蛞蝓の村
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陣営:制限無し
推奨人数:1人
推奨スキル:注視/幻視、説得/甘言等の話術スキル
時間:3〜5時間程度
GMボーナス:ステータス成長5pt
ダンジョン「克由村」専用のシナリオです。
探索がメインとなるシナリオです。ロストによるクリア失敗や戦闘は基本ありません。
展開が大きく変わってしまうようなことがなければ、
NPCの口調や性格は動かしやすいように変更していただいて構いません。
探索者の行動により、至る結末が変わります。
GMはセッション前にシナリオを読み込み、各ED到達条件を把握しておいてください。
[注意]その存在自体に水が深く関わっている探索者
は、
【道】【村】【川】【森】いずれかのエリアに足を踏み入れた瞬間、
土地そのものから酷く拒絶されているような感覚
を覚えるでしょう。
上記のエリアに入るたび、HPもしくは魔適が2だけ下降
します。
当シナリオ内で水属性魔法
を使用する際、通常の10倍の魔適
が必要となります。
例:【冷衣 SP:10 / 魔適:2 / 水属性】を使いたい → 魔適20が必要となる。
当シナリオ内で水や氷等を出現させるスキル
を使用する際、
通常の10倍の代償
を必要とします。
代償無しで使用できるスキルの場合、
類似する水属性魔法の要魔適*10程度の魔適を必要とします。
魔適無視、もしくは要魔適軽減状態で水属性魔法を取得
していたとしても、
このシナリオ内に限り、使用には魔適が必要
となります。
アイテムそのもの
が
水属性魔法、或いはそれと同効果を発動するタイプ
の場合、
当シナリオ内ではその性能を発揮できない
でしょう。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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いずれかのEDを迎える。
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人口1000名ほどの、どこにでもあるような小さな農村。
都に行く際の通り道にもならないため、この辺りに旅人が来ることは殆どない。
実際シナリオ中、マグスと克由村の住人以外の姿を見ることはないだろう。
村の雰囲気のイメージは白川郷・五箇山の合掌造り集落みたいな感じです。
現在干ばつに見舞われており、人身御供を出す程度には追い詰められている。
そろそろ食料も尽きてしまいそうだ。
また、何故かこの村とその土地は水を嫌っている。
そういう性質、もっと正確に言うならば、呪いのようなものだ。
克由村で水属性魔法を使おうとすると、通常の10倍の魔適が必要となる。
この【水を嫌う】性質は土に染み付いており、もはやこの地の一部となっている。
そのため、非常に強力な浄化や解呪を施さない限り消し去ることはできない。
ちょっとしたアイテムやスキル程度では、影響を与えることすらできないだろう。
また浄化、あるいは解呪を施すならば、
一部の土にだけではなく、全ての土地に対して一度に施さなければならない。
(具体的に示すならば、【道】【村】【川】【森】の4エリア全て)
一部のみに行ったとしても、
すぐに他の土から【水を嫌う】性質が伝染し、元に戻ってしまう。
ちなみに体の9割近くが水である蛞蝓やその近縁種であるカタツムリなども、
この村では一匹たりとも姿を見かけることはない。
どうやら命に関わるレベルでとても過ごしにくい場所らしい。
土地の性質故、大昔はなかなか食物が育たず、村の規模も今よりさらに小さかった。
しかし迷い込んだ一匹の蛞蝓(=マグス)を神の分身と捉え、村の守り神として祀って以降、
以前より比較的雨も降るようになり、唯一の水源となる川も生まれた。
このことは、
「雨の降らない村を哀れに思った神様が蛞蝓の姿で現れ、村の守り神になってくれた」
という風に言い伝えられている。
村人のほとんどは、この村に水をもたらしてくれるマグスを慕い、心から信仰している。
克由村の守り神として祀られている神。その正体は一匹の大蛞蝓である。
もともとはただの蛞蝓だったのだが、村人に神格化されたことにより本当に神となった。
遠い昔、その蛞蝓はうっかり克由村に迷い込んでしまった。
本来はこの地の性質のため、なすすべもなく衰弱死してしまうところだったが
村人に発見され、神格化されたことで一命を取り留める。
雨と共に現れ出るのが常な生き物である蛞蝓は、
乾いたその地にて、雨を降らす神となることを期待された。
そしてその通りになったその神は、命の恩人である村人とその子孫に感謝し、
今日も雨を降らす神───雨具す神(あまぐすかみ)として、克由村を守っている。
まぁ、名前は時代を経るうち訛ったようだがそこのあたりはどうでもいいのだ。
この神は、好き好んでこの相性の悪い土地に居座っている。
ちなみにマグスは村に対しての恩義と、神としての義務感を強く感じている。
なので、たとえ娘がどれだけ懇願したとしても、
代わりの人身御供が用意されない限り娘の逃亡を見逃すことはしないだろう。
性格は真面目で、冗談は決して口にしない。
だが、本来は無関係な探索者をこの村の問題に巻き込んでしまうことを気にかけたり、
死への恐怖に逃げ出した娘の心境に理解を示しはしたりする程度には、優しい。
特段好んで人を喰っているわけではないが、
かといって人を喰らうこと自体への抵抗があるわけでもないようだ。
なので庇護対象である村人を、贄として喰うことに大した感情は抱いていない。
必要だから、喰らうだけ。喰らわねば雨を呼べないから、喰らうだけ。
ちなみに雌雄同体なため、男でもあり女でもある。
また、蛞蝓なため塩が苦手。
「そっっっ…………………そのっ、物体を我に近づけるな!!!!」
花嫁、もとい、神への人身御供。
結婚適齢期(14歳前後)かつ村一番美人な女の子が選ばれる。
選ばれたその娘は、上等な生地で作られた白無垢を着せられ、
箱に入れられた状態で、マグスの社の前まで連れてこられる。
そしてマグスの訪れを待つ習わしだ。
ちなみにこの花嫁の条件は別にマグスが指定したわけでなく
ただ通例に沿っただけである。
人ひとりが持つほどのエネルギーを喰らい、その身に取り込むことが重要なので
糧としての人身御供は男でも女でも、若い者でも老人でも、それこそ人でなくても構わない。
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目が、覚める。
あなたは今、真っ暗でやや窮屈な場所にいる。
……感触的に、この壁や床は植物で編まれたものだろうか。
というかここ、どこかの部屋の中にいるというよりも【箱の中に入っている】状態なのでは?
そう考えるあなたの頭上から、光が差し込む。
見上げれば、箱の蓋を手にした長髪の人物と目が合った。
───その額には、一対の角が生えている。
長髪の人物は目を見張り、そうして、呟くように言う。
「……どういうことだ」
⇒【5.マグスの頼み】へ。
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周囲を見てみれば、今いる場所───つまり箱の置かれている場所が、
小さな社の正面、石畳の道の上であることがわかる。
社と、その正面の空間を囲むような形で森が広がっている。
長髪の人物は、手にしていた箱の蓋を一旦脇に置いた。
「汝、まれびとであると見受けるが、何故この箱に入っている」
一人称:我
二人称:汝
備 考
・古風で、断定的かつやや偉そうな喋り方をする。
・探索者のことを「まれびと」と呼ぶ。
・異なる処からの来訪者として、探索者のことはそれなりに尊重している。
※探索者が【まれびと】について聞けば以下のように答える。
「まれびととは、此処とは異なる処より来た者を指す。
一見して、此方の者とは異なる気配を感じたが、如何か」
探索者が箱の中に入っている経緯を答えても答えなくても、次のように話を続けるだろう。
「まれびとよ、白い着物の娘を見なかっただろうか。この箱に入っている筈なのだが」
「その娘は我が花嫁───贄としてこの場に捧げられた女である」
探索者が「知らない」と返せば、マグスは次のように話を続ける。
「……」あなたの答えを聞き、眉間にぐ、としわを寄せた。
「……まれびとよ、一つ、話を聞いてくれるか」
曰く、自分はこの近くの村で眞具須神──「マグス様」と呼ばれ、信仰されている神であり、
また、目の前にあるこの社の主でもあると。
現在、この地は干ばつに襲われており、
とうとう唯一の水源である川まで干上がってしまった。
故に神、つまり自分に雨を降らせてもらう為、
人身御供として農村の娘が捧げられた……筈、なのだが、
娘が入っているはずの箱には、あなたしかいなかったという。
「奇妙なことと思われるかもしれないが、我はこの地と相性が悪い。
この地は水を嫌っているんだ。だから元々、雨も殆ど降らない地だった」
「この《神》の身であっても、人を糧に、力を増幅させなければ雨を呼ぶことができない。
───そもそも我があまり、強い神ではないことも一因ではあるのだが」
「故に、我はこの社の空間から離れれば満足に動くことすらできなくなる」
「……そこでまれびとよ。不躾であることを承知の上で、汝に頼みがある」
「このような状況で、わざわざ我を謀るような真似を村人がするとは思えない。
ということはおそらく、花嫁が自らの意思で逃げ出したのだろう。
まれびとよ、……どうか娘を探し出し、再び此処に連れてきてはもらえないだろうか」
マグスは【2回】まで重ねて「そこをなんとか」と探索者に頼むでしょう。
しかし、3回目の断りの言葉を聞いたら、これはもうだめだろうと諦めます。
ここで探索者に要求を飲み込ませることを努力するより、
村から新たな人身御供が届けられるのを待っていたほうが早いと判断したからです。
「………そうか。そこまで断るならば仕方がない。無理を言って済まなかった」
そして、行く当ても泊まる場所もないであろう探索者に、
マグスは「社を寝床として使ってもいい」と申し出ます。
探索者がこの申し出を受けても受けなくても、
RPがひと段落したら翌日に時間を移行させ、「ED8」を発生させてください。
⇒詳細は【11.結末】の「ED7」を参照。
◆探索者が了承した場合
探索者が頼みを了承してくれたならば、マグスはほ、とした顔を見せる。
「……済まないな」
「女子(おなご)の足でそう遠くにいけるとも思えん。おそらく、まだこの辺りにいる筈だ」
「娘の顔は我も知らぬ。だが、白い着物を着ており、歳は……おそらく十四つほどだろう」
⇒探索者が花嫁探しを開始するなら【7.道】へ。
以下の情報は、適切な場面だと思ったら出してもらって構いません。
「……この身は、元は一匹の蛞蝓である。
其方の世界には、蛞蝓はいるだろうか。うねうねと身をうねらせ歩む小さな生き物だ」
「……遠い昔、我は誤ってこの地に迷い込んでしまった。
先ほど説明した通り、この地は水を嫌っている。蛞蝓の身では過ごすのが難しいほどに。
もはやこれまでかと思った其の時、…村人に拾い上げられた」
「当時の村人は、この地では珍しい、突然現れた蛞蝓を神の現し身だと捉えた」
「そうして其の蛞蝓を村の守り神として信仰し始めたのだ。
……雨と共に現れるのが常である、其の生き物が。
乾いたこの地に雨を連れてきてくれるだろうと」
「我は感謝している。あの時、潰える筈だった命をここまで伸ばしてくれた村に、村人に」
「だからこそ、我は捧げられた贄を喰らおう。喰らい、この地に雨をもたらそう」
◆何故娘が逃げたことに今まで気づかなかったかについて◆
「情けない話だが、今まで社の中で眠っていた」
「この干ばつは、人もそうであろうが我にとってもあまり心地の良いものではない。
………雨を降らすため、使える力はできるだけ削らずにいたいと思い、
あまり動かずに済むよう過ごしていたらこの様だ」
「……汝には迷惑をかける。済まない」
◆花嫁(贄)について◆
「贄となるのは、誰でも良い。娘でも、老人でも」
「思考し、生きるモノであるならば、誰であろうと充分に贄足り得る」
◎skill情報--------
◆現在地について◆
※【6.社】のskill情報を参照
◆長髪の人物(マグス)について◆
「注視」→ 長髪の人物
艶やかな黒髪は、身に纏っている着物と同様地面に引きずるほどの長さをしている。
顔立ちは整っており、男か女かいまいち判別がつけられない。
上背は男性にしては低く、女性にしては高いといったところだ。
其の額からは、やわらかそうな一対の角が生えている。
「幻視」→ 長髪の人物
艶やかな黒髪は、身に纏っている着物と同様地面に引きずるほどの長さをしている。
顔立ちは整っており、男か女かいまいち判別がつけられない。
上背は男性にしては低く、女性にしては高いといったところだ。
其の額からは、やわらかそうな一対の角が生えている。
…、……一瞬、ぬるりとした大蛞蝓の姿が見えたような気が、する。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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森に囲まれた、小さな社だ。
定期的に手入れされているのか、こじんまりとしていながらも整っている印象を受ける。
どうやら小山の頂上にあるようで、石段が麓とここを行き来できる唯一の通路である。
マグスはここから出ることはないため、
探索者が社に戻ってきたならば、いつでも顔を合わせることができるだろう。
もしこの社を破壊しようとした場合、当然マグスは止めにかかる。
どのようなタイミングであれマグスを殺害した場合、
マグスによる加護がなくなるため、この地から水が一気に拒絶される。
枯れゆく世界の中、探索者は拠点近くの森へ強制送還されるだろう。
⇒詳細は【11.結末】の「ED6」を参照。
ちなみに社を破壊したところで、シナリオストーリー上意味は全くない。
社は単なる家のようなものなので、
破壊されたところでマグスが死ぬわけでもなければ、
マグスがこの地から解放されるわけでもない。
そもそもマグスはなんらかの力でこの地に縛られているのではなく、
好き好んでこの地に居座っているのだから。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→ 社
こじんまりとした大きさの社だ。
木材の色合いや傷の付き具合が、建てられて数百年ほど経ったものなのだろうと思わせる。
「注視/幻視」→ 周辺
社の周囲には森が広がっている。……なんだかどの樹もあまり元気がないように見える。
また、石畳の道の先には鳥居が立っており、
鳥居の向こう側では、石段が下へ伸びているのがわかるだろう。
「注視/幻視」→ 土
特筆する点の見当たらない、普通の土だ。
[※GM情報]
ここはマグスの社、すなわちマグスのテリトリーなため、
この地全体に染み付いている【水を嫌う】性質は除去されています。
マグスが社でならば問題なく過ごせるのもこのためです。
ただし、社の中で水属性魔法を使用したとしても、
社の外にまではその影響を及ぼすことができないでしょう。
例えば社で【スコール】を使用した場合、社の領域内だけ雨が降っている状態となります。
「聞き耳」→ 周辺
とても静かだ。…いやに静かすぎる気もする。
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[注意]
その存在自体に水が深く関わっている探索者
は、
このエリアに足を踏み入れた瞬間、
土地そのものから酷く拒絶されているような感覚
を覚えるだろう。
HPもしくは魔適が2だけ下降
する。
当シナリオ内で水属性魔法
を使用する際、通常の10倍の魔適が必要
となる。
当シナリオ内で水や氷等を出現させるスキル
を使用する際、
通常の10倍の代償
が必要となる。
⇒詳細は【0.はじめに】を参照。
---
社のある場所から鳥居をくぐり、石段を降りて、森に挟まれた道を進む。
………やがて道が二つに分かれているところに辿り着く。
⇒右の道に行くのなら【8.村】へ。
⇒左の道に行くのなら【9.川】へ。
[※GM情報]
探索者がこの周辺を注視/幻視しないまま村と川の両方を見終わったら、
またこの分かれ道に戻って来た時、雑草が踏み倒された跡に気づかせてください。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→ 道、周辺
土を踏みならし、出来上がったような道が左右どちらにも伸びている。
………おや。
どちらの道からも外れた位置、雑草が踏み倒された跡が森の中へ続いている。
⇒雑草が踏み倒された跡を辿るのなら【10.森】へ。
「幻視」→ 土
具体的な原因まではわからないが、何故かこの村の土地は水を嫌っていることが感じ取れる。
そういう性質、もっと正確に言うならば、呪いのようなもののように思える。
[※GM情報]
この【水を嫌う】性質は土に染み付き、もはやこの地の一部となっています。
非常に強力な浄化や解呪を施さない限り消し去ることはできません。
⇒詳細は【2.用語や舞台】の「克由村」を参照。
「聞き耳」→ 周辺
静かだ。人が来る気配もない。
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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[注意]
その存在自体に水が深く関わっている探索者
は、
このエリアに足を踏み入れた瞬間、
土地そのものから酷く拒絶されているような感覚
を覚えるだろう。
HPもしくは魔適が2だけ下降
する。
当シナリオ内で水属性魔法
を使用する際、通常の10倍の魔適が必要
となる。
当シナリオ内で水や氷等を出現させるスキル
を使用する際、
通常の10倍の代償
が必要となる。
⇒詳細は【0.はじめに】を参照。
---
右の道を進むと……村落に辿り着く。
村の面積の大部分を占める畑は全て枯れており、収穫は見込めないことが一目でわかる。
表にある人影は、家の前、木箱に座り、社のある小山の方面を眺めている老人一人のみだ。
ちなみにこの村は、克由村(かつゆむら)という。
村の老人に話しかければ、
世間話の中で「マグス様」のことや、花嫁のことなどを聞くことができるだろう。
ちなみに他の村人は皆、家の中にいる。
干ばつのせいで食料が乏しいため、できるだけ体力を消耗しないようにしているが故である。
※動かしやすいように名前や一人称等変えても構いません。
名 前:源之助
一人称:儂
二人称:お前さん
ただし、もしこの老人含む他の村人に、花嫁が逃亡したことを漏らしたならば、
その村人はそのことを村中に知らせて回る。
村人は皆マグスの祟りを、何より、この干ばつが解決されないことを恐れているためだ。
村人達は総出で彼方此方を探し………森の中でうずくまっている花嫁を見つけるだろう。
再び逃げ出すことがないよう、村人は彼女を縄で縛り、改めてマグスに捧げる。
⇒詳細は【11.結末】の「ED2」を参照。
以下の情報は、適切な場面だと思ったら出してもらって構いません。
動かしやすいよう口調を改変しても構いませんし、
なんなら、シナリオから逸れなければ以下の情報に沿わない返答をしても大丈夫です。
◆村について◆
「この村は克由村っつぅんだ。見ての通りちっせぇ農村だよ」
◆干ばつについて◆
「川が干上がっちまうぐらいには、長い間雨が降ってなくてね
今朝方、マグス様に花嫁を捧げたからもうすぐ大丈夫になるとは思うんだが…」
◆花嫁について◆
「ああ。一番の別嬪になぁ、花嫁衣装着せて、箱に入れて運ぶんだ」
「別嬪の方が嬉しいだろ? 人間も神様もそこはおんなじだ」
「そりゃお前さん、別嬪ってのは誰が見ても変わんねぇもんだろ?
それに嫁に出るのにいい頃合いの娘というのも、こんなちっさい村じゃ少なくてなぁ」
◆マグス様について◆
「マグス様は《眞具須神》つってな、この村守ってくださる神様だ」
「儂が生まれるよりずーっとずーーーーっと昔からこの村守ってくれてる有難い神様だ」
「だからずーーっとずーーーーっと大事に祀ってかなきゃなんねぇ」
「儂らが大事にしてたら、マグス様もこの村ずっと守ってくれるだろ」
「大昔はなァ、今よりもっと雨が降らなかったらしい。
そんでよ、ある日哀れに思った神様がな、蛞蝓の姿でここに現れてくださってな
村の守り神になってくれたんだとさ」
「それ以来、前よりは雨が降るようになって、あっこの川もできたって話だ」
「あの川はな、この村唯一の水源だよ」
「儂のじいさまの話じゃ、
マグス様はもとは雨具す神(あまぐすかみ)って呼ばれてたけどよ、
時代が流れるうちに訛って「眞具須神」になったんだと」
◎skill情報--------
「注視/幻視」→ 家、周囲
民家は全て正三角形に近い輪郭をした茅葺き屋根の、所謂合掌造りの家屋だ。
どの家も作られてから結構な年数が経っていることが伺える。
他の村人たちは皆、家の中でおとなしく過ごしているようだ。
「注視/幻視」→ 老人
日焼けした肌の老人だ。毛髪はすっかり白に染まりきっている。
身に纏っている擦り切れた着物から、その暮らしの貧しさをうかがわせる。
「幻視」→ 土
具体的な原因まではわからないが、何故かこの村の土地は水を嫌っていることが感じ取れる。
そういう性質、もっと正確に言うならば、呪いのようなもののように思える。
[※GM情報]
この【水を嫌う】性質は土に染み付き、もはやこの地の一部となっています。
非常に強力な浄化や解呪を施さない限り消し去ることはできません。
⇒詳細は【2.用語や舞台】の「克由村」を参照。
「聞き耳」
静かなものだ。子どもの騒ぎ声ひとつ聞こえない。
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[注意]
その存在自体に水が深く関わっている探索者
は、
このエリアに足を踏み入れた瞬間、
土地そのものから酷く拒絶されているような感覚
を覚えるだろう。
HPもしくは魔適が2だけ下降
する。
当シナリオ内で水属性魔法
を使用する際、通常の10倍の魔適が必要
となる。
当シナリオ内で水や氷等を出現させるスキル
を使用する際、
通常の10倍の代償
が必要となる。
⇒詳細は【0.はじめに】を参照。
---
左の道を進むと……すっかり干上がった川に辿り着く。
本来「川底」と呼ぶべき場所で剥き出しになっている土はすっかり乾燥しきっており、
ともすれば通路かなにかかと勘違いしてしまいそうになるかもしれない。
人の気配も、水の気配も、全くない。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→ 川、周囲
ここにはあなた以外の人影はなさそうだ。
それどころか、すっかり干上がってしまっている川ぐらいしか見るべきところもない。
川底は草すら生えていない有様であり、
土をつまめば、容易くボロリと崩れ落ちてしまうだろう。
「幻視」→ 土
具体的な原因まではわからないが、何故かこの村の土地は水を嫌っていることが感じ取れる。
そういう性質、もっと正確に言うならば、呪いのようなもののように思える。
[※GM情報]
この【水を嫌う】性質は土に染み付き、もはやこの地の一部となっています。
非常に強力な浄化や解呪を施さない限り消し去ることはできません。
⇒詳細は【2.用語や舞台】の「克由村」を参照。
「聞き耳」
静かだ。生き物の気配がこの周辺で感じられない。
時折、遠くからカラスの鳴き声くらいは聞こえるかもしれない。
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[注意]
その存在自体に水が深く関わっている探索者
は、
このエリアに足を踏み入れた瞬間、
土地そのものから酷く拒絶されているような感覚
を覚えるだろう。
HPもしくは魔適が2だけ下降
する。
当シナリオ内で水属性魔法
を使用する際、通常の10倍の魔適が必要
となる。
当シナリオ内で水や氷等を出現させるスキル
を使用する際、
通常の10倍の代償
が必要となる。
⇒詳細は【0.はじめに】を参照。
---
踏み倒された草を目印に森を進めば……
やがて、白い着物を着た娘がうずくまっているのを発見する。
知識がある者は、その着物が所謂白無垢であることに気づいていい。
おそらく、彼女が例の花嫁───贄なのだろう。
娘は探索者がやってきたことに気づくと目を見開き、青ざめる。
そして……「お許しください!!」と土下座した。
何事かと探索者が尋ねれば、娘は震える声で話し始めるだろう。
※娘の名前や口調は動かしやすいよう変えてしまっても構いません。
特に名前が思いつかないならば「おこと」と名乗らせてください。
「私は朝方マグス様に捧げられた花嫁───人身御供でございます」
「ですが、……箱の中、マグス様をお待ちしているうち、わたし、」
「こ、こわく、なって」
「村のため、花嫁としてマグス様の元に行くのはとても大事な役目というのに、
ま、マグス様のための、贄とっ、な、なることが…
今更になって、とても、とても恐ろしくなってしまいました」
「そのとき、」
「すぐ傍でどさりと、音がして、何事かと、思わず箱の蓋を開け見てみれば
あなた様が私の隣で眠っておられました」
「マグス様が、私を許し、代わりの人をお与えくださったと思って、私は、」
「私は……箱より出て、社から逃げ出しました」
「………ですがこのまま村に戻っても、役目を放棄したと思われることに気づき、
それに、……もしやあなた様は、
私の怯える心が作り出した幻覚だったのかもしれないと、思えてきて、
そ、そうだとしたら、村は、村は助かりません…っ」
「そう考えると足がすくみ、…ここでずっと、動けずにおりました」
「………あなた様がいらっしゃったということは、
マグス様は…おっ、お怒りなのでしょうか…?」
「逃げた私を早く連れ戻せと、怒っていらっしゃるのでしょうか………っ」
マグスは人を喰らい、力を増幅させなければ雨を降らせることができない。
しかし、その【糧】となる花嫁の彼女は自らの死に怯えるのと同時に、
村が助からない未来を思い、震えている───。
この場を動かすことができるのは、良くも悪くもまれびと…余所者であるあなただけだ。
ちなみに、
娘は説得でもされない限り、森から移動することはない。
探索者が一時的に森を離れたとしても、
再びこの場所に戻って来た時、変わらず座り込んでいる娘の姿を目にするだろう。
[※GM情報]
娘は「死にたくない」「自分のわがままで村を見捨てることはできない」の
どちらの気持ちも同じくらいに抱いており、
探索者の言葉(説得/甘言ロールの成功)、もしくは行動によってそれらの気持ちの大きさは変化します。
干ばつを解決する手段として、考えられるのは以下の3つです。
@娘を説得し、マグスのもとへ向かうよう促す。
A娘にはこのまま逃げるよう説得し、代わりに村人をマグスに捧げる。
B娘にはこのまま逃げるよう説得し、代わりに自分の身をマグスに捧げる。
Cなんらかの手段でマグスの力(魔適)を増幅させる。
@〜Bいずれかの手段を取る場合、娘に適切な説得/甘言ロールをする必要があるでしょう。
Aの方法を取る場合はもしかすると代わりに犠牲になる村人本人、
あるいはマグスにも適切な説得/甘言ロールをすることになるかもしれません。
もし判定に失敗したとしたとしても、
ロールを重ねることで再び判定を許可してあげるか、
ロール内容を見てGMが適していると思ったEDに誘導してください。
勿論、上記に無い手段で事態の解決を試みても構いません。
解決しようとしなくても構いません。
どのような手段をとったかによって、至る結末は変わるでしょう。
⇒【11.結末】へ。
◎skill情報--------
「注視/幻視」→ 周囲
鬱蒼とした森だ。……なんだかどの樹もあまり元気がないように見える。
奥が見通せないほどに樹々が立ち並んでおり、無計画に進めば戻れなくなってしまいそうだ。
歩けば、すっかり乾燥している落ち葉が足元でサクサクと音を立てるだろう。
「幻視」→ 土
具体的な原因まではわからないが、何故かこの村の土地は水を嫌っていることが感じ取れる。
そういう性質、もっと正確に言うならば、呪いのようなもののように思える。
[※GM情報]
この【水を嫌う】性質は土に染み付き、もはやこの地の一部となっています。
非常に強力な浄化や解呪を施さない限り消し去ることはできません。
⇒詳細は【2.用語や舞台】の「克由村」を参照。
「注視/幻視」→ 娘
どこか憔悴している様子だ。歳は14歳前後のように思える。
纏っている白い着物は、少し土に汚れてはいるものの上質な生地を使っていることがわかる。
「聞き耳」
時折、カラスの声が聞こえて来る以外は静かなものだ。
人の気配は、娘のもの以外感じ取れない。
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当シナリオの希少報酬は、
@PLが初めて当シナリオをプレイした状態の探索者のなかで、そのEDに最初に到達した。
上記の条件をクリアした探索者が入手できるものとなっております。
報酬開示の際はその点にご注意ください。
新EDが開拓された場合シナリオ作成者にお知らせください。
新たなEDに合わせた報酬を作成いたします。
▼クリア報酬
「人」あるいは「乾き」の記憶
▼マグスに祟られた場合
「
雨具す神の祟り」
(※当シナリオクリア後、1回でも別のセッションに行ったなら必ず【消費済み】と記載してください)
▼希少報酬
「
其の者えやみのかみにつき」
▼クリア報酬
「雨」の記憶
また、このEDに限り、希少報酬獲得条件に以下の条件が加えられます。
A【社】【道】【村】【川】【森】全てのエリアを訪れている。
B娘と対面した。
▼希少報酬(※取得済)
「
其の者まれびとにつき」
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