BrokenClown
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陣営:制限無し
推奨人数:1人
推奨スキル: 軽い探索スキル、話術系スキル、攻撃_系スキル、物を直す手段 、鍵開け
準推奨スキル:天啓
時間:6〜8時間程度
GMボーナス:ステータス成長8pt
ダンジョン「狭間の書庫」専用のシナリオです。
戦闘はありません。
クリア失敗は基本的にありません。
各部屋のクリア具合によって報酬が変化するため、
GMを希望する方はシナリオをよく読み込んでください。
◎制限時間なし。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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3人の「影」に会った状態で青年・かたりと会話をする。
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どの世界にも属さない、世界と世界の狭間の一部。
青年/かたりが住まう場所でもある。
「白の空間」と「黒の空間」から成り立っているらしいが詳細は不明。
空間内描写はシナリオ内項目5と9を参照。
とある「物語」の一部を青年/かたりが切り取って作った不思議な空間。
あくまで物語の一部であるため、この空間のアイテムは基本的に持ち出せない。
強い意思のもとに持ち出せば実体化するかもしれない。
(単純なフレーバー入手には使えませんが、
思い入れがあるRPをしたものなら持ちだしてもいいでしょう。)
全知無能の人外。普段は金髪緑目、身長175pの男性体の姿をとる。
命の定義を持たないため、危害を加えても死なない。
なお、かたりから危害を加える力は基本的には無い。
全知とはいえ、その知識を探索者に授けることは無いだろう。
その他の詳細はNPC詳細を参考。
このシナリオでは三人の影が現れる。
彼らはとある人物の「物語」を元に「願いの世界」に産み出されたもの。
けっして本人では無く、彼らは断片的な物語しか有さない。
そのため、問いかけに対して答えようとしても
「思い出せない(その部分を有していない)」こともあるだろう。
性別は不明瞭で、声音も男女どちらともつかない。
ただし、影のサイズはそれぞれバラバラのようだ。
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青年/かたりがGarden世界に落とした本を回収する際に巻き込まれ、
狭間の書庫に飛ばされた探索者は、
かたりが探索者を元のGarden世界に帰す準備をしている間、
かたりの「手伝い」をすることになります。
「手伝い」とはかたりの作った「願いの世界」にて3つの願いを叶えること。
その手伝いを果たしても果たさなくてもシナリオは進行します。
全ての手伝いを終えると、かたりは探索者を元のGarden世界に帰します。
シナリオクリアです。
基本的にシナリオ側ではPCが死亡するような事態は起きませんが、
途中で死亡した場合はロストとなりクリア失敗になります。
【「願いの世界」の流れ把握】
願いの世界は全部で3つの空間を渡り歩く形になります。
各空間には「影」が1人ずつ配置されており、
その「影」の願いを叶えることで次の空間に飛ばされます。
探索者が願いを叶えることを拒否した場合は青年/かたりから
『それが君の選択』『それもまた答え』と発言させ、
次の空間に飛ばしてください。
【特殊クリアについて】
「願いの世界」にはそれぞれ通常クリアと特殊クリアが存在します。
基本的には通常クリア2種、特殊クリア1種になっており、
特殊クリアの場合のみ、影が本来の人物の姿に変わったうえで消えます。
もしも新たなクリア方法が開拓されるようであれば、
Dollであれば「狂気に捕らわれず、兄を傷つけない」方向で、
Clownであれば「自殺をしない/死なない」方向で、
Marionetteであれば「流されず、自分の意思で進む」方向で、
それぞれ「願い」を叶えていれば特殊クリアとしてカウントし、
描写しても構いません。
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昼下がり、夏を思わせる陽射しの中。
探索者は森を探索中に一冊の本を見つける。
本を手に取る、中身を見る、本を手に取らずともじっと見る、無視をする等、
何かしらの行動を取ると声が聞こえてくる。
『ああ、そこに落ちてた』
声が聞こえたと同時に探索者はふいに白い光に包まれる。
体がふわ、と浮いた感覚。そして森の景色は光に阻まれ遠のき――
⇒【5.白の空間】へ
※声の主は青年/かたり。
本を白の空間に移動させる際に探索者を巻き込んだ。
探索者は運が悪かったのです、きっと。
また、夏の陽射しはかたりの影響下にいることを示します。
冬の時期だろうとこの導入では「夏の陽射し」です。
◎skill情報--------
[注視/幻視]⇒(本)
茶色いハードカバーの分厚い本。
金色で蔦のような模様が書かれている。
表紙や背表紙にタイトルは書かれていない。
中身を見ても真っ白なページばかりである。
[幻視]1ページ目に「箱庭の世界」とだけうっすら書かれているのが見える。
他のページはやはり真っ白である。
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探索者は気がつくとこの空間にいる。
辺りは真っ白な「空間」。
壁や床などはなく、探索者はその空間に浮いている状態である。
真っ白な空間には無数の本棚が物理法則を無視して存在している。
斜めに、さかさまに、上に下に。どこが地面なのか分からないような空間だ。
所々、本が空中に浮いている様も見受けられる。
空間内は泳ぐように移動することができる。
代わりに、歩くことは困難だ。
探索者がしばらく混乱・動揺をしたり探索したりしていると、導入で見たあの本が探索者の視界を横切る。
本はふよふよと飛んでいったかと思うと、いつの間にか現れた青年(かたり)の手の内に収まる。
「無くしたかと思った。よかったよかった」
その声音は導入で聞いた声とそっくりそのまま、同じである。
しばらくすれば青年は探索者に気づき、不思議そうに首を傾げる。
「……、あれ?」
「驚いた。お客人がいるとは思わなかった。……巻き込んじゃった?」
探索者は青年に会話を持ちかけるだろう。
質問をされたなら青年は基本的には素直に答える。
特にこの空間や世界についてならすんなり答えるだろう。
ただし余りにも彼の知識に頼るような質問には答えなくなる。
「かたりは知らない」と笑って答えましょう。
「ここ? ここはかたりの住処」
「かたり、ここの管理者」
「かたりは、かたり」
「ここは物語の保管庫」
「ありとあらゆる"物語"がここにはある」
「それは書物、あるいは世界」
「君が生きる人生もまた、"物語"足り得る」
「君の世界について?」
「この本たちのどこかにきっとある」「探してみる? きっと見つからない」
「かたりは手を貸さない。それは自分で取り戻していくものだってルールで定められている」
※本たちの中には「探索者の元の世界の物語」の本もあるかもしませんが、
無尽蔵の本からそれを見つけ出すのは困難で、見つかることはないでしょう。
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しばらく会話をして一段落つく、あるいは探索者が会話を行わなかった場合、青年は次のように言葉を紡ぐ。
「でも、どこから巻き込んだ?」うーん、と悩むように手に持つ本を開く。
そして1ページ目をなぞって、「ああ、あそこか」と納得したらしい。
「どうしよう、あそこに帰すの、かたりだと時間がかかる」
「うーん……そうだ」
「お客人、かたりに少しだけ手を貸してほしい。その間にかたりは君を帰す準備をする」
「一石二鳥。どう?」
探索者が青年の言葉に頷けば、青年は満足そうに笑う。
「やってほしいことはとても簡単」「君ならきっと大丈夫」
青年の言葉を断った場合、青年はにこりと笑って
「かたりはもう決めた」と答える。断っても探索者は巻き込まれます。
すると、青年は手に持っていた本を開く。
青年/かたりが本に手をかざすと、表紙にタイトルが浮かび上がります。
本の中身は真っ白なページだったはずが、
その真っ白なページにもじわじわと文字が浮かび上がる。
本のタイトルを、あなたは不思議と、読むことができた。――『泡沫人』、と。
「それじゃあ行こう。物語を切ってつなげて、可能性の模索。
人の願いは千差万別、ときに矛盾した思いもあれば、複数の願いを持つこともある。
そんな彼らの願いを叶えること、君に任せた、“○○”」
※○○には探索者の本名をフルネーム(不明な場合はキャラシの名前)で記述してください。
青年がその言葉を話した瞬間、探索者は眩しい白の光に包まれる。
そして探索者は一度、意識を失うことになる。
失うときに青年の声が聞こえる。
『願いを叶えるとその部屋はオシマイ。よく考えて行動、これ鉄則』
⇒【6.Dollの世界】へ
台詞は流れに応じて適正変えてください。
[聞き耳/周囲を窺う]⇒(白の空間)
非常に静かで生き物の気配がない。
寒くも暑くもない。
[注視/見る]⇒(本棚/本)
何の変鉄もない木製の本棚とハードカバーの本だ。
文庫サイズのものや雑誌のような系統は無い。
ジャンルは様々だが、どうやら物語が描かれた小説本が多いようだ。
言語は多種多様であり、探索者の元の世界の言語(造語含む)のものもある。
白の空間においては「探索者が知りうる言語」のみを読むことができる。
[注視/幻視/見る]⇒(青年)
まさに“突然”現れた青年。
鮮やかな金髪にエメラルドのような緑目。
未成年の男性のようだが定かではない。
[幻視]彼が人間ではない存在だと分かる。
[精神分析]⇒(青年)
本を取り戻せたことへの安堵と、客人(探索者)に対する驚きが見える。
悪意などの負の感情はいっさい感じない。
[(行動)]⇒任意の本を手にしたままでいる/本が気になる素振りをする
青年が登場した後でも探索者が何かしらの本を手にしている場合、
「君、本好き?」
「よかったらあげる。お詫び」
「大丈夫、1冊くらい減っても怒られない」
と青年から発言する。
このとき、持ち帰ろうという意思があるかどうかは問わない。
※探索者が望む場合は本を1冊までなら持って帰っても構いません。
2冊以上を望むと「2冊以上はかたりが困る。ごまかせない」と言って止めましょう。
それでも持ってこうとしたらあの本で殴っても問題ないです。(ただしダメージは0)
なお持って行こうとする場合は多少なら承認してもいいでしょう。
本はフレーバー〜効果中程度までなら入手可能です。
[(行動)]⇒本や本棚を傷つけようとする
本や本棚はその姿のまま、変化しません。
破ろうとすれば紙は金属のように固くなり、
燃やそうとしても火がそのうちに消えます。
青年が「"物語"は君じゃ書き換えれない」
と零すかもしれません。
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気がつくと、探索者はベッドの上に適当に横たわっている。
視界に入るのはどこかの部屋の天井。さきほどまでの空間とは別の場所のようだ。
周囲に気を向ければ、ソファに座る黒い"影"が視界に止まる。
探索者が影を認識すると同時、影は小さくつぶやいた。
「兄さん……どこに、いるの……」
※影の願いは「兄に会いたい」です。
影との会話はNPC詳細を参考に。
【Dollの世界クリア条件】
@影を殺す。
A影に「兄」の人形を渡す。
※どちらかを満たした瞬間にクリアとなります。
【特殊クリア条件】
B「兄」「弟」の二種類の人形を、両方修理された状態でまとめて影に渡す。
※修理されていない場合、「兄」のみを受け取ろうとし、「弟」を拒絶します。
「兄」のみ渡した場合は通常クリアAになります。
【クリア時描写例】
以下は各クリアごとの描写一例になります。
このままでも、ここから会話などを足してもいいでしょう。
探索者が望むなら対話の時間を設けても構いません。
特にクリアBであれば猶予はあるでしょう。
ぐらり、影が傾く。
影はひとつ嬉しそうな笑い声をこぼして、どこともなくつぶやいた。
「ああ、そっか……兄さんは、そっちにいるんだ……兄さん、会えるか、なあ……」
最期に小さく、ありがとう、そう言ったような気がした。
気が付くと影は、霧散するようにその場から消えていた。
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あなたから渡された人形を抱きしめ、影は笑みをこぼした。
「ふふ、僕の兄さん、僕だけの兄さん。よかった、ここにいた、ずっと一緒だよ」
嬉しそうに、幸せそうに、どこか夢見心地の声音で。
やがて、影はその姿を薄れさせ、その場から姿を消し、
支えを失った人形が、ぽとりと地に落ちた。
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あなたから渡されたふたつの人形を抱きしめ、影が笑う。
「……ふふ、本当に僕たちみたい……こんな風に、一緒に居たかった、それだけなのになあ」
ゆらり、影の姿がゆらぐ。
結われた茶色の髪、翡翠の瞳、白い衣装に身をつつんだ少年が、そこにいた。
「ありがとう」
影だった少年が、どこか悲しそうに、だけど嬉しそうに、微笑んだ。
やがて彼の体は白い光に包まれていき、ふたつの人形と共に消えた。
※専用の立ち絵があるので、よければお使いください。
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影が消えたあと、探索者は強烈な眠気に襲われ、その場に倒れるように眠ることになる。
意識が途絶える直前、青年/かたりの声を聞くだろう。
青年のセリフだが、どのクリア条件を満たしたかによって台詞が異なる。
台詞そのものは改変してもよい。
@A『Dollの願いは叶えられた』
B『Dollの願い、ただ共に在りたかった。その願いは叶えられた』
⇒【7.Clownの世界】へ
[注視/見る]⇒(周囲)
身を起こして周囲を確認すると、
本棚、棚、クローゼット、乱雑に散らばったおもちゃとおもちゃ箱。
そして、部屋の中央に赤いソファとローテーブルが目につく。
赤いソファには黒い影が座っている。
照明が天井にあるものの、光は弱く薄暗い。
そして、この部屋に扉や窓は存在しない。
外に出ることは出来ないようだ。
[注視/幻視/見る]⇒(影)
黒い靄を人型に固めたような形状で、性別などは不明瞭。
ソファに座り、うつむいているように見える。
[幻視]今にも消えそうな影だが、触れることはできそうだ。
[精神分析/様子を尋ねられたら]⇒(影)
何かにおびえるようにして、身を小さくしている。
※影なので基本的に表情(目)は分かりません。
ただし、影の動作・台詞・声音からある程度の情報を出すことが可能です。
詳しい内容・会話例はNPC詳細の「Doll/ユウト」の欄を参考。
[注視/見る]⇒(ベッド)
ふかふか。
質のよい、高級そうなベッド。大人用サイズ。
シングルベッドだと思われるが少し大きめ。
[注視/幻視/見る]⇒(本棚)
読みこまれた本が乱雑におさまっている。絵本が多い。
その中で、ぼろぼろのノートのようなものが見つかる。日記だ。
[注視/読む]⇒(日記)
ほとんどの文字が不自然に滲んでいて読めない。
とあるページに、唯一まともに読める文字がある。
「兄さんは僕のものだ。
誰にも渡さない、誰にも傷つけさせない。」
「なんでこんなことになっちゃったんだろう」
「ごめんなさい兄さん、
傷つけてしまってごめんなさい」
[注視/見る]⇒(棚)
日用品がごちゃまぜに置かれている。
何か道具が必要になったときにここを探せば見つかりそうだ。
(人形発見後)人形の修理に使えそうな裁縫セット(針や糸、布)がある。
[注視/見る]⇒(クローゼット)
何の変哲もないクローゼット。ちょっと豪華な装飾がついている。木製。
(中)白い貴族服がかけられている。影の物だろうか。
[注視]クローゼットの奥に別の服がしまわれていることに気付く。
引っ張り出すとそれは黒い貴族服だった。新品のようだ。
[注視/見る]⇒(白い貴族服)
それなりに使いこまれているように感じる。
[注視/見る]⇒(おもちゃ箱)
中身はとても少ない。幼児用のおもちゃが適当に詰め込まれている。
やたらと人形が多い。ほぼすべてが球体関節人形のようだが、壊れているものばかりだ。
奥の方にひとつタイプの違う人形がある。
[注視/見る]⇒(おもちゃ箱の奥の人形)
ところどころ綿が飛び出している。
茶色の髪と緑の目がフェルトとビーズで表現された、
黒い道化帽と黒い服に身を包んだ人形だ。
[注視]刃物のようなもので切り裂かれた跡がある。
※(GM情報)これが「兄」の人形である。
[注視/見る]⇒(床に散らばるおもちゃ)
その存在を忘れられたかのように床に散らばっている。
[注視]その中に、ひとつの人形が落ちているのが気に留まる。
人形はぱっと見でも分かる程度にぼろぼろだ。
※おもちゃを片づけるなど、明らかに人形に気づくだろう行動をした場合は
情報を開示しても問題ありません。
[注視/見る]⇒(落ちていた人形)
ずたずたに切り裂かれて綿が飛び出している。
茶色の髪と緑の目がフェルトとビーズで表現された、
白いマントと白い服に身を包んだ人形だ。
[注視]切り裂かれた跡は複数あり、古いものから新しいものまである。
※(GM情報)これが「弟」の人形である。
[(行動)]⇒人形を修理する
※(GM情報)
[制作_工作]や[ヒーリング]での修復が可能です。
探索者が道具を探しているようであれば「棚」に誘導してください。
[注視/見る]⇒(ローテーブル)
マカロンと、二人分の紅茶が置いてある。
紅茶はすっかり冷めてしまっている。
[注視/見る]⇒(赤いソファ)
影が真ん中に座っている、豪華なソファ。
とてもふかふか。
[注視]影が座っている周りの部分がところどころ切り裂かれていることが分かる。
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気がつくと、探索者は冷たい床の上に適当に横たわっている。
ひんやりとしたそれはどうやら石でできているようだ。
目を開けば石の壁と床、そして、鉄格子が目にはいるだろう。
しばらく何もしない、あるいは行動しようとすれば、どこか(影)から声がかけられる。
「やあ、新しい監視の人かな?」
声がした方向を見れば、鉄格子の中にいる影を目にするだろう。
※影の願いは「消えたい/解放されたい」です。
影との会話はNPC詳細を参考に。
【Clownの世界クリア条件】
@影を殺す。
A影に自殺させる。
※どちらかを満たした瞬間にクリアとなります。
※影の拘束を解けば自動的に影は自殺します。道具を与える必要はありません。
自殺しようとしているのを妨害することは可能です。(特殊クリアのため)
しかしただ止めただけでは、影は隙をついて自殺をしようとするでしょう。
【特殊クリア条件】
B影を[説得]もしくは[甘言]し、思い止まらせる。
※願いを「消えたい/解放されたい」から「生きたい/解放されたい」に変える必要があります。
生きることを促す内容であれば基本的にはプラスの補正値を与え、
適した内容であれば自動成功させても構いません。
場合によってはマイナスの補正値を与えても大丈夫です。
[説得/甘言]そのものの回数制限はありません。
探索者のRPによっては自殺に向かってもよいでしょう。その場合はクリアAになります。
【クリア時描写例】
以下は各クリアごとの描写一例になります。
このままでも、ここから会話などを足してもいいでしょう。
探索者が望むなら対話の時間を設けても構いません。
特にクリアBであれば猶予はあるでしょう。
影の体がずるりと崩れるように落ちる。
影は可笑しそうに、嬉しそうに、笑った。
「ふふ、ありがとう……これでもう、何かの枷になることも、ない、や……」
最期に小さく、ありがとう、そう言ったような気がした。
気が付くと影は、霧散するようにその場から消えていた。
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「ありがとう。これでようやく――消えることができる」
影は自分の首に手をかけたまま、やがて、どこからともなく生み出された黒い炎に包まれ、
禍々しいほどの黒が消えたと同時、……影は、忽然と消えていた。
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あなたの言葉を受けて、飲み込み、理解して、影はどこか悲しげに笑う。
「駄目だなぁ……ちゃんと消えようと、思ってたのに」
「僕はまだ、存在しても許されるの」
ゆらり、影の姿がゆらぐ。
茶色の髪、緑の瞳、ぼろぼろの衣服に身をつつんだ少年が、そこにいた。
「まだ手遅れじゃないのなら」「もう少し、頑張ってみようかな」
影だった少年の笑みは変わらず悲しげで、だけど何かを吹っ切ったように微笑んだ。
「ありがとう」
やがて彼の体は白い光に包まれていき、消えた。
※専用の立ち絵があるので、よければお使いください。
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影が消えたあと、探索者は強烈な眠気に襲われ、その場に倒れるように眠ることになる。
意識が途絶える直前、青年/かたりの声を聞くだろう。
青年のセリフだが、どのクリア条件を満たしたかによって台詞が異なる。
台詞そのものは改変してもよい。
@A『Clownの願いは叶えられた』
B『Clownの願い、ただ生きたかった。その願いは叶えられた』
⇒【8.Marionetteの世界】へ
[注視/見る]⇒(周囲)※階段を除く
身を起こして周囲を確認すると、冷たい石の壁と鉄格子が目に入る。
視界の端に階段も確認できるだろう。
鉄格子の檻の中には黒い影が座っている。
また、鉄格子のそば、探索者側にひとつの鍵がかかっている。
[注視/見る]⇒(階段)
階段の先には壁があり、出られないようになっている。
先程の"部屋"と同じく、やはり出口はないようだ。
[注視/幻視/見る]⇒(鍵)
銀色の鍵がひとつぶら下がっている。
[幻視]鍵から魔法に類した力を感じる。
※(GM情報)影の手枷の鍵になります。
[注視/見る]⇒ (鉄格子/檻)
黒い鉄の檻。出入口に当たる部分には鍵穴があり、閉ざされているようだ。
※(銀色の鍵を使おうとする場合)鍵穴は銀色の鍵より大きく、使えなさそうだ。
[鍵開け]⇒ (檻の鍵穴)
※(GM情報)2回までチャレンジ可能です。
失敗したら壊すこともできそうだと探索者に促してください。
鍵開け用の道具として、そばに針金が落ちています。
鍵開けをしようという意思を探索者が見せれば、針金の存在に気づかせてください。
もちろん自前の道具があればそちらも使えるでしょう。
[(行動)]⇒檻の鍵を破壊する
※(GM情報)合計で10以上のダメージを加えれば檻の鍵は壊れ、出入り可能になります。
檻の中の影はその様子を見て「大胆だね」と驚いたようにからからと笑うでしょう。
[注視/見る]⇒(檻の中)
影は壁に繋げられた鎖によって動きを制限されているようだ。
傍らにはぼろぼろのベッドと、食事の後なのか食器が無造作に置かれている。
衛生的にいい状態とは言えないだろう。
[注視/見る]⇒(影)
黒い靄を人型に固めたような形状で、性別などは不明瞭。
石の壁にもたれるようにして座っているようだ。
影の手首にあたる部分に、鈍く光る銀色の手枷がついているのが確認できるだろう。
[注視/幻視/見る]⇒(手枷)
銀色の手枷。手枷から伸びる鎖は奥の壁に繋がれており、
影の行動を制限しているようだ。
小さな鍵穴があるが、[鍵開け]等では開けれそうにない。
[幻視]封印の魔術に類した力を感じる。
※(GM情報)破壊も不可能です。
[(行動)]⇒手枷を外す
※(GM情報)
銀色の鍵を使うことで手枷を外すことができます。
鍵開けや物理的な破壊はできません。
影は手枷を外されると探索者にお礼を言い、
そのまま自殺しようと行動を開始します。
[精神分析/様子を尋ねられたら]⇒(影)
本当に拘束されているのかと疑わしいほどに、自然な様子で檻の中に座っている。
この状況をある意味受け入れているようにも見えるが、それだけだろうか。
※影なので基本的に表情(目)は分かりません。
ただし、影の動作・台詞・声音からある程度の情報を出すことが可能です。
詳しい内容・会話例はNPC詳細の「Clown/ユメト」の欄を参考。
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気がつくと、探索者は埃っぽい床の上に適当に横たわっている。
薄暗く、異様なまでに静かなその空間の中で、
呻くような声が僅かにした。
「もう、何も聞きたくない」
消え入るようなその声の出先を辿れば、
椅子に座り、机に伏せている影が目に入るだろう。
※影の願いは「音を聞きたくない/解放されたい/生きたい」です。
影との会話はNPC詳細を参考に。
【Marionetteの世界クリア条件】
@影を殺す。
A影に耳栓を渡す/ナイフを渡す+甘言/等、彼自身での解決の手段を与える。
※どちらかを満たした瞬間にクリアとなります。
【スペシャル条件】
B影に髪紐を渡す。
※そのまま渡しても「私にはその資格はない」と受け取ろうとしません。
受け取ってもらうには[説得]や[甘言]、もしくはそれ相応のRPが必要となるでしょう。
【クリア時描写例】
以下は各クリアごとの描写一例になります。
このままでも、ここから会話などを足してもいいでしょう。
探索者が望むなら対話の時間を設けても構いません。
特にクリアBであれば猶予はあるでしょう。
影の体がぐらりと揺れ、その場に崩れ落ちた。
影は乾いた笑いを響かせ、そして、あなたを"見た"。
「ふふ、あは、は、はは、」「どうも、ありがとう、これで、もう、」
「でも」
「許さない」
影が霧散して、消えようとした瞬間。
あなたの"中"に暴力的なまでの音が響いた。
※そのまま意識を途絶えさせ、シナリオを進行すればスムーズでしょう。
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影は手渡されたそれを見つめ、くすくすと笑った。
「ふふ、気休めには、なるかしらね……」
ありがとう、とこぼして、それを自身につけ、再び机に伏せた。
……やがて、ゆっくりと影の姿が薄れていく。眠りにつくかのように。
そして、ふと瞬きをすれば、影の姿はもう、そこには無かった。
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影は手渡されたそれを見つめ、くすくすと笑った。
「そうね、そうよね、……きっと、それが一番なんだわ」
「それを見ないようにしていた」
「それに気づかないようにしていた」
「でももう、何もかも手遅れだから」
「だからきっと、これでいい」
きらり、輝いた銀色の刃が真っ直ぐに影の喉の位置をつき、
ぐらりと影の体が揺らいだと思えば、
次の瞬間には、空に溶けるように霧散していた。
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その髪紐を手に取り、しばらく躊躇い、そして、
やがて意を決したように、自身の髪を結うような仕草をする。
もたついているが、そのまま見守っていれば、"彼"の髪はしっかりと結われているだろう。
気が付けば目の前にいる人物は影の姿ではなく、
金髪に紫色の瞳を持つ、男性であった。
「……見えないふりをしていたの」
「あまりにも暖かいから、私にはふさわしくないと」
髪紐に揺れる飾りに触れ、彼は穏やかに微笑む。
「……ねえ、あなたの名前を聞いてもいい?」
「私はクラーマレというの」
「ねえ、私、がんばるわ。まだ抗えるって、そう思うから」
「だから、――ありがとう」
その言葉を伝えると同時、彼の体は白い光に包まれていき、やがて、消えた。
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影が消えたあと、探索者は強烈な眠気に襲われ、その場に倒れるように眠ることになる。
意識が途絶える直前、青年/かたりの声を聞くだろう。
青年のセリフだが、どのクリア条件を満たしたかによって台詞が異なる。
台詞そのものは改変してもよい。
@A『Marionetteの願いは叶えられた』
B『Marionetteの願い、ただ思うままに生きたかった。その願いは叶えられた』
⇒【9.黒の空間】へ
[注視/見る]⇒(周囲)
薄暗く、埃っぽい室内だ。
まともな照明はないが、探索する分には問題ないだろう。
また、大きな机と7人分の椅子、棚と本棚が目につく。
椅子のうちのひとつに、黒い影が机に伏せ、座っているのが見える。
そして、やはり三つ目となるこの部屋にも扉や窓は存在しない。
外に出ることは出来ないようだ。
[注視/見る]⇒(大きな机)
少し埃が積もっている。あまり衛生的ではない。
[注視/見る]⇒(7人分の椅子)
サイズ、質感が共に統一された木製の椅子。
[注視]影が座っている椅子を除き、それぞれの椅子に
touch、hallucination、sight、pain、smell、taste
と書かれている。
※(GM情報)影が座っている椅子にはhearingと書かれていますが、
影に体を動かしてもらわないと見えません。
[注視/見る]⇒(棚)
日用品がごちゃまぜに置かれている。
裁縫道具や化粧品に混じって、耳栓やアイマスクまである。
全体的に統一性がない。
よく見ればやたらと武器も多く収納されている。
が、どれも手入れがされておらず、まだ使えそうなのは手頃なナイフくらいだ。
[注視]あまりにも適当に詰め込まれた棚の中、小さくシンプルな箱が目につく。
[注視/見る]⇒(箱)
紫の箱に金色の装飾が控えめに施されている。
開けようとしても固く閉ざされ、開かない。
小さな鍵穴があり、鍵がかかっているようだ。
[鍵開け]⇒(箱)
鍵を開けると、中から飾り紐が出てくる。
紫の紐の端と端に緑色の丸い石がついている。
※(GM情報)探索者が鍵開け用の道具を探すようであれば「棚」に誘導してください。
また、この飾り紐が「髪紐」になります。
[注視/見る]⇒(本棚)
様々な本が置かれている。ジャンルや本の種類そのものが幅広い。
複数人で利用しているような印象を受けるかもしれない。
[注視]注意深く見ていると『スキルについて』という本が目に留まる。
[注視/読む]⇒(本)
まだ新しい本のようだが、埃を被って劣化してしまっているようだ。
読める範囲は以下の通り。
(以下、本の内容)
『スキルについて』
この世には様々なスキルが存在する。
炎を生むもの、水を操るもの、風を刃のごとく扱うもの、
対象の五感に干渉するもの、対象の意思を奪うもの、
幻覚を見せるもの……と多様である。
また、術者の力量とスキルの強さが釣り合わないことがまれにあり、
釣り合わない者はスキル暴走を引き起こすことがある。
自身のスキルに苦しめられる者は少なくはない。
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探索者は気がつくとこの空間にいる。
辺りは真っ黒な「空間」。
壁や床などはなく、探索者はその空間に浮いている状態である。
純粋な闇とも思えるその空間は、しかし闇ではない。
自身の姿がはっきりと視認できることからそれに気づくことができるだろう。
探索者が黒の空間にいると認識すれば、どこからともなくいつもの青年の声が聞こえる。
「おかえり」
その声を辿れば最初に見た青年が探索者のそばで、同じく空間に浮いている。
「無事に三つの願いを叶えられたみたい」
「と、いうわけで報酬。こういうのは、報酬を出すもの」
そう告げた青年が探索者の額に手をかざすと、何かが探索者の中に流れ込む。
この時点では探索者は自身が何をされたのかは分からないでしょう。
※クリア報酬の「ステータス」と「記憶」になります。
やりとりを終えれば、青年は「それじゃあお客人を帰そう」と手に持った本を開く。
そして、探索者にひとつ礼をして、にこりと笑った。
「お疲れ様、気を付けてお帰り」
その言葉を聞けば、あなたの体は来た時同様、光に包まれる。
黒が消えうせ、光のみが視界を埋めていく。
ここでシナリオ内項目10の「希少報酬/アイテム報酬」の条件を満たしている場合のみ、
探索者には青年の声が届くだろう。
『ああ、そうだ』
『かたりの考えた可能性を超えたお客人に、ちょっとしたプレゼント』
『それじゃあ、いい"物語"を』
…………
……
…
ふと気が付けば、あなたの目には植物の、森の緑が映る。
白い光を見たような気がする。だが、思い出せない。
今まで自身が何をしていたのかを忘れ、あなたは森で一人、立っていた。
シナリオクリアです。
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▽クリア報酬
・ステータス成長5pt
・自身の「願い」に関する記憶の一部分
(願いに纏わるエピソードを1つだけ思い出す
エピソードが無い場合は、何も思い出す事が出来ない)
※すべての願いの世界で「一度も」願いを叶えなかった場合は記憶報酬は無くなります。
ステータス成長のみを渡してください。
▽希少報酬/アイテム報酬
以下の条件のいずれかに当てはまるとき、希少報酬/アイテム報酬がつきます。
アイテムはPLの任意選択になります。
探索者からすれば何やら不思議な小包がいつの間にか自室にあることになるでしょう。
条件を複数満たしている場合、
最大で希少報酬をひとつ、希少ではないアイテム報酬をひとつ、入手することができます。
<希少報酬>
【三つの願いの世界すべてで特殊クリアをしている】
・
泡沫の炎(※取得済み)
【三つの願いの世界すべてでクリア@(殺してクリア)をしている】
・
確然の呪
<アイテム報酬>
【Dollの世界で特殊クリアをしている】
・
みがわりにんぎょう
【Clownの世界で特殊クリアをしている】
・
のろいのこびん
【Marionetteの世界で特殊クリアをしている】
・
くるくるピエロメダル
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