嫉妬
アレからずっと蜜柑の衣装を直していた。
そして、とうとう30分遅れの開幕だ…
『よしっ!できたよー!!』
蜜柑を鳴海達がいる方に連れて行った。
私は席に戻れないと思いこのまま舞台裏で劇を見る事にした
何か蜜柑がルカと良い感じになっていた。
うん…ほのぼのね
そして幕があがった。
「昔々〜とある王国のいばら城に美しいお姫様がいました〜〜」
「姫は生まれたその日に悪い魔女から〜眠りの呪いをかけられて〜」
「“眠り姫”と呼ばれるようになりました〜その“眠りの呪い”とは〜〜」
声フェロモン合唱団が歌いながら進めていく…
確か次はスミレちゃんだったハズ…
「ふ…あ…ぅあああ〜〜〜」
「猫のようにぐーたらゴロゴロ〜〜〜
ひなたぼっこにいつもいねむり〜〜〜」
着々と劇が進んでいく…
そろそろ鳴海の出番だ。
「はぁーーい!子猫ちゃんお楽しみの所失礼!僕は君のハートにキューピッドの矢を射に来た狩人よ・ろ・し・く☆」
『うわーーー』
「なーんて!そう見せかけて実は本物の矢を君の心臓にグサリ☆が目的だったり」
な、何このバカみたいな人…ッ
会場にいた一部の人と心が一致した。
「しかし女王様の命令とはいえ…こんな可愛い子を手にかけるなんてやはり僕にはできない……と言うわけで代わりにこの愛らしい唇を奪う事にしておこうかな〜」
危機を感じた流架くんは鳴海を殴り逃げて行った。
そして暫くすると棗が出てきた
「…ニャア」
『プックク…』
耐えきれなくて笑ってしまった。
棗「実奈…」
『ごめんごめん…良かったよ“ニャア”』
棗「テメー…」
『まぁまぁ…プッ』
劇に意識を戻せばもうラスト近かった…
鳴海は蜜柑にカンペを出していた。
ん?
“王子、姫のくちびるに客席に分かるようにキス”
『あいつ…』
蜜柑は流架にキスしようとしていた。
なんとなく棗にケースを渡したら蜜柑目掛けて投げた…
同時にライトも消えた。
停電の中ちょっと異色の閉幕とあいなったのでした…
何だかんだで無事劇は終わった。
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