悪魔の巣
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陣営:制限無し
推奨人数:1〜2人
推奨スキル :幻視、聞き耳、戦闘スキル全般
準推奨スキル:光属性魔法、説得or甘言
時間:8時間程度
GMボーナス:ステータス成長+5pt
ダンジョン「悪魔の巣」専用シナリオです。
探索、戦闘あり。
場合によってはクリア失敗がありえます。
エンディングのルート分岐があります。
GMを希望される方はシナリオをよく読み込んでください。
◎制限時間はなし。
※シナリオに書かれていない情報については、GMの裁量にお任せいたします。
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方法を問わず、悪魔の巣から脱出すること。
エンディングは3種類。
「さて、やっとのことで、・・・眠りにつく時がきたようだな。
面白い。いつだか"半魔"と罵ったお前が、
こんなところまで上り詰めてくるとはね」
女王はレサトを見つめると、口元で笑います。
「・・・私はゆっくりと眠り、
来るべき新しい時代を迎える準備をするよ。
さあ、レサト。名を呼べ。忘れかけた名を。我が名は──」
「"ルシファー"。 ・・・お前は、よくやったよ」
真の名を与えられた女王は、ふっと意識を失くし、瞳を閉じて横たわります。
傍聴席の悪魔たちがわっと乗り出し、狂乱の叫びとともに、混沌が渦巻く。
『女王が眠りについた!』
『来るべき混沌を前に宴を!』
『支配するのは、力のみ! ──貪り食え、食いつくせ!』
蜘蛛たちは互いに互いを食い荒らしてゆく。
力あるものだけが生き残る。女王が眠った今、秩序を口にする者はどこにもいない。
今を持ってして、始まるのだ。──混沌の時代が。
「──みんな、こっち!」
探索者の隣にいたレオンが急いで探索者たちをひっぱると、
そのままレサトのマントに隠れ、
探索者たちは炎に包まれながら、その場を後にする。
──たどり着いたのは、たんぽぽの綿毛が咲く野原。
むき出しの大きな石に、レオンが魔法陣をかいている。
「オレがやるよ、といったんだけどね。聞かないんだ」
少し時間がかかるけど、許してやってくれ、と、レサトは苦笑する。
「・・・できた!」
レオンがそう言って立ち上がると、
・・・どうやら魔法陣が完成したようだ。
その魔法陣にのってレサトが呪文を唱えれば、
探索者は帰還することができるだろう。
消えていく瞬間、黒髪の女性に向かって走っていくレオンと、
隣で浮いているファウスト、その後を追い、女性を抱きしめるレサトが見える。
──ただいま。
探索者は、胸に「家族」あるいは「希望」──その記憶を残して。
おめでとうございます。シナリオクリアです。
『見たか、反逆者ども!』
『捕えろ、その者たちを今すぐ捕えろ!』
「・・・まずいな」
「!!! 逃げるのかよ、オヤジ!!!」
「ここで死ぬわけにはいかないさ、──門を開け!」
レサトがそう叫ぶと、手中に収めたのだろう、
彼の手下の悪魔たちが、重々しくまがまがしい門を開く。
そして現れる、おびただしい数の不浄なる魂、それを喰らわんとする大勢の蜘蛛。
『おのれ、不浄なるものとまで取引したか!汚いぞ、蠍火!』
「悪いが手段は選ばんよ。さあ、行くぞファウスト!」
「クソ、だから嫌いなんだ、アンタのことが!」
レサトに抱えられたレオンハルドは、憎しみをこめて、そう叫ぶ。
悲しげに微笑むレサトが見えたかもしれない、
しかし視界は遮られていく。
暗闇、暗闇、暗闇・・・
全ての者が、秩序によって、今裁かれる。──これが、秩序による終焉。
その後、彼らが何処へ行ったのか、彼らの行く末はどうなったのか・・・
探索者たちには、知るよしもない。
そして、長い悪夢から目覚める。
──探索者は、拠点のベットの上。
悪魔の巣・・・その場所にふさわしい、
「絶望」あるいは「後悔」の記憶を胸に残して。
おめでとうございます!シナリオクリアです。
怨恨の間につくと、レオンの書いていた魔方陣が完成していた。
魔法陣に乗れば、レサトが呪文を唱える。
「気をつけるんだよ」
「じゃあな、みんな!」
レサトとレオンに見送られ、探索者はその場を後にする。
そして、気づけば・・・そこは拠点のベットの上。
悪夢を見た気がする、しかし、・・・何も思い出せない。
窓からは暖かな日差し──君は、いつもの日常へもどっていく。
おめでとうございます、シナリオクリアです。
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人々の絶望と後悔の地と呼ばれる、魔界の奥深くにある、蜘蛛の悪魔の巣。
「秩序期」と「混沌期」という異なる周期を繰り返しており、
秩序期は女王の頂点とする階級が存在し、上官たちが支配を行う。
絶対的権力による絶対的支配、という言葉を主軸としており、
いくら魔力を持とうと、権力に勝る力はない、とされている。
混沌期は女王が眠りにつく期間であり、
すべての階級が存在せず、悪魔たちの純粋な力、魔力のみが
支配力となり、ここで力を示したものが、のちの秩序期で権力をもつ存在となる。
◎秩序派
女王を頂点とし、絶対的な存在とする。
いかなる反逆者も罰し、"穢れ"を排し、秩序を絶対とする派閥。
今ある秩序を保ち、混沌を悪しきものとする。
支持しているのは秩序派上官の悪魔たち、その上にいる女王。
◎混沌派
女王の存在しない"混沌期"の訪れを求める。
規律や階級は意味をなさず、力のみが支配する世界。
"穢れ"が上界に上がれるチャンスであり、
一度、混沌紀を迎え、新しい秩序が訪れる、というのが悪魔の巣の周期となっている。
支持しているのは"穢れ"たちや下官のもの、そしてそれを率いるレサトである。
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探索者は、拠点で悪夢を見て、悪魔の巣へたどり着きます。
方法を問わず、悪魔の巣を脱出すればシナリオクリアとなります。
【メインイベントとなる「裁判」について】
NPCであるレサトの依頼を受けることを選択すると、
探索者たちは「陪審員」として、
悪魔の巣の裁判の場に立つことになります。
裁判の途中、探索者にも発言ができるタイミングがあります。
その際の発言内容によって、
無罪か有罪か、勢力に動きが出ることもあります。
最初の状態では「秩序派」が優勢であり、
探索者がなにも発言せず、かつ投票もしなかった場合、
自動的に有罪判決となります。
探索者が発言し、「混沌派」を刺激したり、有意な状況を作れば、
探索者が投票せずとも、混沌派が勝利する場合もあります。
探索者の投票結果と、場の様子を加味し、判決を決めてください。
全員がロストした場合、クリア失敗となります。
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・・・その日はやけに寝苦しかった。
眠りに沈んでいく意識のさなか、声を聞いた気がする。
憎しみで心が歪むような、地の底から響く声。
"血に飢えた者たちよ その憎しみを胸に抱き 悪魔の巣にて目覚めよ"
そして君たちは目を覚ます。
人々の絶望と後悔の地──悪魔の巣で。
⇒【苦悶の間】へ
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生贄の狂信者たちが、苦悶にあえいだ姿で捧げられている。
生贄が埋められた黒い壁に、正面、右、左と、
3方向に通り道があり、他の部屋へ続いているようだ。
中央には悪魔の手を模した台座があり、緑色の宝玉が飾られている。
▼正面の通路へ ⇒ 【怨恨の間】へ
▼右の通路へ ⇒ 【哀憫の間】へ
▼左の通路へ ⇒ 【悲嘆の間】へ
探索者がここにたどりつくと、1d3の数の<忌むべき魂>と戦闘になる。
全ての<忌むべき魂>を倒すと、NPC登場イベント★蠍火の魔術師 が起こる。
[HP/12、攻撃/12、魔適/15、耐久/6、魔耐/10、敏捷/15]
◎固有スキル
【喰らう者】
無数の手を伸ばし、首を絞めて攻撃する。
手は1d3+2の数が伸び、攻撃力の半分で判定する。
通ったダメージをそのまま吸収し、自身のHPに加算する。
【穢れた者】
光属性のダメージを受けた場合即死するが、
場に他の「忌むべき魂」がいる場合、それらの攻撃力が二倍になる。
【目覚める者】
3ラウンド以内に全ての「忌むべき魂」を倒さなかった場合、
「喰らう者」使用時の攻撃値が半分から「元の値」となる。
◎装着スキル
回避(35)
任意で1d1000+6を振り、その数の<忌むべき魂>が出現する。
「──我が胸に燃える炎よ。その憤怒をもって、全てを焼き尽くせ」
その声の後、忌むべき魂たちの身体から真っ赤な炎が燃え上がり、
あたりは火の海と化し、赤髪の魔術師があらわれる。
「・・・なんだ、外の者か?ここでなにしてる?」
魔術師は杖をしまうと、黒いマントをなびかせて、探索者たちに問う。
「・・・となると、誰かがここへ招いた可能性があるな。
ふむ。誰かはわからんが、厄介なことに巻き込まれたな、君たち」
「すまないが、オレは少々忙しくてね。
ここから帰りたかったら、
そうだな・・・女王に直々に頼むか、オレの息子を探してくれ」
「じゃあ、お別れだ」
そう言うと、魔術師は炎でその身を包み、その場から姿を消します。
◎skill情報--------
「幻視」⇒(生贄の狂信者)
背筋が凍るような、地の底から響く声がする。
探索者は1d3のダメージを受ける。
「幻視」⇒(宝玉、台座)
悪魔の手を模した台座だ。
黒く、ねじ曲がった腕の先には、
長い爪のついた掌があり、その上に宝玉が乗せられている。
宝玉には狂信者たちの「苦悶」の魂が封じられており、まがまがしい気配がする。
「聞き耳」⇒(周囲)
【悪魔の会話】 へ ※初回のみ
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生贄の狂信者たちが、哀憫に満ちた表情で捧げられている。
生贄が埋められた黒い壁、天井は開けており、
明けることのない夜の闇に、銀色の月が浮かんでいる。
中央には悪魔の手を模した台座があり、紫色の宝玉が飾られている。
◎skill情報--------
「幻視」⇒(生贄の狂信者)
背筋が凍るような、地の底から響く声がする。
探索者は1d3のダメージを受ける。
「幻視」⇒(宝玉、台座)
悪魔の手を模した台座だ。
黒く、ねじ曲がった腕の先には、
長い爪のついた掌があり、その上に宝玉が乗せられている。
宝玉には狂信者たちの「哀憫」の魂が封じられており、まがまがしい気配がする。
「聞き耳」⇒(周囲)
【悪魔の会話】 へ ※初回のみ
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生贄の狂信者たちが、怨恨に満ちた表情で捧げられている。
生贄が埋められた黒い壁、天井は開けており、
明けることのない夜の闇に、銀色の月が浮かんでいる。
中央には悪魔の手を模した台座があり、赤色の宝玉が飾られている。
正面には通路があり、先へ進むことができそうだ。
また、部屋の奥に金髪の幼い少年がいるのが見える。
白いチョークで床になにか書いている幼い少年の姿がある。
話しかけても集中しているようで、
「んー・・・」
「えっとね、まだ途中だから、待ってて」
「・・・」
などの返事しか返さない。
気を引くような適切なロールプレイ(レサトの事を話す等)をするか、
説得や甘言に成功すると、書くのをやめ、話をしてくれる。
「俺はレオンハルド。年はね、えっと、5歳ぐらい」
「今してるのはね、オヤジの手伝いだよ。
迷子のひとを帰すための魔法陣を書いてる」
「あのね、もうすぐこの巣で裁判があるんだ。
だから、ここらにいる悪魔たちは、みんな準備でひっこんでる。
みんないつもいろいろ話してくれるんだけど、今はヒマだ」
「手伝いは、もう少しかかるから、またあとで来てね」
※探索者の質問次第で、レオンから悪魔の巣や裁判の情報を流してもいい。
◎skill情報--------
「幻視」⇒(生贄の狂信者)
背筋が凍るような、地の底から響く声がする。
探索者は1d3のダメージを受ける。
「幻視」⇒(宝玉、台座)
悪魔の手を模した台座だ。
黒く、ねじ曲がった腕の先には、
長い爪のついた掌があり、その上に宝玉が乗せられている。
宝玉には狂信者たちの「怨恨」の魂が封じられており、まがまがしい気配がする。
「聞き耳」⇒(周囲)
【悪魔の会話】 へ ※初回のみ
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生贄の狂信者たちが、悲嘆に満ちた表情で捧げられている。
生贄が埋められた黒い壁、天井は開けており、
明けることのない夜の闇に、銀色の月が浮かんでいる。
中央には悪魔の手を模した台座があり、青色の宝玉が飾られている。
◎skill情報--------
「幻視」⇒(生贄の狂信者)
背筋が凍るような、地の底から響く声がする。
探索者は1d3のダメージを受ける。
「幻視」⇒(宝玉、台座)
悪魔の手を模した台座だ。
黒く、ねじ曲がった腕の先には、
長い爪のついた掌があり、その上に宝玉が乗せられている。
宝玉には狂信者たちの「悲嘆」の魂が封じられており、まがまがしい気配がする。
「聞き耳」⇒(周囲)
【9.悪魔の会話】 へ ※初回のみ
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苦悶の間、哀憫の間、怨恨の間、悲嘆の間で
「聞き耳」を使うと聞こえる【悪魔の会話】
*姿は見えないが、どうやら下っ端の悪魔たち二人が、
仕事をサボって会話をしているらしい。
「近頃はよォ、『秩序派』やら『混沌派』やら、騒がしいこったなァ」
「そうさなァ、俺たちは『平和主義者』・・・関係ない話だが、
『裁判』が終わるまで"宴"は無し、なんざァ、ひどすぎる話だぜ」
「最近ここに出入りしてる魔術師のせいだろう。"蠍火"とかいったか」
「あいつがとりしきってるのおよォ、女王は黙って聞いてていいのかよォ」
「だからみんな言ってるのさ、女王の時代は終わった、
『秩序』を捨てて『混沌』へ、ってさ」
「ハァ。まあ、俺たちには関係のない話・・・」
「そうだ、関係のない話さ」
幻視してあたりを見まわすと、背中に蜘蛛の足を生やした、悪魔の姿が見える。
話しかけると、最初は面倒くさそうな顔をして無視するが、
しつこく話しかけたり、甘言や説得に成功すると、しぶしぶ口を開いてくれる。
「なんだァ、詳しいことが聞きたいならよ、
そのへんをうろついてる金髪のガキに聞け」
「ありゃあ"蠍火"の息子だ、案外賢くてずるがしこい。おまけに人懐っこくてよ、
誰とでも話すもんだから、仕事をサボってる俺たちよりよっぽど世間知りなんだよ」
「新聞係みたいなもんだな、あとはうるさい目覚まし時計だ、へへ」
「おいおい、お前も人間くさい顔になっちまってよォ」
「ファウストが気に入るのもわかるぜ、俺ァ」
「ハハ、ばかばかしい」
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生贄となった狂信者たちの魂が、
苦悶、哀憫、怨恨、悲嘆に満ちた表情で
壁に埋められており、顔が浮かび上がっている。
生贄が埋められた黒い壁、天井は開けており、
血に染まった赤い空に、月は浮かんでいない。
正面には巨大な両開きの扉があり、固く閉ざされている。
4か所に悪魔の手を模した空の台座があり、
その中央に悪魔が口を広げている台と、黒い短剣がある。
◎skill情報--------
「注視」⇒(悪魔の口)
"秩序を望むもの、混沌を望むもの、我に平等に血を捧げよ"
と文字が刻まれている。
「注視」⇒(四つの手)
手はそれぞれ形が違い、文字が刻まれている。
「抗いの手」 "我が欲すのは抗い得ぬ憎しみの魂"
「慈悲の手」 "我が欲すのは慈悲なる憐みの魂"
「掻き抱く手」"我が欲すのは掻き抱く苦しみの魂"
「嘆きの手」 "我が欲すのは嘆く悲しみの魂"
「抗いの手」 に赤色の宝玉
「慈悲の手」 に紫色の宝玉
「掻き抱く手」 に緑色の宝玉
「嘆きの手」 に青色の宝玉
を乗せ、悪魔の口の前で血を捧げると、門が開く
血をささげる際の道具は自由、1d3のダメージを受けること
*間違った宝玉を乗せて血を捧げる、あるいは何も乗せずに血を捧げると、
"愚かなるもの、その魂を捧げよ!"と声が響き、
床から無数の手が伸びてきて首を絞められ、1d5のダメージを受ける
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黒い壁には無数の生贄の腕や足が生え、
遥か高い天井にはおびただしい数の蜘蛛が這っている。
正面には巨大なクモの巣が張られ、その前に背の高い椅子があり、
灰色の肌に銀色の髪、背に蜘蛛の足を生やした女がうたた寝をしている。
探索者が訪れると、女は目を覚ます。
「なんだ、貴様ら。何しに来た?私はこの悪魔の巣の女王だ。
全く、私は昼寝中だといったろうに。門番は何をしているのだ」
女王は不機嫌そうに足を組み、そうこぼします。
「まあ、良いだろう。血を捧げた訪問者よ、貴様の望みはなんだ?」
※GMへ※
ここでの探索者の態度によって、女王の対応は変わります。
女王に敬意を払い、相応の態度をもって接するか、
非礼を詫びてから質問をするなどすれば、
女王は探索者を餌にはしません。
敬意を払った状態で「帰りたい」と言えば、
レサトが現れ、レオンの書いた魔方陣のことを話します。
また、女王の機嫌をとり、気に入られた場合、別のイベントが発生します。
「ここから帰りたい?
アッハッハッハ!笑わせるんじゃない、
せっかく迷い込んできた餌をみすみす帰すものか。
さて──宴も久しいじゃないか、なあ皆の者」
女王は高笑いしながら、大仰なしぐさで腕を振りまわす。
すると、闇の中からいくつもの赤い目が浮かび上がり、
狂気に溢れた目を細め、こちらを見てきます。
「贄だ。食せ」
その声とともに、蜘蛛の足を生やした無数の悪魔たちが襲いかかってくる。
探索者が身構えたとき。
その周囲に赤い炎が燃え上がり、襲いかかろうとした悪魔数匹が悲鳴を上げる。
女王は不機嫌そうに眉をひそめ、口を開く。
「何用だ。"蠍火"」
「宴は『裁判』まで待つと約束したろう」
「貴様にはこの飢えがわからんのか?仕様がない、半魔の貴様には到底理解──」
「契約だ、女王」
「…………」
女王は舌打ちをすると、部下の悪魔たちを下げる。
「代わりの贄は用意するさ。そう機嫌を悪くするな」
「フン、好きにしろ。私は昼寝の途中なのだ、早く出て行け」
女王は拗ねたように頬杖をつき、またうたたねを始める。
"蠍火"と呼ばれた赤髪の魔術師は、扉の外へ探索者たちを促す。
「さて、すまないね。
女王に申し出ろといったのはオレだが──まさか本当に行くとは思わなんだ。
その勇気を見込んで頼みがある。
・・・まあ、聞く気がなければ帰ってくれて構わない。
息子の書いた魔方陣はもう完成しているはずだ、そこから帰れるだろう」
◎帰る場合⇒【エンディング3】へ
◎頼みを聞く場合⇒【魔術師からの依頼】へ
女王は喉の奥でくつくつと笑うと、
「良い、態度はできておる。楽にせい」
と、長い爪を伸ばし探索者に命じます。
「"蠍火"、そこにおろう。この者礼儀はできておる、生贄にはせんよ」
そう言って、女王は暗闇のほうへ声をやります。
「・・・そうかい?また君の部下を燃やさなきゃあいけないと思ったよ」
くすくすと笑いながら、暗闇からレサトが出てきます。
女王は機嫌がよさそうに目を細め、こう言います。
「しかし面白い、のこのこやってきた人間が、
私に敬意を表したのははじめてだよ」
「・・・そうだな。望みとあれば今すぐにでも帰してやる事はできる、が──」
女王は言葉を区切ります。
「部下たちが揃って出払っているのは見ての通りだがね。
それには訳があってな。近く、この悪魔の巣で『裁判』がある。
その準備に忙しいのだ──
それを見た後でも、遅くはないと思うがね」
女王は探索者たちに、裁判への誘いをかけます。
※探索者がこれを受ければ、女王は探索者たちに酒を出し、酒宴を開きます※
「まだ裁判まで時間はある。それまでもてなしてやろう」
女王は満足げに微笑み、大仰なしぐさで腕を振り、声をあげます。
「──酒だ、酒を持ってこい!」
その声とともに無数の悪魔たちが群がり、
黒い酒瓶を手にして酒宴をあげる。
探索者にも盃が渡され、どぶどぶと酒が注がれます。
この赤黒い酒を飲めば、
芯から酔うように、快楽の味に舌鼓をうつことだろう。
束の間の酒宴が終われば、裁判だ。
⇒【悪魔の裁判】へ
探索者が女王からの裁判への誘いを断れば、
レサトがレオンの魔方陣まで案内することを女王に伝え、
探索者は帰還するか、レサトからの依頼を聞くことになります。
こうなった場合も、レサトは探索者に裁判に参加しないかと誘います。
女王からの誘いがあったことを汲みつつ、レサトから依頼をさせてください。
⇒【魔術師からの依頼】へ
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
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レサトは扉の外へ出ると、話し始めます。
「さて、自己紹介が遅れたね。オレはレサト。
蠍火の魔術師と呼ばれている。
──君たちをここへ招いたのは、
他でもない、このオレだ。
・・・どうか怒らないでほしい、これには訳がある。
まず、オレからその話をしよう」
「この悪魔の巣は、女王の支配と階級が存在する"秩序期"
階級が一度なくなり、力のみが全てを支配する"混沌期"
・・・という異なる期間を繰り返していてね。
混沌期にはいれば、女王は深い眠りにつく。
そして秩序期の始まりに目を覚まし、その力で支配を行う。
魔界のあるべき姿を保つためには必要な周期なんだ。
そして、長い長い秩序期を経て、
今がまさに混沌期の始まりだ、と声が上がっていてね。
秩序派と混沌派の悪魔たちの協議の結果、
この裁判をもって、
秩序派と混沌派の決着をつけようということになった」
「今回、裁判にかけられるのは、
オレの育ての親でもあり、友人でもある、ファウストという悪魔だ。
女王への反逆罪によって今回罪に問われている。
それに加担した魔女も、オレの母親に当たる人でね。
ようは家族の問題が、
えらく大きな事件に結びついてしまった・・・といったところでね。
そしてどうやら、オレの妻と息子の命もかかっている。
まだ、それを妻と息子はしらない。
すべてオレの手にかかっている──
負けられない戦い、といったところさ」
「そういうわけで、今回君たちをここに喚んだんだ。
どうにか、無罪を勝ち取るために協力してほしくてね・・・
君たちには、陪審員席に立ってもらいたい。
・・・といっても、公正な裁判だ、
最終的な判断は君たちが自分の意志で決めていい。
ただ、オレの話した事情を、
すこしでも気にとめてくれたらうれしいと思うよ。
しかし、それをさておいても、悪魔の裁判なんて貴重だろう?
好奇心のままに楽しむのも、悪くはないはずさ。
というわけだ、どうだろう?君たちの返事を聞きたい」
依頼を断る場合 ⇒【エンディング3】へ
依頼を受ける場合⇒【悪魔の裁判】へ
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▽クリア報酬
ステータス成長3pt、スキルポイント50pt
+裁判に参加した場合、以下の記憶報酬とアイテムを得る。
<エンディング1「混沌の狂宴」でクリアした場合>
・自身の「希望」あるいは「家族」の記憶
★アイテム【混沌の血】
混沌の力が封じられた悪魔の血。
任意の形のアクセサリーとして装備できる。
セッション中、すべてのステータスを半分にする代わりに、以下の効果を得る。
・戦闘中、1ラウンドに2回の行動が可能。他スキルとの併用可能
・1d3回の数、判定を自動成功にできる。甘言、説得、信用には適応されない。
・1d3回の数、回数制限のあるスキルの使用回数を各1回づつ増やすことができる。
・混乱、睡眠に陥りやすくなる(判定値などはGM裁量)
<エンディング2「秩序の終焉」でクリアした場合>
・自身の「絶望」あるいは「後悔」の記憶
★アイテム【秩序の魂】
秩序の力が封じられた悪魔の魂。
任意の形のアクセサリーとして装備できる。
セッション中、すべてのステータスを半分にする代わりに、以下の効果を得る。
・戦闘中、1ラウンドに2回以上の攻撃や行動が可能なPCの行動を1回に制限する。
・セッション中1回、任意のPCの判定を失敗にできる。
・セッション中1回、任意のPCの回数制限のある
スキルの使用回数を各1回づつ減らせる。
・混乱、睡眠を無効化する
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