伏見
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◆陣営 : Evil
◆名前 : 伏見 (ふしみ)
◆性別 : 男
◆年齢 : 外見30歳
◆身長 : 190cm
◆体重 : 73kg
◆血液型 : AB型
◆ステータス
【HP/9(+6)、攻撃/9(+18)、魔適/9(+1)、耐久/4(+13)、魔耐/4、敏捷/6(+10)】
◆装着スキル / SP : 300(+210)
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個人ページ
白藍色の髪に金眼の三白眼でつり目かつ糸目の男、肌は少しばかり血色は悪い。
通常は糸目で目は確認出来ないが感情的、企んだりからかう際は開眼する。
癖毛で後ろ毛の一部が上に跳ね返っている、
跳ね返っていない部分は腰まで長く宝玉の髪留めで束ねている。
長身でひょろ長に見えるが着痩せなので脱げば腹筋は割れている、
早朝は素振りと筋トレをしている。
また背中には肩から腰にかけて大きな刀傷があるが彼はあまり見せたがらないかもしれない。
服も四季問わず茶の半纏、Yシャツに少しくたびれた緑のVネックベスト、改
造似非ループタイ、黒パンツ、腰には手ぬぐいを挟み
改造ベルトを装着し愛刀を帯刀している。特注であろう丸めの下駄を裸足で履いている。
またどこに隠しているのか鉄扇も所持しており、
それなりに重量はあるものの片手で開閉可能だろう。
また喫煙者で半纏に朱色の煙管セットを所持している、
ヘビースモーカーではないが思案中は喫煙する癖がある。
糸目、少しばかり間違ってる似非関西弁(京訛り)のせいで
ふざけているように見えるが常に相手の心理状態を分析し
自分、または仲間に被害が及ばないかを計算している。
また子供の面倒を見るのが好きで遊んでと頼まれたら快く承諾し
相手が飽きるまで付き合う優しいお兄さんでもある。
料理も大好きで得意料理は鳥肉を扱った料理全般。
しかしこの行動は本来の攻撃的感情面を自制している状態の彼である。
キレたり、過度に飲酒した場合は一瞬で豹変し本来の粗暴な口調、暴力的な彼になるだろう。これまで優しくした相手にも
敵と判断すれば暴言暴力も厭わない。鉄扇で殴るは小手調べ、
抜刀した場合は脅しではなく相手を殺す事しか考えていない。
また雨を異様に嫌っており雨の日は終始テンションが低い、
雨に濡れたらさらに苦痛な表情を浮かべる。
「僕は伏見言います、おひぃはんかわええなぁ。お嬢のがええ?」
「ややわあ、おっかないやん、お嬢、野郎構わず僕が護りまひょ」
「で?テメェはどっちだ、謝罪?抵抗?さっさと決めろよクソが!!」
「俺が巡らせてやるからとっととくたばっちまえよ!ヒャハハハハ!!!!」
関西人からは首傾げられるような似非関西弁で喋る、キレると関西弁が抜けるのが解る。
記憶を無くした件については正直戸惑ってはいるけれど
「元々僕の記憶、そのうちあっちから戻ってくるやろ」とポジティブに捉えている。
例えそれが血に塗れていても哀しい記憶でも、
怒りの記憶でも、受け入れる覚悟が彼にはある。
たとえ「雨」に関わる記憶だとしても…。
「―それが俺であり僕ですもの」
◆返還記憶-----
ふ、と意識が戻る。…ん?
俺の手、足、どうした、あんだけ斬られたじゃないか。
血はおろか傷痕も接合した痕さえない、身体は動かない、
黒髪の野郎とも女とも解らねぇそいつは俺を見ておはよう、と笑う。
「私は役小角(えんの おづぬ)、刑期の取引をしたろう。
だから私が君の身体を修復してね」
誰だこいつ、身体はやはり動かない。
どうやらそいつは俺の死体を修復し改造、そして魂を今ぶち込んだところらしい。
常人より桁外れの再生力、身体能力がある、と俺の手を握って説明をした。
「これから君は怪異と戦ってもらうよ」
左手には愛刀、懐には愛用の鉄扇達、やっぱり俺は戦闘からは逃れられないらしい。
結局は戦争だ。
見覚えのない髪飾りに首を傾げつつも、是の言葉をそいつに投げつける。
「―上等だ、任務承ってやるよ」
下村 嗣次(しもむら つぐじ)から改名し芹沢 鴨(せりざわ かも)から改名し…そうして
君の新しい名だよ、とそいつは俺に名を与えにきた。
「その2つの名はあの都ではきっと危ないだろう、もうその名の君は死んだよ」
「君は伏見だ…そして」
そして君は―…さて、何だったか、…雨の音でろくに聞き取れやしねぇ。
いつもの様に女を抱きながら酒を飲み楽しんでいたら知らせが入った。
俺と幼い頃から共にしていた相棒のような男、新見錦が罪を受け切腹をしたという。
辞世の句でもなんでもない受け取った殴り書きの文は
「少しばかりは、貴方の汚名を消したかった」、だと。
笑える、自分で汚名を買って出たというのに消したかったとは。
「…お前も俺置いて逝くのかよ、とんだ相棒だな」
新見錦が俺の罪を返上する為に馬鹿やって切腹した、…すまねぇな無駄死にだ、そいつは。
此処に、この組織に来る前に俺は思想の違いから人を斬り殺し死罪人だ、
そんとき辞世の句だってもう書いてある。
俺にとって死はどうでも良い事だし、
この今ナメられて今にも潰れそうな組織を残す為に俺はある男と契約を交わしていたんだ。
この組織にとって「国賊」でしかなくなったら俺を殺れ、って。
そうすりゃ身内でも国賊を討ち取る組織だって
周りは畏怖の対象にだって勇敢な対象にだってなるだろ。
俺が死ぬといろいろと利点が発生する程度には俺はあえて「やらかしてる」からな。
だからお前がどうこうしても結果的に俺は殺されるわけよ、
だって国賊になって汚名被ってまでこの組織を残したくて。
本当お前も俺もついてないな、いっそ恨んだって構いやしねぇ。
だって、そろそろ―
その女とも男ともつかないそいつはとても泣き虫だった。
「泣き虫め」
もうしょげるんじゃねーぞと言ってもその涙は止める事も出来ないんだろう、
ボロボロ泣いてやがった。
雨みたいな涙だった、でも不思議と嫌な感じはしねぇ、
あれほど俺が雨を嫌っているにも関わらずだ。
最後にそいつ、セイは頷いて…さて、どうなったやら。
別に心配なんかしてねぇよ、あいつが選んだ選択だし俺はただ背中を押しただけだ。
それだけだ。
―雨の日はこう呟いてやるんだ。
あの泣き虫め、ってな。
友情なんて無縁だと思っていたが奇妙な事におっ死んでから妙に絡む事が増えた。
まぁそいつらも俺同様死んでるんだが。
まぁ、元同じ…俺が生きていた頃の組織の人間で、
しかも俺を殺した張本人もいたが俺はそいつに暗殺を依頼した身だ。むしろ感謝してる。
結果的にその組織は護れなかった俺らだが
馬鹿やりつつ怪異とかいう化け物倒したり良からぬ輩をしょっ引いて暮らしてて…
それで酒やら飲んで喧嘩して…
生きてた頃とそう変わらねぇ事してるのに、前よりそんな蟠りはなかった。
嗚呼、今日も酒が美味い。
「俺が「不要」になったら構わず殺せ、それまではテメェらを率いてやるよ」
前言撤回するようなタイプじゃないが正直言うと
もう少しテメェらと生きて、生きて、生きて護りたかった、戦いたかった。
でもこの流れじゃ俺は近いうちに「不要」になっちまうし、そろそろあいつらも
俺をどう殺すか、どう世間様から欺くか作戦会議してるだろうよ。
あーあ、なんてザマだ。
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「共に生きて」国を護る事を諦め、「組織を生かして」国を護る事を選択しました。
俺は人様から好意的に見られる事は絶望的だから、
ちょっとばかり自分を変えようと思った。
粗暴な口調はその土地に相応しい口調にして、威嚇したような眼は笑って誤魔化して
もう「悪党」になる必要はないからちょっとハメを外そうと思ったのかもしれない。
今ではもう定着しちまったこの口調と、この顔、屋台や接客するにゃ丁度良い。
おいおい何も騙してるつもりはないんだぜ、テメェだってガチなヤンキーと話したくないだろ?
好意的と受け取って欲しいね。
あれ程自分を犠牲にしてまで護った国は新しい時代を迎え
あれ程自分が大事にしていた組織はあっけなく離散した
生き残った奴も勿論いたが、殆どがおっ死んだ。
俺が生き返って戻った都は俺の知ってる都じゃなくなっていた。
哀しい?悔しい?腹立たしい?いや、全部違う
「虚しい」
それに尽きる。
俺のいる世界は「呪い」やら「穢れ」やらで
死んだり狂ったり操られたりとそりゃもうカオスな世界だ。
上司の晴明、は「嵯峨野」と名乗り都に蔓延る呪いやら穢れやら…
それらをひっくるめた「怪異」を退治している。
俺も刀とこの身体でそいつらをブチのめして暮らしている。
しっかし、怪異は消える事はなく不定期に都を襲い運の悪い奴らはあっけなく被害にあう。
対策をしてもしても留まる事はないし、消え去る事もない。
あー…そういや、俺、「生き返って」もう900年経つのか。
あの世界帰ったら、上司に給料あげてもらわねーと。
おい、晴明、一緒に帰るぞ、あの都に。
満開の桜の中、そいつが馬鹿みたいに純粋な気持ちを言うものだから
俺は懐に棄てる予定だった歌、辞世の句をそいつに渡した。
「雪霜に色よく花の魁(さきがけ)て 散りても後に匂う梅が香」
アンタらしくねぇな、と言われたがそうかもしれない。
「俺が「不要」になったら構わず殺せ、それまではテメェらを率いてやるよ」
その辞世の句があるんだ、いつだって俺は死んだって構わない。
律儀で粗暴なそいつは俺を凝視していたが小さく頷いた。
「なら、たった今からアンタは「芹沢先生」だな」
こうして俺は「局長」になった。
俺が名前を改める前からの付き合いだ、腐れ縁かもしれない。
どうしようもないゴロツキ共をブチのめしたり、しょっぴいたり常に奴は傍にいた。
敬語やめろって何度も言ってるのに「貴方が一番ですから」と聞きやしない。
本当に話を聞かない奴だ、本当に、本当に。
俺が死ぬ三日前にお前は結局俺のせいで切腹しやがった、あーあ。
俺は直接は見てないが沖田からその報告をもらった、不思議と驚きはなかったが。
「地獄で待ってろ 錦」
この時間帯は嫌いじゃない。
客が帰ったり、家族の元に帰るガキ共。まあ平和なのは良い事だ。
夜になりゃ「刑期」が稼げる、俺はその時間を何よりも心待ちにしている。
夕陽を眺め煙管ふかして部下共に今日は此処が危ないだとか今日は此処で戦うとか指示をする。
生前と何一つ変わりゃしねぇ事をする、そんな時間帯。
暴れてぶちのめして刑期を稼いで削る。
戦う興奮を抑えて俺は時間になるのを待つ。
どうしようもねぇな、戦闘狂いにも程があるぜ。
そういやこの季節、生きてた頃の俺、死を待ってたな。
死ぬから、死ぬための詩を作って牢の隙間から見える桜を眺めてた。
でも結局死なずに無様に生き恥を晒すことになった。
俺の名、下村嗣治の名は代わりに死んじまったがな。
どうせ、死を迎えるつもりだったんだ。
怖くも、惜しくもねぇから何だって出来る、何だって、何だって。
そんな希望も、可能性も虚しく
桜も、あいつらも、結局は皆散った。
―くっだらねぇな
変に夢見てる事がある。
たくさんこの刀と拳で怪異を殺していけば
俺をバラバラにした百鬼夜行が滅びるんじゃないかとか
怪異はもう二度と出て来なくなるんじゃないかとか…まあ現時点では無理だが。
そしたら刑期が終わるまでちょっとした居酒屋開きたいとか思ってたりする。
まぁなんだ、趣味で店開くのも悪くないって思った。
しばらくは無理かねぇ、これは。
不死身とはいえ500年に一度は俺はメンテナンスをしないと腐らない死体に戻っちまう。
その時は決まって晴れでも室内でも切り刻まれるあの音、雨の音が聞こえる。
眠い、というより力が入らなくなってぷつりと動けなくなる。
けれど、何度か嫌いとは言ったがこんな身体でも俺は雨が好きだった。
屋根の下で仲間とわいわいしたりと自然に賑やかになるから好きだった。
因果か雨の日に殺された俺の身体はすっかり雨を受け入れられなくなっちまったが。
さて、俺はあと何年先にまた身体を弄られるんだろうか。
怪異に慈悲を与えちゃならねぇ、油断になる。
たくさんの奴らが怪異に同情しておっ死んでいった、俺の手下も何人か逝った。
だからこそ俺は怪異が許せねぇ、喋れる怪異だろうと心があろうとブチのめすだけだ。
…仲間を庇って身体がバラバラになるのもこれも油断かねぇ、捨て置けば良いのにな。
首だけになった俺は身体の修復が終わるまで休む事になった。
退屈は嫌いだ。