陸地 砕花
◆陣営 : Justice
◆名前 : 陸地 砕花 (りくち さいか)
◆性別 : 女
◆年齢 : 16歳(見た目)
◆身長 : 168cm
◆体重 : ??kg
◆ステータス
【HP/8(+2)、攻撃/10(+16)、魔適/10(+5)、耐久/9(+1)、魔耐/6、敏捷/10(+1)】
◆装着スキル / SP : 300(+50)
◆
個人ページ
◆外見
沼の底を掬い取ったような深緑を灯した黒髪。
硝子で作られた花の簪にて高い位置で結い上げ留めているが、
それでもその髪は背を覆いそうな程に長い。
瞳は灰がかった濁った色をしており、伏し目がち。
長い前髪を右に流し、顔の右半分は隠され見えない。
晒した左半分。瞳を貫く太い棘のような、
黒い刺青が彫られているのが特徴。
刺青の黒がよく映える色白さと無表情。
纏う雰囲気は人間味のない冷たいものを感じさせるかもしれない。
炭黒の着物に、辛子色の帯。足袋に草履。
通常のものよりも大きく丈のあるスコップをいつも持ち歩いている。
首の後ろに桜の烙印が押してある。
一人称/わたし
二人称/貴方
明るくもないが、暗くもない。
感情の起伏が皆無に等しく、常に冷静沈着。時に冷酷。
口数は少ない方。愛想笑いも出来ずお世辞も言えない分、
良くも悪くも素直な性格ではあるようだ。
非常にゆっくりとした機械的な口調でぽつりぽつりと話し、
所々の発音も危うく途切れ気味な為、会話は少々難があるかもしれない。
記憶をなくし、無表情の裏でどこか焦っている。
いつも誰かの前に立っていた気がして。
けれども、いつも誰かに手を引いてもらっていた気がして。
◆返還記憶-----
子供達の無邪気な笑い声。
無邪気に邪気を纏った笑い声。
「親なし」
そんな言葉と共に、石が投げ付けられた。
見えていたのに、分かっていたのに、
避けることはせず、逃げることもせず、
ただただ、それらを体で受け止めた。
傷付いた分だけ血が流れた。
傷付いた分だけ体が痛かった。
心は、ちっとも痛くなんてなかった。
一年中、春を思わせる場所。
その桜が枯れているところを、全ての花を散らしたところを、
わたしは見たことがない。
一年、十年、…百年は、続いているか。
永遠に変わらない春の領域………桜宮。
「あらあら、うふふ。”おかえりなさい”」
わたしは、そこで作られた人形だ。
それは全部、主から教えてもらったことだった。
糸の紡ぎ方、組み方、機織り、裁縫…
装飾品、雑貨、時には陶芸等の工芸品の良し悪しも。
わたしがわたしである為に必要なことではないそれらを、
彼は嬉々としてわたしに教えてくれた。
色々なものを、わたしに見せてくれた。
「今はまだ分からないかもしれないけれど、
何か、どれか1つでも、砕花の好きに繋がるといいなぁって」
だから一緒に、色んなものを見ていこうね。
物づくりも、物見も。好きと言えるにはまだ色々足りないけれど、
そう言ってくれる貴方のことは、確かにわたしは「すき」です。
ただひたすらに、それを護らなければならなかった。
ただひらすらに、それに近づくものを壊さなければならなかった。
有象無象、人間怪異の区別なく打ち砕く。
何故だと問われたとて、理由など「護るべきものに近づいたから」
それだけの理由で、悲鳴を上げる数多の命に消えてもらった。
護らなければ。壊さなければ。
護らなければ、わたしに存在理由など無い。
壊さなければ、わたしに存在理由など無い。
護ること以外に、壊すこと以外に、わたしの存在する理由などどこにも無い。
そう、言われたんだ。
そうすること、そうしなければいけないことは、
わたしに与えられた「役目」であり…「罰」なのだと。
「わたし」が、一体何をしたというの。
「どういうご関係で?」
そう訊ねられたことは、もう幾つ指折り数えたことだろう。
目に見える色香が喧しい女人共。上のお役目を持つ殿方達。
いつの時代も、彼と並ぶ時はそう言葉を投げつけられてきた。
お前は一体何者なんだと。お前は一体「彼」の何なんだと。
関係は、わたしと「彼」は、…名前のない関係に、言葉が出ない。
わたしが口を閉ざしていれば、
いつも「彼」はいやらしく「くふふ」と笑って、
「うちの、従業員ですよ」
…当たり前の関係が、当たり前の言葉が、
ひどく、ひどく「哀しい」と、心が悲鳴を上げた。
「小生を、忘れないで」
紅空を泳ぐ影。
落つる影は華となって、赤く、紅く、赫く、アかく咲く。
湧き上がる「こころ」も「ことば」も、もう遅い。
あふれ出る「こころ」も「ことば」も、もう遅い。
どうして想いを表せなかったのだろう。
どうして言葉を発せなかったのだろう。
もっと自分の「こころ」の芽生えが早かったら、
もっと自分の「ことば」の芽生えが早かったら、
もっと、もっと早く「彼」へ、
「 」と言えていたら、彼も、わたしを、
からん、と右へ。ころん、と左へ。
口内に入れられたそれを舌で押しやり転がしていると、
主が「どうかな?」と首を傾げて笑っていた。
「…無味」
「おや、おかしいなぁ…味覚もつけろって言ったのに…」
「……食事…不要…味覚……不要」
ころころ。味の無い、砂糖菓子を転がす。
人形の体を得たわたしには、もう、貴方以外必要無いというのに、
主はいつも、くふふ、といやらしく笑って
わたしにあれやこれやと与えてくれる。
「お前がいつか、”あって良かった”と笑えるように」
…なんて、甘いひと。
その甘さにつけ入るものは、わたしも例外ではないのに。
わたしの瞳は、あの日の空なのだと、主が言ってくれた。
今にも泣きだしそうな曇り空が、我慢しきれずに涙を零した日。
主が、わたしを迎えに来てくれた日の空の色。
灰色が覆う空に見惚れては、いつも蛇の目を持たずに外へ飛び出した。
涙が零れて、肌が濡れて…ふと、影が差して雨が止む。
「砕花」
あの日のように、傘を差した貴方がいて。
「迎えに来たよ」
くもよ、とじておくれ。
あめよ、ふっておくれ。
そらよ、ないておくれ。
そうしたら、むかえがくるの。
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あなたのもとへ、かえりたい。
「砕花」
たった一度、貴方が名前を呼んでくれるだけでいい。
右腕が、左腕が引き千切られようと、
右足が、左足が吹き飛ばされようと、
瞳を潰され、耳を削がれ、口を割かれたとしても、構わない。
貴方の厭うすべてを破壊いたします。
貴方の乞うすべてを守護いたします。
すべては主…貴方だけの為に。
花を砕かれども、わたしは散りはしない。