しかったんです。でも、ホントに心配。あんまり引き伸ばしてるとヤマトさんに愛想つかされますよ?」
「それは困るな。」
「もしくは浮気されたり。」
「……そんなの嫌だな。」
「男の人にとって、そういう行為は大切なんです。あんまり待たせ過ぎたらヤマトさん可哀想ですよ。」

カナメちゃん、すっごくいい子じゃないか!

「付き合ってどれくらいになりますっけ?」
「この前、半年過ぎたかな。」
「キスはしたんですよね?」
「したよ。」

うん、先月やっとね。

「ふーん。やることちゃんとやってるじゃないですか。でも、もう半年も付き合ってるのに結局はしてないんですよね?じゃあ、もしかしてヤマトさん勃たないとか?」

前言撤回。
カナメちゃん、君は酷い子だ。
先輩はというと、声を圧し殺して身体を震わしている。

(オマエ、ププッそうなの?)
(違います!僕は健康で正常な男子です!)

僕のあらぬ疑いは名前が否定してくれた。

「それは違うと思う。優しい人だから、私の気持ちが整うのをきっと待ってくれてるんじゃないかな。……キスも、そうだったし。」
「それじゃ、やっぱり名前さんが問題なんですね。」
「たぶんそうね。そろそろ先に進むべきだよね。」

うん、僕もいい加減、先に進みたい。
唇を重ねるたびに、どんどん君が欲しくてたまらなくなって、もうここのところ限界。
最近キスは室内ではしないことにしている。
だって止められそうにないんだよ。
きっとそのまま、抵抗されたって襲っちゃう。

彼女は初めてだし、無理強いして嫌われたくない。
それにキスのときも思ったけどさ、独りよがりの行為にしたくないんだ。
二人の心が合わさった時に身体を繋げたい。
好きで好きでたまらないから待ってる。
大事にしたい。

「ヤマトさんのこと、好きなんでしょう?」
「もちろん。大好き。」

大好き!?

(ちょっと…テンゾウ?おまえ、涙目になってんだけど…)
引き気味の先輩。
(いや…だって!…初めて聞いたんです!)

「そういう関係になったら、わざわざ早朝にデートしなくても大好きなヤマトさんと夜から朝までずっと一緒にいられるんですよ?」
「うーん。たしかに。一緒に過ごせる時間が格段に増えるよね。」

そうそう、その通り!

「名前さん、想像してみて下さい。夕飯一緒に食べてバイバイじゃなくて、お風呂お先にどうぞっとか言ってる自分。彼氏とのそういうやり取りって凄く幸せですよ。」
「……そうだなぁ。お風呂も入ってもらったらヘッドギア外してるヤマトさんもっといっぱい見れるかも。」

見たいんだ。知らなかった。

「そうそう。で、髪の毛乾かしてあげたり。」
「それ、やりたい!で、私の髪をヤマトさんに乾かしてもらうの。」
「名前さん、その調子ですよ!楽しそうでしょ?」
「うん!で、時間を気にせずのんびり一緒にテレビみて。」
「そんで、その流れでイチャイチャしといたらいいんですよ。」
「なるほど、そうだな。横に並んでテレビ見て、そんでキスして。」

おお!いい方向に想像が膨らんでいる!
カナメちゃんナイス!

「ヤマトさんに腕枕してもらってみたいかも……。」
「彼氏の腕の中で眠るのってすっごく幸せですよ。」
「それはね憧れるんだけど………キスして腕枕してもらって、そのまま朝ってのはやっぱりないよね?」
「………なんで肝心のセックスとばしてるんですか?」

撃沈だ……。
そんな生殺しってある?

(おまえ苦労してるねぇ。)
肩を落としうなだれた僕を見て先輩は同情の眼差しを投げかけた。
うん、切ない。

「……その、怖くて。でも、私だってこのままじゃ駄目だなぁって思ってるんだよ。」
「いやいや、思ってないでしょ。」
「思ってるよ!…だから、この前ね、その………真剣に考えてみたの。」
「何をですか?」
「ヤマトさんとそういうことしてる自分を。」

ゴクリ。
思わず唾を飲んだ。
ハッと前を見ると真剣に聞き耳をたてる先輩。

(先輩はこれ以上聞かなくていいです!)
とっさに耳を抑えにかかったけど、手を払われてしまった。
(いや、聞かせて!イチャパラ愛読者としてこんな楽しい話ないから!)
(先輩には楽しんでもらわなくていいです!)

ついたてからはみ出ないよう、取っ組み合いをしていると、名前は戸惑いがちに話し出してしまった。
ちょっと待って!
他の男になんて聞かせたくない!

「私、経験ないからあんまりわかんないんだけどさ……ちょっと体温の高くて大きな彼の手が、私の胸を優しく掴んだり、太腿を撫でていって、その……女の人の大事なとこ触られたり……そんでお互い服も全部脱いで、産まれた時の姿になる、そんな感じだよね?」
「まぁ、ノーマルなセックスだとそんな流れでしょうね。」

うわぁぁぁぁ!!!
名前、こんな想像したの!?
あの恥ずかしがり屋でウブな名前が!?
思わず顔に熱が集中していく。

ヤバイ…
感激というか、嬉しいというか
でも、恥ずかしいというか。

(ちょっと、俺、勃っちゃいそうなんだけど?)
(名前で変な想像はよして下さい!)

「そんで、その…そういうことする時って、こう…その…」
「名前さん、モジモジし過ぎでわかんないです。」
「………その、足をさ、大きく開かないといけないわけでしょ?見られるのに凄く抵抗があるというか……」
「まぁ、開かなきゃ挿れられませんよ?」
「………だよね。それに……どのぐらいの大きさのものをあてがわれちゃうわけなのかな?」
「個人差はありますけど、標準的にはこんなもんじゃないですか?」
「こんなに!?」

カナメちゃん……。
いったい、どんなサイズを伝えたの?
こっからじゃわからないよ。

「私、一生処女でいいかも……。」

ボソリと、名前は言った。
…………それは、あんまりじゃないかい?

(オマエ、結構可哀想なやつだね。)
(自分でもそう思います。)

「名前さん、もうもったいぶるような年齢じゃないでしょ。」
「はははは、冗談だよ。」
「はぁ、ホントだか。まぁ、私も初めての時は怖かったし気持ちはわかりますけど。」
「でしょ?」
「でも、好きな人と身体を合わせるって凄く素敵なことですよ。」

カナメちゃん、さっきはごめん。
やっぱり君はイイコだ。

「……わかった、頑張るよ。」

おお!

「まぁ、そのうち。」

あれ?
あんまり頑張る気を感じられないんだけど…。

「はぁ…まずはカタチから入ったらどうですか?下着を新調するとか。」
「なるほど。そうね、私、色気ないのしかもってない、いいかも。」
「じゃあ今から行きましょうよ。まだ商店街の下着屋さん開いてますよ。一緒に選んであげます。」
「今から?今度でいいじゃない。」
「次の機会だと、名前さんもう乗り気じゃなくなってそうですもん。」
「……カナメちゃんは私の事よくわかってるね。」


そこからバタバタと飲み物や料理やらを平らげて、二人は出ていった。

「テンゾウ、まだまだおあずけくらいそうだね。」

カカシ先輩の哀れんだ目が辛い。

「これでも付き合いたてのことを思うと名前はかなり頑張ってるんですよ。まぁ、ここまできたらもうとことん待ちます。」

とは言っても僕の理性もなかなか限界。
僕が本当に狼になる前に早くここまで追いついて。

おしまい