蛞蝓の村_結末
※展開によってはED開拓もあるかもしれません。GM裁量にお任せいたします。
(困ったら遠慮なくシナリオ作成者をお呼びつけ下さい)
マグスの元へ戻るよう娘を説得できた場合に至る結末です。
説得/甘言ロールに成功したならば、娘は、未だ震えは見えつつも、
先ほどよりはしっかりした声でマグスの元に戻る決意を語るでしょう。
(※このあたりのRPはお任せいたします。)
娘とともに社に戻れば、社の前に立つマグスの姿を目にすることだろう。
あなたと共にやって来た娘をしかと認めた後、マグスはあなたへ顔を向ける。
「礼を言おう、まれびとよ。頼みを確かにこなしてくれたこと、このマグスが見届けた」
そして、今度は娘の方へ顔を向ける。
「……娘よ」
「若き身空でその命散らすこと、恐れるのも無理はない」
「だが許せ、…いや、許さなくてもいい。どちらでも構わない」
「我はその昔、返し方のわからぬほどの大恩を、村人たちから受け取った」
「だから我はお前を喰らおう。お前を喰らって、雨を呼ぼう。
それこそが、この地でできる神としての行動だ」
娘は、「はい」と返した後、小さな歩幅で自ら社の方へ……マグスの元へと歩いていく。
マグスは向かってくる娘を見つめている。
娘はやがて、マグスの前に辿り着く。
マグスは娘へ手を差し出す。
娘はそっと、その手の上に自らの手を重ねる。
マグスは娘の手を引き、社の中へと導いた。
娘はただ大人しく、マグスと共に社の中へと消えていった。
※この時社の中を覗き見れば、
大蛞蝓に変化したマグスが娘を生きたまま食べているところを目撃するでしょう。
………やがて、ぽつり、雫があなたの頬を叩く。
ぽつり、ぽつり、落ちてきて、次第にそれは量と激しさを増していった。
雨が、降っている。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。
克由村の村人に、花嫁が逃げたことを教えた場合至る結末です。
探索者が村人に花嫁逃亡の件を教えたならば、RPをひと段落させてもらった後、
そのままイベントによる自動進行で「ED2」を迎えさせてください。
探索者から、花嫁が逃げたことを聞いた村人はピタリと止まる。
「……なんだと?」「それは本当か」
村人はすぐさま周囲の家々へ、「花嫁が逃げたらしい」という情報を伝えて回る。
やがて家の中から老若男女問わず、村人が顔を出すだろう。
逃げたって、本当か? デマじゃないのか、本当だったらえらいこっちゃ
そのような内容の言葉が幾重にも聞こえて来る。
彼らはあっという間に捜索隊を組み、村や社の周囲を探し始めた。
その手際の鮮やかさは、村一団となって作物を作る農村故の結束力か、
それとも、干ばつによる限界を迎えた人間の生存本能故か。
やがて…………「見つけたぞーーー!」
「どこだ!」「森ン中だ!」「縄もってこい縄!」「こんのばかモンが」
「マグス様に」「ああ、早く嫁入りさせろ!雨どころか祟られちゃたまんねぇ!」
きつく縄で縛られた白無垢姿の娘は、
もう二度と逃げられぬよう村人たちに抱えられる形で、マグスの社へ運ばれて行く。
村人たちの後をついて探索者もまた社に向かえば、
捕縛された娘を前に、静かな目をしたマグスの姿を見るだろう。
マグスは、口を開く。
「……安心せよ。我は怒りなど抱いておらぬ。
我が花嫁は確かに我の元に届けられた。皆のもの、ここまでの労苦、大義である」
マグスの言葉を聞き、村人たちから安堵の息がこぼれた。
それを見てからマグスは娘を抱え、そのまま社へと消えていく。
※この時社の中を覗き見れば、
大蛞蝓に変化したマグスが娘を生きたまま食べているところを目撃するでしょう。
………やがて、ぽつり、雫があなたの頬を叩く。
ぽつり、ぽつり、落ちてきて、次第にそれは量と激しさを増していった。
雨が、降っている。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。
娘を逃し、代わりに他の村人を人身御供にすることを選んだ場合に至る結末です。
適切な説得/甘言ロールに成功したならば、
娘はやがて、救いを見るような目で探索者を見つめてきます。
(※このあたりのRPはお任せいたします。)
ちなみにこのルートになった場合、
娘はここから幾日か歩いた場所にある里へ行ってみようと考えます。
話の流れに応じ、そのことを口にしてもいいでしょう。
探索者は村に行き、代わりの人身御供となる村人を調達するでしょう。
この時気絶させるなり捕縛するなり、
力づくで村人を調達するならば、
ただの農民である村人は
あっさりと捕まえることができます。
真正面から「代わりの人身御供となってほしい」と頼んだ場合、
その村人に説得/甘言ロールをする必要が出て来るでしょう。
この時ロール内容に関わらず、説得/甘言の期待値を-10してください。
ロール内容によるボーナスで、このペナルティを軽減しても構いません。
成功したならば、その村人は代わりの人身御供となることを了承します。
失敗したならば、その村人は花嫁が逃げたことを村中に知らせて回ります。
⇒この時、探索者が森から娘を逃していない
ならば「ED2」
へ。
探索者が既に説得/甘言ロールの行使によって娘を逃している場合、
村人総出で捜索しても彼女は見つかりません。
⇒探索者が新たな人身御供を調達することを諦める
ならば「ED8」
へ。
⇒探索者が自分を新たな人身御供とする
ことを選ぶならば「ED4」
へ。
⇒諦めず、
村人から新たな人身御供を調達することを選び
、
かつ新たな人身御供とする村人への説得/甘言ロールに
成功
したならば
下記へ。
村人と共に、道を戻り、石段を登って。
鳥居をくぐれば、社の前に立つマグスの姿を目にすることだろう。
如何したか、とマグスは尋ねてくる。
探索者が、代わりにこの村人を人身御供にするといという旨を伝えれば、
マグスは探索者をやや厳しい目で見る。
曰く、糧となるのは誰でもいいのは確かだが、
本来は人身御供でない者を喰らうというのも、妙な話になってしまう、と。
村人本人が了承しているならば、マグスから言うことはなにもありません。
マグスは「…汝がそれで良いのならば」とその村人を社の中に招き入れるでしょう。
村人本人が納得していないならば、マグスはその村人を喰おうとはしません。
その村人で間に合わせるより、
正式に贄として任命されている花嫁を喰らうべきだと考えているからです。
適宜、説得/甘言ロールでマグス、もしくは村人を言いくるめる必要が出てくるでしょう。
マグスに対し判定を成功させたならば、マグスはその村人を糧とすることに納得します。
村人に対し判定を成功させたならば、村人は人身御供となることを了承するため、
《人身御供になることに村人本人が納得している場合》と同様に、
マグスは「…汝がそれで良いのならば」とその人物を社の中に招き入れるでしょう。
新たな人身御供となる村人と共に、マグスは社の中へ消える。
カタ、と。戸が閉められた。
※この時社の中を覗き見れば、
大蛞蝓に変化したマグスが村人を生きたまま食べているところを目撃するでしょう。
………やがて、ぽつり、雫があなたの頬を叩く。
ぽつり、ぽつり、落ちてきて、次第にそれは量と激しさを増していった。
雨が、降っている。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。
娘を逃し、代わりに自分が人身御供になることを選んだ場合に至る結末です。
適切な説得/甘言ロールに成功したならば、
娘はやがて、救いを見るような目で探索者を見つめてきます。
(※このあたりのRPはお任せいたします。)
ちなみにこのルートになった場合、
娘はここから幾日か歩いた場所にある里へ行ってみようと考えます。
話の流れに応じ、そのことを口にしてもいいでしょう。
娘と別れ。道を戻り、石段を登って。
鳥居をくぐれば、社の前に立つマグスの姿を目にすることだろう。
如何したか、とマグスは尋ねてくる。
探索者が、代わりに自分が人身御供になる旨を伝えれば、
暫しの沈黙の後、マグスは探索者を厳しい目で見てくる。
「………何を言っているのかわかっているのか、まれびとよ」
「喰らうとは、文字通りの意味であるぞ」
「此処は汝にとって、偶然立ち寄った場所に過ぎぬであろう。
あの娘は汝にとって、行き摩りで関わった存在に過ぎぬであろう。
そんな場所の為、娘のため、己が命を捧げると本気で申しているのか」
だが、探索者が本気であることを感じれば、その申し出を受ける。
「………其の覚悟、このマグスが確かに受け取った」
「なればそれごと、我は汝を喰らおう。汝を喰らい、雨を呼ぼう」
「目を閉じるも、其の最期まで開いたままにしておくも、好きにするがいい」
※目を開いていても閉じていても、描写が変化するだけで報酬の種類に影響はありません。
《目を開けていた場合》
マグスはあなたの肩に手を置いた…と思えば、その身を大蛞蝓へと変える。
ぐわりと開けられた口の中、ぎっしりと並ぶやすりのような歯がよく見えることだろう。
そして、
《目を閉じていた場合》
目を閉じれば、その真っ暗闇な視界にふさわしい静けさがあなたを包む。
ぬらり、なにかが触ったような気がするが、その正体は確かめようがなかった。
そして、
(以降、同じ)
・
・
・
───遠くで雨音が聞こえる。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。
探索者がマグスに人ひとりが持つほどのエネルギーを与える術を持っており、
かつそれをマグスに使用した場合至る結末です。
力、あるいは魔適を増幅させるスキルやアイテムをマグスに使用する、
エネルギーの詰まった何かをマグスに食べさせる…等、方法は複数あるでしょう。
力、あるいは魔適を増幅させる方法をとった場合、
1ptでも上昇すれば「必要なエネルギーを得た」扱いにして構いません。
※ちなみに現在の村の周辺で動物の姿を見ることはありません。
また、ただの小動物を数匹喰らった程度では糧として全然足りないでしょう。
探索者が力を増幅させる術を持っていることを申し出れば、
マグスは驚いた後、探索者にそれを自分に使って欲しいと頼んできます。
マグスは、真剣な顔であなたに頼んでくる。
「まれびとよ、どうかそれを使わせてはもらえないか。
さすれば……もしや。娘を喰わずとも、雨を呼べるかもしれない」
探索者が断れば、マグスは【2回】まで重ねて「そこをなんとか」と頼むでしょう。
しかし、3回目の断りの言葉を聞いたら諦めます。
この場合、探索者がこのまま干ばつの解決に協力しないようだったらED8に移行して下さい。
この時、探索者が交渉すれば
マグスは自分の身や村の安全、村人全員の生命等が脅かされない程度の頼みなら
対価として聞いてくれます。
ただし、今ここで探索者に力を増幅してもらわずとも、
このまま雨が降らなければ明日以降に追加の人身御供がよこされる可能性が高いと
考えているので、そこまで大きな要求は飲みません。
できれば今すぐにでも雨を呼びたいと思っているのは確かですが、
ここで探索者に協力してもらわなければ絶対に雨を呼べないというわけではないのです。
そのあたりのバランスを考えて、交渉を受けてください。
了承の返事を聞くと、マグスは安堵の表情を浮かべた。
探索者が力を増幅してやれば、マグスの長い長い黒髪は、ますます濡れたような艶を増す。
マグスは口を開く。
凛とした声が、乾いた空間を切り裂く。
「来たれ」
「来たれ」
「我が纏いし衣よ来たれ」
「我が具したるものども来たれ」
「我が神名は雨具す神」
「故に」
「我棲まうなら、雨来たるが必定なり」
………ぽつり、雫があなたの頬を叩く。
ぽつり、ぽつり、落ちてきて、次第にそれは量と激しさを増していった。
雨が、降っている。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。
マグスを殺害した場合至る結末です。
直前に如何なることをしたとしても、マグスを殺害した時点で自動的にこの結末に至ります。
事前に殺害宣言でもしない限り、マグスは不意打ちで殺すことが可能です。
元いち蛞蝓に戦闘能力を期待してはいけない。
ただし、魔法攻撃でもなんでもない普通の火をマグスにつけたならば、
火はするすると小さくなり、マグスを害することなく消えていくでしょう。
マグスはこの地における水(雨)の象徴なので、ただの火に対しては強いです。
(火属性魔法の場合はダメージが通ります)
また、この土地の性質や干ばつの影響で弱っているため、
1ptでもダメージを負えばマグスは死にます。
「ぁ、」
マグスは目を、見開き。どさりとその場に倒れ臥す。
長い黒髪が地面に散らばる。
そしてマグスは、天に向かって震える手を伸ばし、
ぱしゃり
水の塊と化したその手は、否、その体は、そんな音を立てて地面に叩きつけられた。
マグスであった大きな水溜りは、みるみるうちに地面へ吸い込まれて行く…が、
どうしてだろうか、地面が潤った様子はない。
それどころか、ますます乾いているように見える。
ちり、と、乾燥した空気があなたの頬をさわる。
樹々は葉を落とし、草木はへにゃりと頭を垂れ、
あ
ぁ、
あぁ、あ、あ
なにもかもが萎びていく、枯れていく、かゆい、
かゆい、急に喉が渇いて、かわき、
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……なんだか妙に喉が渇いている。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
───ああ、はやく、水が欲しい。
村を襲撃した場合に至る結末です。ダイスの結果によって、その終わり方は変化します。
探索者が村を襲撃した場合、
当然ながら村人たちはただ黙って殺されようとしません。
GMは
探索者が村人に反撃されないまま村の壊滅を達成できたかを
シークレットダイスで判定してください。
なんらかの目的で、探索者が途中で破壊活動をやめる場合も同様です。
このシークレットダイスの結果によって、ED描写を変化させてください。
村をどのような手段で襲撃したかによって、その期待値は変わるでしょう。
下限は1、
上限は判定無し(自動成功)となります。
[期待値参考]
1d100<=5 素手や小型の武器、小威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=10 戦闘に慣れた探索者が素手や小型の武器、小規模の魔法等を用いて襲撃
1d100<=15 戦闘に秀でた探索者が素手や小型の武器、小規模の魔法等を用いて襲撃
1d100<=30 中型の武器や中威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=35 戦闘に慣れた探索者が中型の武器や中威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=40 戦闘に秀でた探索者が中型の武器や中威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=50 大型の武器や高威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=55 戦闘に慣れた探索者が大型の武器や高威力の魔法等を用いて襲撃
1d100<=60 戦闘に秀でた探索者が大型の武器や高威力の魔法等を用いて襲撃
自動成功 天星をはじめとする大型の全体攻撃魔法等、
辺り一帯を一気に攻撃できる手段を用いて襲撃
あなたは見事、村を壊滅させることに成功する。
その時、背後から声が聞こえた。
「……どういうことだ」
振り返れば、そこには目を見開くマグスがいた。
その顔色の悪さは、村の惨状によるものか、それともこの地の性質に苦しめられている故か。
肩で大きく息をしている状態のマグスは、怒りで大きく顔を歪ませた。
「うぬは……ッ、うぬは、よくもこのようなことを…!!」
「我はうぬを決して許さぬ」
「我が膝下を穢したその罪、その行い」
「此の雨具す神の名にかけて、我が祟りから逃れられると思うな、まれびとよ!」
呪詛を孕んだ神の声があなたに降り注ぐ。
ちり、と、乾燥した空気があなたの頬をさわる。
全ての水はあなたから遠ざかり、
あ
ぁ、
あぁ、あ、あ
萎びていく、枯れていく、かゆい、かゆい、急に喉が渇いて、
かわき、
その時、背後から衝撃を受ける。
「舐めンなよ!!」
あなたを鍬で殴りつけたのは、鬼気迫る顔をした若者だった。
「今だ!」「オイ行け!俺が押さえてってから!!」
「男はみんなこい!!」「ふざけやがって!」「今ならいける!」
痛みにふらついたあなたへ、そんな声と鍬が、鉈が、鋤が、熊手が次々と降ってくる。
あなたを取り囲む村人達は、手にした農具をあなたへ次々と振り下ろす。
どれだけ声をあげもがいてもその雨は止まず
やがて、
(以降、同じ)
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……なんだか妙に喉が渇いている。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
───ああ、はやく、水が欲しい。
マグスの花嫁探しの依頼を受けなかった、他EDが発生しない方法で探索者が死亡した、
娘を逃した上で、代わりの人身御供を用意しなかった等、
(結果的に)干ばつの解決に協力しないことを選んだ場合に至る結末です。
ちなみに娘を逃した上で「娘は見つからなかった」とマグスに伝えた場合、
マグスは「……そうか」と返すでしょう。
このまま雨が降らなければ明日以降に追加の人身御供がよこされる可能性が高く、
たとえこのまま娘が逃げおおせたとしても、
糧を得る機会を永遠に失ったわけではないと考えているからです。
「見つからぬものは、もう仕方がない。頼みを引き受けてくれたこと、改めて感謝する」
そして、行く当ても泊まる場所もないであろう探索者に、
マグスは社を寝床として使ってもいいと申し出ます。
探索者がこの申し出を受けても受けなくても、
RPがひと段落したら翌日に時間を移行させてください。
………翌日。
雨が降らなかったことにより、村から新たに一人、追加の人身御供が社へ届けられた。
今度の花嫁は、きちんと箱の中でマグスの到来を待っていたらしく、
マグスは箱の中にいた彼女を社の中に招き入れた。
そして、
・
・
・
………やがて、ぽつり、雫が地面を叩く。
ぽつり、ぽつり、落ちてきて、次第にそれは量と激しさを増していった。
雨が、降っている。
・
・
・
ふと、気がつく。
あなたは森の中にいる。はて、どうしてここにいるのだったか。
……どこかで激しい雨音を、聞いていたような。
周囲を見回せば、案外近くに拠点が見えるだろう。
その背景に広がるのは、鉛色の空。
───ああ、もうすぐ雨が降りそうだ。